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科学的根拠ってなに? 1/3(前編) 「証明」ってどういう意味?

 科学的根拠エビデンスなどという言葉を聞くことがあるが、その本当の意味をご存じだろうか。わざわざ「科学的」と付け加える理由は何なのだろうか。それを考えていきたい。


 そのために、以下の3編を扱う。

  1.  科学的根拠ってなに? 1/3(前編) 「証明」ってどういう意味?

  2.  科学的根拠ってなに? 2/3(中編) 「わからない」は専門用語?

  3.  科学的根拠ってなに? 3/3(後編) 科学って本当に正しいの?

 今回は前編なので、タイトル1を扱う。


注意

以下の3点に注意してください。

  • 筆者は物理を専攻しているが、専門家ではない

  • 荒唐無稽

  • 変な話題

それらが大丈夫な方はお進みください。





1:そもそも科学とは何か

 文系・理系と分かれている日本では、科学といえば自然科学(物理、化学など)のような理系科目を思い浮かべるかもしれない。

(もし、科学と化学を混同されるようでしたら、家(科学)と冷蔵庫(化学)のイメージで覚えてみてはどうでしょうか。他にも洗濯機(物理)がある感じです。)

 しかし、実際には人文科学(語学、倫理学など)や社会科学(経済学、心理学など)も含む存在であり、学問を総括した存在とも言える。

 つまり、科学的手法をもって理路整然と研究する学問を科学と称しているのだろう。

 ただ先述の通り、今日の日本にて、「科学的根拠」の「科学」とは自然科学を指すことがほとんどだろう。今回はそれにならって、その「科学的根拠」を考えていきたい。

 筆者は大学で物理学を4年間学び、理論だけではなく実験にも励んできた。つまり、「科学界のおじいちゃん」とも言える、由緒ある学問を学んだため、メチャクチャなことは言わないと考えて問題ないだろう。



2:科学が「証明」をするとき

 「証明した」という言葉を聞くことがあるが、その意味は何だろうか。形式科学である「数学」では明確な意味を持つが、実は「科学」では非常に面倒な意味になる
 科学における「証明」とは、

「実験によって、理論的な仮説が再現性を確保すること」

と私は考えている。これは絶対に正しい訳ではないが、概ね間違いはないだろう。ここで、「再現性」という言葉が出てきたが、その意味も明確化しておこう。それは、

「同条件下の同一の手法によって、同様の結果が得られること」

である。つまり、「誰がやっても同じであること」だ。


 では上記の事を要約すると、科学的証明とは

「同じ条件であれば、かなり高確率で仮説通りになること」

になる。

(厳密には「帰無仮説」を設定して、ランダムではないことを示すために「検定」をしますが、難しいのでその説明は専門書に譲ります。)

 しかし、これは「現実的な科学」なのであり、実用性のために統計学で「妥協」した科学なのだ。
 すなわち、それは「本当の科学」ではないのである。では、その「本当の科学」を中編で見て行こう。




余談

 前編を読んでくださり、誠にありがとうございます。前回の反省を活かし、短めにしてみました。どうでしたでしょうか。感想をいただければ大変嬉しいです。
 また、常々申しておりますが、私は偉い人間ではありません。真に受けないよう、お願い申し上げます。

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