介護施設でも管理職は知っておくべき知識【労働保険/社会保険について解説】
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
医療・介護施設の管理職は労働保険と社会保険について理解しておく必要があります。
「全て事務の方に任せています」では何かあったときに困ります。
以下の項目を考えてみてください。
労働保険の適用範囲を理解し、必要な加入等の手続きを行っているか?
社会保険の適用範囲を理解し、必要な加入等の手続きを行っているか?
ケガや病気が発生した場合、速やかに請求手続を行っているか?
「ちょっと怪しいかな…」と思われた方は是非読み進めてください。
できるだけ理解しやすいよう簡易的に記載しています。
それでは早速始めていきます。
労働保険/社会保険とは
労働保険/社会保険とは具体的にすると、
労働保険徴収法
労災保険法
雇用保険法
健康保険法
厚生年金保険法
の5つです。
1.の「労働保険料徴収法」とは、労災保険や雇用保険に係る保険料の徴収事務について定めている法律です。
正式名称は、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」といいます。
この法律の目的は、労災保険と雇用保険の徴収事務を一元的に処理することで、徴収事務の簡素化・効率化を図ることです。
この法律に関しては、私たちはそこまで深く理解しておく必要はないかもしれませんね。
2.の「労災保険法」と3.の「雇用保険法」は労働保険で、
4.の「健康保険法」と5.の「厚生年金保険法」は社会保険に位置づけされます。
労働保険(労災保険・雇用保険)と社会保険(健康保険法・厚生年金保険法) の適用・加入は、会社組織の秩序を維持するための前提条件です。
各制度の給付内容と適用範囲を正しく理解しておきましょう。
労働保険/社会保険の給付内容
「労働保険」とは労災保険と雇用保険とを総称した呼称です。
保険給付は、両保険制度で別個に行われていますが、保険料の納付等については一体のものとして取り扱われています。
労災保険の給付内容:
業務災害(労働者が業務を原因として被った負傷、疾病または死亡)と通勤災害(通勤によって労働者が被った傷病等)に対して必要な保険給付等が行われます。
代表的な給付の種類:
療養(補償)給付:労災指定医療機関等で療養を受けるとき
休業(補償)給付:傷病の療養のため労働できず、賃金を受けられないとき
※上記以外にも、「障害(補償)給付」や「遺族(補償)給付」などがあります。
雇用保険の給付内容:
労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由などが生じた場合に必要な給付等が行われます(この他にもさまざまな就業促進のための給付や労働者の福祉の増進のための施策があります)。
代表的な給付の種類:
基本手当:失業中の期間について最短90日〜最長360日の範囲で支給
育児休業給付:育児休業期間中(子が1歳になるまで、最長2歳まで)に支給
介護休業給付:介護休業期間中(同一の対象家族に通算93日を限度)に支給
健康保険の給付内容:
労働者またはその被扶養者の業務災害または通勤災害以外の疾病、負傷もしくは死亡または出産に関して保険給付が行われます。
「療養の給付」や「傷病手当金」、「出産手当金」など生活の安定と福祉の向上に 大きく寄与するためのものです。
厚生年金の給付内容:
厚生年金は、一定額を給料から天引きし、それを会社ごとに数多くある基金、団体に収めることで将来的に一定額の年金が支給されるというものです。
加入している方は将来、国民年金の給付である「基礎年金」に加えて、「厚生年金」を受けることができます。
補足:
労働保険や社会保険に加えて、民間の傷害補償(総合生活保険)や損害賠償保険もあります。
これらに加入することで、介護業務中の急激かつ偶然な外来の事故によるケガ(一部例外あり)や対象となる感染症が発生した場合の補償や介護業務中に他人の身体を傷つけたり、物を壊したりした場合などの賠償金の補償を受けることができます。
労働保険/社会保険の適用範囲
それでは労働保険(労災保険・雇用保険)と社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用範囲を確認します。
労災保険
職員(パートを含む)を1人以上雇用したと寺、加入しなければなりません。
加入するためには、労働保険の保険関係成立届を原則として所轄の労働基準監督署に提出します。
雇用保険
次の労働条件のいずれにも該当する職員(パートを含む)を雇用したときは加入手続きが必要です。
1週間の所定労働時間が20時間以上であること
31日以上の雇用見込みがあること
健康保険、厚生年金保険
法人(会社)で常時職員(事業主のみの場合を含む)を使用するときは、加入手続が必要です。
なお、パート(アルバイト)の加入条件については事業所が雇用する「厚生年金の被保険者数」によって異なるので、 注意が必要です。
「厚生年金の被保険者数」が常時500人以下の事業所の場合、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事する正規職員の4分の3以上であるパートタイマーは、加入しなければなりません。
「厚生年金保険の被保険者数」が常時501人以上の事業所の場合、下記1〜4全てを満たすパートタイマーは、加入しなければなりません。
週の所定労働時間が20時間以上であること
雇用期間が1年以上見込まれること
賃金の月額が8.8万円以上であること
学生でないこと
※ 社会保険は、2016 年( 平成28 年) 10 月1 日からの適用拡大に伴い、2017 年( 平成29 年) 4 月1 日から500人以下の企業に勤める短時間労働者も、労使合意(労働者の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することについて合意すること)によって、上記1〜4の要件を全て満たす者については、企業単位で社会保険に加入できるようになりました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
医療・介護職の管理職が最低限知っておくべき情報を記載しました。
この記事で新たな気づきや再確認することができたなら幸いです。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も、管理職又はリーダーであるあなたにお役立てできる記事を投稿していきますので、スキ・コメント・フォローなどいただけると大変嬉しいです!
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