ちょっと気になる「気」の話 3
前回までのおさらい
さて、前回の記事では気の作用の一つ目として推動作用を学んできました。
普段気にも留めないような事柄を新しい切り口から見つめるような、
盛りだくさんな内容だったのではないでしょうか。
おさらいとして、気の作用の一覧を貼っておきます。
この記事では、二番目に挙げた温煦(おんく)作用をとりあげます。
(専門内容が多くなったため一部有料とさせていただきます。
無料内容だけでも是非ご覧ください。)
気の温煦(おんく)作用
気は体内で様々なものを動かしている(推動作用)と同時に、体を温めています。
この働きを温煦(おんく)と言います。
中国医学では、人間が恒温動物として、気温が低く寒い時期にも体温を36.5度前後に保てることに、気の関与を考えます。
どういうことか、水の流れを例にとって考えてみましょう。
冬でも凍らない水はどんな水?
自然の中において、真冬でも凍らずにいる川が存在します。
冬でも凍ってない川を思い浮かべてみてください。
そういった川はその大きさに関わらず、たとえ細くとも流れ続けています。
逆に、冬になって凍ってしまう水は、例えば地面の水溜まりやバケツの中の水など、どれも流れのない水です。
大きな湖などだと、表面の数メートルは凍ってしまっていても、魚などの生き物が活動していて流れが保たれる部分は凍らずに済んでいます。
寒い日の早朝に水道管が凍結してしまわないように、前夜から水をほんの少しだけでも出しておいて、水道管の中の水の流れを止めさせないように対策したりもしますね。
この現象を気の観点で考えると、
気が十分にあり、水を推し動かして流れを作っている川においては、
流れると同時に気のもつ温煦作用によって凍らずに済む、
というように考えます。
人間も同じで、
気が血を動かし(推動作用)、同時に温め続けているからこそ、
適切な体温を保つことができます。
外気温が氷点下になっても、顔や手など冷たい空気に触れた場所から人間が凍らずに済むのは、気の温煦作用のお陰です。
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