手作り弁当作ることが、子どもへの愛情表現?

「お母さんのつくる愛情弁当が、子どもにとって何よりのごちそうです」

と、ある認定こども園で言っていたそうです。
ぼくは、こうした一見「そうだよね」って微笑みながらうなずいてしまいそうなことばに、とても違和感を覚えます。

ぼくは、毎日4歳の娘にお弁当をつくっています。
お弁当をつくるようになって1年。作ってきたお弁当は170個ちかくになります。

だけど、だからといってこのお弁当が娘への愛情表現だとは思っていません。同様に、手作りのご飯だから愛情がたっぷりでレトルトやお惣菜だと子どもに悪い、などともミジンコのカケラほども思いません。

そもそも愛情ってなんなのか?

「手作りの料理やお弁当は愛情たっぷり」というのは、とても危険な考え方だと思っています。それは、自分を傷つけ、子どもを傷つけるかもしれない。

もしも「手作り」=「愛情」なのだとしたら、愛情とは表現するために何か他のものへの変換が可能だということになります。
「手作り」と近いところで言えば「手間」。つまり、手間をかけるほどに愛情が込められると。
他にも、「時間」「労力」「相手を想っている時間」そして「お金」。
誕生日に、100均一で買った指輪をもらっても嬉しくないけど、ブランド物の指輪を苦労して買ってくれたら嬉しいですよね。あ、「苦労」も愛情に変換可能かもしれません。

この「変換可能である」という前提が諸刃の剣になるのです。

”「手間・労力・時間」をこれだけたくさんかけたのに、それに見合った「感謝」(リターン)を得られなかった。”

”「これだけ手間暇かけたんだよ」って言われても、べつに嬉しくないもんはうれしくない。”

うまく愛情と感謝のバランスが釣り合っているときはいいのですが、一度バランスを崩すとこのような不毛な悲しみにくれることになる。

愛情はあくまでも愛情であり、それは何か他の代償と変換できてしまってはいけないのです。


愛情とはガソリンである

ぼくは、愛情とはガソリンのようなものだと想っています。

毎日ご飯を作ったり、お弁当をつくったりするのは大変です。
その面倒くさい気持ちに打ち勝つためのエネルギー。つまりガソリンになるのが「娘への愛情」です。

自分の内側から溢れ、自分の行動につながっていく原動力。

相手のために労力をかけるのではないのです。
愛情があるから、労力をかけるだけのエネルギーが湧いてくるのです。

それはあくまでも、内発的なものであり、相手に伝わるかどうかは全然べつの話。

だからお弁当やら、手作りご飯やらが何よりの愛情表現だ、というような意見を目にすると「そう思うと、ぼくだったら辛くてしんどくなるな」なんて想ってしまいます。

とは言え、毎日お弁当作ってるじゃん?

「そうは言っても、あなたはいつもお弁当をつくっているし、そのお弁当に愛情は込めていないんですか?」と言われたら、「とうぜん、愛情はたっぷりこもってる」と答える。

だけど、勘違いしてはいけないのは「愛情があるから毎日お弁当をつくっているわけではない」ということ。
「幼稚園でお弁当を持参しなくちゃいけないから、毎日つくっている」のだ。(身も蓋もないけど)
愛情は、「あー今日は面倒くさい。作りたくないー」って時に「でもがんばるか!」という気持ちになるために活用されている。

レトルトや冷凍だってつかう。それでも、手作りが多いのはその方がコスパがよかったり(自分の昼ごはんも兼ねてつくるから)、単純に料理が好きなので手作りした方が僕自身が楽しいから、というだけである。

インスタに投稿しているのも、いろどりをなるべくキレイにしたり、盛り付けを考えたりするのも、娘のためというよりは自分が楽しく弁当作りを継続させるための工夫でしか無い。

娘はきっと、マックのほうがぼくの弁当よりも大好きだ。
もしくは、丸亀のうどん、ココイチのカレーのもかなわない。いや、なんならちょっと大きめのスーパーに入っているうらびれたフードコートの300円位で食べられるメンマとネギしか入ってない醤油ラーメンにだって勝てやしない(残念である)。

おそらく、どんなに手間暇かけてつくったおかずよりも、ふりかけご飯が好きって子どもだっているだろう。

そんなもんである。

子ども達にとってのごちそうとは、親の思いとは全く関係のないところにあるのだ。

まとめ

ご飯が手作りだから愛情が伝わるなんてことは別にないと思うのです。
そんなわかりにくい、間接的な伝え方じゃなくて「わたしは、きみのことが大好きだよ」と面と向かって伝えてあげればいい。
きっと、その方が愛情は伝わるから。


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今日も、見に来てくれてありがとうございました。
手作りじゃなくたって、愛情の多少には関係ないと思うのです。まわりと比べて引け目を感じる必要なんてなにもない。自分が抱いている愛情は、料理だけじゃなくいろんなところで、自分を動かすエネルギーになっているはずだから。
ぜひ、また見に来て下さい。


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