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らっきょう屋が教える、生らっきょうの漬け方【レシピ】

土付きの生らっきょうが店頭に並び始める5月から7月。らっきょう好きにはたまらない季節ですね。この時期の生らっきょうは、身が引き締まってシャキシャキと歯応えが心地いい旬野菜。採れたてを漬けると、一年中みずみずしい味を楽しむことができます。下処理など多少手間がかかる部分もあれど、それを乗り越えるだけの価値はありますよ!

……とはいえ、漬け方がわからない、、、という人もいらっしゃると思いますので、ここではらっきょう屋の漬け方レシピをご紹介します。お手軽版と本格版がありますので、お好みに合わせてぜひお試しください。

らっきょうは当店の土付き生らっきょうを使っています。まだお手元にない方はこちらでぜひ。

スーパーで買ったものでももちろん大丈夫。
本格的な漬け方は下処理が大変ですが、その分のおいしさは保証します。ぜひお時間あるときにお試しください!

A お手軽! 簡単らっきょう漬け

(調理時間:45分~1時間)

準備するもの

  • 生らっきょう  1kg
    (初めての場合は少量500gから始められても良いと思います)

  • らっきょう酢 700ml(らっきょう1kgに対して)

  • ざる

  • まな板

  • 包丁

  • キッチンペーパー

  • ボウルやタッパー(下処理後のらっきょうを入れる大きさ)

  • お鍋

①ボウルにらっきょうを入れ、水を入れ、らっきょうに付いた土や砂を洗い落とします。この時、2つ3つがくっついているらっきょうの株がありますが、手でバラしながら1個ずつに分けていきます。切り落とす根元の部分の砂まできれいに落とす必要はありません。ざっと手早く洗ってボウルやバットなどに取り分けてる程度で大丈夫です。

表面の砂を落としながら、皮がはずせるものは外してあげます

パキパキとらっきょうを分けていきます!この音を聞きながらが、手仕事の醍醐味です。

②根と先端を切り落としていきます。先端は、ふくらみがちょうど終わるくびれのあたりでカット。根の部分はほんの少し切り落とすだけでOK。

根元は切り過ぎないように注意してくださいね
ぶつかって柔らかくなって傷んでしまっているものは除きます

この時に写真のように傷んでいるものがあれば、取り除きながら行ってください。生ものですのでぶつかったりすることで傷ついて傷む場合もあります。

あまりないと思いますが、掘った時の傷のあるものも除きます

③大きめのボウルに切ったらっきょうを入れ、流水にさらしながら洗います。手で軽くもむようにすると、残った砂と一緒にうす皮も取り除きやすくなり、うす皮もきれいにはがれてきます。残ったらっきょうの皮は手で取り除きましょう。ここでらっきょうの薄皮が完全に取り除かれます。らっきょうの巻きが甘いものは、この時点で軽く塩もみをするとキュッと締まりますよ。洗い終わったら、ザルに上げてください。 

切ると薄皮も剥きやすくなるので、ここでしっかりきれいにしてあげます
しっかり薄皮を剥いてあげると、仕上がった時の歯触りが違いますので丁寧に。

④ 湯通し。鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したららっきょうをザルごと入れ10秒間浸します。やけどしないように気を付けて。

たっぷりのお湯で10秒お湯にくぐらせてあげます

⑤一気に湯切りして冷まします。残った水けをキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。水分が残らないようにしっかりと。気になる部分は一粒ずつ拭いてあげてくださいね。

水分が残らないようにしっかり拭き取ります。気になる部分は一粒ずつ拭いてあげてくださいね

水分が残っていると、漬けて保存する際、漬け汁が薄まるので、保存時にカビが発生したり、失敗の原因になることもあります。このひと手間を惜しまないでくださいね。

こ れだけで真っ白に輝くらっきょう漬けに。

さ、ここまでで下処理は終了です。お疲れさまでした。

[お酢の漬け方]

漬け方はとっても簡単。お好みのらっきょう酢に漬けるだけ。
清潔な容器に下処理したらっきょうを入れます。らっきょうがひたるまでお酢を入れたら完成です!!
時間がない方や気軽にらっきょう漬けをしたい方はぜひお試しください。

らっきょう酢も自分で作ってみたい方は、後半にお酢の作り方[らっきょう酢の作り方]を載せてますので、参考にしてみてください。

B 本格派! 漬物屋が漬ける、本漬け。

(調理時間:漬け2週間、下ごしらえ45分~1時間)

準備するもの

  • 生らっきょう 1kg
    (初めての場合は少量500gから始められても良いと思います)

  • 水  700ml(乳酸発酵用)

  • 塩  150g (乳酸発酵用)

  • らっきょう酢 700ml(らっきょう1kgに対して)

  • ざる

  • まな板

  • 包丁

  • キッチンペーパー

  • ボウルやタッパー(下処理後のらっきょうを入れる大きさ)

  • お鍋

  • 瓶もしくはジップロック等の保存袋(少量簡単に漬けたい方)

  • とうがらし(お好み)

① ボウルにらっきょうを入れて水に浸し砂を洗い落とします。この時、2つ3つがくっついているらっきょうの株がありますが、手でバラしながら1個ずつに分けていきます。切り落とす根元の部分の砂まできれいに落とす必要はありません。手早く洗ってボウルやバットなどに取り分けてる程度で大丈夫です。

表面の砂を落としながら、皮がはずせるものは外してあげます
パキパキとらっきょうを分けていきます!この音を聞きながらが、手仕事の醍醐味です。

②根と先端を切り落としていきます。先端は、ふくらみがちょうど終わるくびれのあたりでカット。根の部分はほんの少し切り落とすだけでOK。先端は残しすぎると漬けたあとに先端の硬めの皮が口の中に残ることがあって、硬いと感じられることもありますので、ここはそれぞれのお好みで。

根元は切りすぎず。先っぽはお好みの長さに調整してくださいね
ぶつかって柔らかくなって傷んでしまっているものは除きます

この時に写真のように傷んでいるものがあれば、取り除きながら行ってください。生ものですのでぶつかったりすることで傷ついて傷む場合もあります。

③大きめのボウルに切ったらっきょうを入れ、流水にさらしながら洗います。手で軽くもむようにすると、残った砂と一緒にうす皮も取り除きやすくなり、うす皮もきれいにはがれてきます。

切ると薄皮も剥きやすくなるので、ここでしっかりきれいにしてあげます

ためた水の中で手をグーパーグーパーするのがコツです。薄皮がはがれてきますし、取れなくてもこの後の工程で取れやすくなります。1つずつ水で洗うイメージで、内側の白くてきれいならっきょうが出るまで薄皮を剥いてあげてください。

しっかり薄皮を剥いてあげると、仕上がった時の歯触りが違いますので丁寧に。
たっぷりの水に漬けてあげると薄皮が浮いてきます。丁寧にしっかり揉んであげてください

らっきょうの巻きが甘いものは、この時点で軽く塩もみをするとキュッと締まりますよ。洗い終わったら、ザルに上げてください。

④水700mlに塩150gをよく溶かし、1kgのらっきょうを漬けます。
いわゆる乳酸発酵をさせていきます。ここから約2週間は、冷暗所に置いておいてください。1週間ほどするとプクプク泡が出てきます。匂いも気になるかもしれませんが、密封しないようにふたを緩めてそのままもう1週間ほど置きます。その間、途中で上下を混ぜます。

乳酸発酵の途中は発酵による独特の臭いがしますが、途中で止めないでくださいね。またこの段階で白く濁ることがありますが、この濁りは心配ありません。これが乳酸発酵により旨味が増している証拠です。

⑤2週間後、塩漬けしたらっきょうをボウルに移し、一昼夜流水にさらし、少し塩分が残るくらいに塩抜きをします。水を少しずつ流し入れながら、水を新鮮に保ちます。塩分を抜くときは、流水で上下をよーく混ぜて、均等にらっきょうの塩分が抜けるようにしてください。らっきょうを噛んでみて、中心部に少し塩味が残るくらいがよいです。(軽く嚙んで確認してみてくださいね。)
ザルにあげて、しっかり水切りをします。

⑥鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したららっきょうをザルごと入れ10秒間浸します。10秒ほど湯通しすることで、殺菌効果があります。

⑦一気に湯切りして冷まします。残った水けをキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。その後は広めのザルやバットに広げて自然乾燥させてあげても良いです。水分が残っていると、漬けて保存する際、漬け汁が薄まるので、保存時にカビが発生したり、失敗の原因になることもあります。このひと手間を惜しまないでくださいね。

水分が残らないようにしっかり拭き取ります。気になる部分は一粒ずつ拭いてあげてくださいね

[らっきょう下処理のポイント]

らっきょうがまだ熟していないものを漬けると、軟らかくなります。鳥取のらっきょうは、5月下旬から収穫して出回りますが、個人的には6月上旬から中旬のものを漬けて頂けると、らっきょうが適度に熟しているので、長期保存ができるかと思います。漬け込まれたら早めに食べるのがお勧めです。その時はなるべく涼しいところに保管してくださいね。

また、根付きの生らっきょうは、生命力旺盛ですぐ芽が出ます。本当にびっくりするくらい強いです。根付きらっきょうを使う場合は、お手元に届いたらその日のうちに下処理するか、すぐできない場合は冷蔵庫で保管してくださいね。芽が伸びた場合は、これを切り落として漬け込んでください。

2、3日経つとこんなに伸びてきます

[らっきょう酢の作り方]

準備するもの(らっきょう1kgに対して)

  • お酢 350ml(漬け調味液用)

  • 水  150ml (漬け調味液用)

  • 砂糖 250g  (漬け調味液用)

①瓶で漬ける場合は熱殺菌を行います。大きな鍋で瓶を煮沸消毒、お湯を掛ける、消毒用アルコールを使用など、ご自分のやりやすい方法で消毒してください。手もふたも忘れずに消毒してくださいね。長期保管される場合は、熱殺菌が安心です。

②お鍋で砂糖、水を煮立たせます。冷えてからお酢を加えて、お好みで唐辛子を入れたら、らっきょう酢の完成です。常温まで冷ましましょう。

③清潔な容器に下処理したらっきょうを入れます。らっきょうがひたるまでお酢を入れます。らっきょうの実が浮くことがありますが、数日漬けておくと次第に沈みます。漬けたあとは冷暗所に保管してください。
これで完成です! お疲れさまでした!!!

[らっきょうを漬けるお砂糖とお酢について]

[お砂糖について]
色が付いたお砂糖(三温糖やきび糖など)を使うとコクが出ますが、色が茶色っぽく変わっていきます。調理用の砂糖、ザラメ等の砂糖を使うと茶色になりやすいです。白砂糖や氷砂糖で漬けるとすっきりシャープな味になります。純度の高い氷砂糖やグラニュー糖を使っていただくと白く仕上がります。

ハチミツについても聞かれますが、砂糖とのバランスを考えて、好みで入れてみてください。蜂蜜だけではらっきょうへの充分な甘味は加わりませんので、あくまでも追加の役割かなと思います。

お酢のアレンジとして、漬け上がり後に小分けにした後、ハチミツを加えるのもお勧めです。輪切りのレモンと一緒に漬けこむと、さっぱりしたはちみつレモンの出来上がりです。

[お酢について]
純米酢、醸造酢が適しています。黒酢もお勧めです。
ご自身で作られるも良し!
市販のらっきょう酢はもちろん美味しく漬け上がりますが、ここにお好みでとうがらしや、はちみつ、黒コショウ、ハーブでオリジナルにアレンジするのがお勧めです!全部味が変わるのに抵抗がある場合は、漬け上がった後に小分けにして色んな味に変えてみてください。私のおすすめは、山椒の実です。すっきりした仕上がりになりますよ~

らっきょう酢につけて10日頃からでも召し上がれますが、約1ヶ月頃からおいしくなります。冷蔵庫、もしくは冷暗所で保存してくださいね。


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