三菱スペースジェットの開発凍結と日本人のマインド

三菱重工業の子会社、三菱航空機が開発中の国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発が凍結されるというニュースが昨夜から駆け巡りました

開発開始から数度の延期で商業化が遅れていたところコロナが直撃、飛行機需要が消滅したことによる決断。飛行機の型式番号取得は進めるものの、量産は行わないとのこと。事実上の商用化断念という結果になりました。

今回の件は、日本人の「製造業崇拝思考」の敗北であり、日本人の「いいモノづくり信仰」の敗北である気がしました。

第二次大戦後の日本は繊維や鉄鋼、自動車に家電という製造業で復興し国力を上げただけに、日本人の中に「コツコツとモノを作って給料貰う」ことが良いこと、「お金やモノを動かして給料貰う」ことは良くないこと、のようなマインドが刷り込まれている気がします。

日本人のモノづくり信仰、「モノであれ、金融であれ、人や企業は価値があると思うものにお金を出す」という根本的な原理を理解していなかったとが、日本低迷の主要因の気がします。「いいモノ」であることと「売れるモノ」であることは全く違う事に気付いていない(気付きたくない)日本人が多いから、池井戸潤さんの「下町ロケット」が人気があるのではと思います。
(池井戸潤さんの作品には日本人の精神マインドが溢れてますね。これについてはまた別で述べたいと思います)

自社開発に拘り開発費が暴騰。当初計画の数倍売らないと利益が出ない構造であることは、三菱首脳も数年前から分かっていたはず。でも国策でもある飛行機事業を撤退できずにズルズル継続。先の大戦と余り変わらない日本人の姿がそこにあるような気がします。

いいモノと売れるモノの違いの認識、会社や組織の軌道修正が出来ない空気、そういう日本人のマインドをリセットしないと、日本の再興は厳しくなるのでは。今回のニュースを聞き改めて実感しました。

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