マガジンのカバー画像

箱夢の話集 第三集

100
ショートショート
運営しているクリエイター

#とうぷ

【SS】予告された結末

私は病院から出ると、まず空を見上げた。 ああ、青いな、と思った。 まったくなんにも考えて…

Tome館長
4年前
15

【SS】はりつけ

彼女は磔にされた。 十字架の上に釘で手足をとめられ  裸のまま商店街を運ばれてゆくのだっ…

Tome館長
4年前
22

【話】僕の悩み

僕は末っ子の長男で、姉が三人いる。 姉たちとはちょっと年が離れている。 両親はそろって刑…

Tome館長
4年前
15

【話】歩道の哲人

とある朝、駅から会社への出勤途中でのこと。 上半身裸の男が歩道にあぐらをかいて座っていた…

Tome館長
5年前
19

【話】古い校舎

僕が通った小学校は 木造二階建ての古い校舎。 その端の一階に音楽室、 その真上に図書室があ…

Tome館長
5年前
18

【話】貯水池の鴨

輪 信濃川のすぐ近く  水力発電所の貯水池に鴨の群があった。 適当な間隔を置いて水面に浮か…

Tome館長
5年前
20

【エッセイ】錦鯉の話

 昔、小学校で映画の鑑賞会があった。  錦鯉の話で、粗筋は以下の通り。 主人公の少年の家は錦鯉を養殖していた。 稚魚が成長して美しい模様を備えれば 錦鯉として高く売れる。 しかし、つまらない模様の鯉は「テンプラ」と呼ばれ  売れないので天ぷらにされて食べられてしまう。 黒くてつまらない小さな鯉が テンプラにされそうになった時  「責任持って飼うから、自分にくれ」 と少年は父親にせがむ。 そして、その日から少年は この落ちこぼれの黒い鯉を飼うことになる。 途中、育

【話】山頂の城跡

少年時代の終わりの夏だった。 ひとり、城跡へと続く山道を歩いていた。 城跡と言っても、山…

Tome館長
5年前
20