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長生きの秘訣と"ヘイフリック限界"世界長寿ランキングなど

このところ、腸内細菌や腸内環境、お腹の調子などについて書いてきましたが、今回は寿命や老化について、お話をしていこうと思います。

毎年、9月の敬老の日に合わせて、"100歳以上の方が日本に何人いるか"という統計を厚生労働省が発表します。

2023年100歳を迎えた人は4万7107人

100歳以上の人は9万2139人

2023年9月の時点で日本の100歳以上の人は9万2139人で、うち約89%(8万1589人)が女性で、約11%(1万550人)が男性です。

日本で最も長寿だったのは、2022年に永眠された119歳107日の田中カ子(かね)さんという女性です。

アメリカの老年学研究者団体"ジェロントロジー・リサーチ・グループ(GRG)の長寿ランキングで田中さんは2位で、1位は122歳164日で永眠されたフランスのジャンヌ・カルマンさんです。

世界長寿ランキング1位~10位まで

122歳164日 ジャンヌ・カルマン
119歳107日 田中 カ子(かね)
119歳97日   サラ・ナウス
118歳340日 リュシル・ランドン
117歳260日 田島 ナビ
117歳230日 マリー=ルイーズ・メイユール
117歳189日 ヴァイオレット・ブラウン
117歳137日 エンマ・モラーノ=マルティヌッツィ
117歳81日   都 千代
117歳66日   デルフィア・ウェルフォード

大還暦(60歳還暦を2つ足して60+60=120歳)という言葉がありますが、現在、正確に大還暦を超えて生きたのは、ジャンヌ・カルマンさんただ1人です。

ただ、ジャンヌ・カルマンさんについては賛否両論があって、ロシアの科学者などから「相続税を免れるために、実は娘さんが成りすましている」などの疑義が提示されました。

しかし、フランス政府などが調べて、現在はギネス記録としても"122歳以上生きた"と公式に認められています。

日本でも100歳を超える人は結構多いのですが、110歳、115歳を超えるという人はとても少なく、公式に115歳を超えた人は、世界に67名しかいません。

人口などの統計データの研究が始まったのは、人類の歴史では最近のことですから、大昔にはもっと長寿の人がいたかもしれません。

人口の延べ人数を見ると、世界の延べ人口は約1000億~1100億人で、それに対して115歳を超えた人は67名ですから、現状115歳を超える長寿はごく稀と言えるでしょう。

また、115歳を超えた67名のうち女性が64名、男性は3名しかいませんので、男性で115歳以上というのは奇跡に近いでしょう。

そんな奇跡を起こした男性が日本にいて、116歳54日まで生きた京都の木村次郎右衛門さんは、亡くなる半年くらい前にギネスの人から賞状を貰って「Thank you very much!」と元気に言っていたそうです。

命の研究者たち

人間は年をとると加速度的に死亡率が上がり、だいたい30歳くらいの人の死亡率が一番低いのですが、データでは30歳から8歳年をとるごとに、死亡率は2倍近く上がると言われています。

寿命について調べている世界中の研究者たちのテーマには、"人間の寿命には限界があるのか?"というものがあります。

おそらく生身の体には寿命があると思いますが、少し前にNatureなどに載った論文だと、アメリカの研究者が、「人間の寿命は色々なことを考慮すると、大体115歳くらいまで」と述べていました。

研究者によっては、21世紀のうちに人間の寿命は130歳になるんじゃないか?と言う人もいますので、概ね寿命は115~130歳と考えられているようです。

遺伝と寿命 ヘイフリック限界

遺伝学の視点で見ると、寿命は遺伝によって大体決まりますので、進化でもしない限り、最大寿命を延ばすということは難しいと考えられます。

つまり現状、私たちができることは2つで、"最大寿命の限度まで近づけること"と、"最大寿命を縮めること"であると言えます。

よくよく考えてみると、人は他の動物や哺乳類に比べて長生きです。

もちろん、もっと長生きする哺乳類もいて、北極クジラは200年くらい、シロナガスクジラは100年は超えるのではないかと言われています。

人間を含めた多細胞生物のほとんどは、"細胞分裂をある程度すると寿命がくる"ということが言われており、それを"ヘイフリック限界"と言います。

ヘイフリック限界は、1961年カリフォルニア大学やスタンフォード大学で解剖学の教授を務めていたレナード・ヘイフリックらが発見しました。

ヘイフリック限界の回数

これは長生きをする動物ほど多く、人間は50回で最大寿命が約115~130年、ガラパゴスゾウガメは130回で、記録されている最大寿命は152年だそうです。

他にも、ラットのヘイフリック限界は15回で、寿命は約3年、ウサギは20回で約10年と言われています。

最も長寿な生物

無脊髄動物(背骨のない生き物)には、かなり長生きをする生物がいて、一番長生きをする無脊髄動物は"アイスランドガイ"と言う貝の仲間です。

アイスランドガイは、近年、東京湾辺りで獲れているホンビノスガイと近縁で、あるアイスランドガイ貝の年輪のような部分を調べると、500歳を超えていたということです。

もちろん、植物はもっともっと長生きをするものがいて、屋久島にいるヤクスギは、2000年、3000年、それ以上生きるものもいます。

植物などと違って、動物は生命のシステムが複雑になっているので、何千年と長くは生きられないということでしょう。

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