タイム・マシーン

タイムマシンを作った

僕にはどうしても結婚したい

好きで好きでたまらない女の子がいる

だからタイムマシンで40年後の未来へ行き

僕と彼女が結婚できてるかどうか

確かめに行くのだ

僕はタイムマシンに乗り込み

年代を合わせスタートボタンを押した

だがどうもおかしい

どうやらパラメータを間違えたようだ

タイムマシンはゆっくりゆっくりと

未来への旅を続けた

そして20年後

僕はやっと40年後の世界に降り立った

そしてその世界に

美しく歳を重ねた彼女を見つけた

だが彼女の隣には僕の恋敵だったあいつが

寄り添っていた

僕は落胆しタイムマシンに乗り込んだ

元の年代に合わせスタートボタンを押す

そしてタイムマシンはまたゆっくりと時間を遡る

40年の歳月をかけて僕は戻ってきた

だがその世界は僕が旅立った時代ではなかった

元の世界にもやはり40年の歳月が流れていたのだ

僕は古びた家の扉を開いた

「お帰りなさい。遅かったわね」

僕を出迎えたのは美しく歳を重ねた彼女だった

玄関の鏡に映った僕と彼女の姿

年老いていたがとても幸せそうに見えた

タイムマシンは僕から40年の歳月を奪った

だがその代わりに素敵な贈り物をくれた

「おじいちゃん、おかえり」

廊下の向こうから

孫たちが駆け寄って来るのが見えた


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