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夜はいつでも回転している

85夜 エレファント


布団に入って眠っている時にあるアイデアを思いついた。朝になったらきっと忘れてしまうが、寒いので布団からわざわざ出てメモをとるのも面倒だ。

しかし今書き留めておかなければ永遠に思いつくことはないかもしれない。まずは言語化してすぐにメモに取れるようにしよう。頭の中でアナログなイメージのアイデアを言葉に変換していく。止め処なく言葉が溢れてくる。アナログなアイデアの種はすぐに芽を出して巨大化していく。周りに生えているアイデアも巻き込みながらさらに巨大樹となっていく。

これはもう書き留めておくのにかなりの時間がかかるが仕方ない。そう思って起きあがろうとすると体が動かない。金縛りにあっている。なんでこんな時に!

体は全く動かないが瞼は開いた。
目の前に巨大な象がいた。
この家に入れるようなサイズじゃない。
象の幽霊?
そんなはずはないだろう。

金縛りは体は眠っているが頭の意識だけが起きている状態だと何かで読んだことがある。半分は起きて半分は眠っているという状態らしい。現実の風景に夢の映像がレイヤーを重ねるようにして見せているとかなんとか。

後ろの背景として見えているのは自分の部屋だ。それは本物で象だけが夢の映像ということだろう。そうは思っても象は消えたりしないし体も動かない。

象は長い鼻を眠っている俺の耳にくっつけてきた。これは現実じゃない現実じゃない現在じゃないと念じていると、掃除機のような音を出して俺の耳の穴の中を吸い込み始めた。耳の中から何かが抜けていくようだった。

気がつくと眠っていた。
朝になっている。
コーヒーを飲みながらテレビのニュースを見る。
何か忘れているような気がする。
しかし思い出す事はなかった。



End

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