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地元の工務店さんの仕事っぷりは、ビジネススクールより勉強になる(かも) #0086

わたくし、DIYで「豚小屋兼倉庫」を住める場所へと改修を進めているわけですが、もうすでに着手からかれこれ3年以上が経過し、ようやく形になってきた今日この頃です。

当然、自分だけでは構造的な部分はさすがに触れなかったこともあり、紹介してもらった地元の工務店さん(個人)の力を借りて、ようやくそれなりの形になってきたわけです。しかし、この工務店のSさんが本当にすごい人(と勝手に思っている)で、この人をDIGれたのは実にラッキーでした。

なんか勝手にビジネススクール行ってる感覚になるくらい、この人から勉強することは多いです。(ビジネススクールなんて行ったことないけどな!)

工務店Sさんの仕事ぶりはめっちゃすげー

Sさんに最初に出会ったのは、水道屋さんの紹介。

「DIYをやりたい」お客さんをメインに持っているSさんが連れてこられたのですが、初めはまずルックスに度肝を抜かれましたよ。金髪、髭、ダボパンにタバコ、大音量でハードコア系の音楽を鳴らしながら軽トラで現れたので、内心「こりゃうまく付き合えるかな、、」と思ったわけです。

しかしまあ、実際はすごい人でした。
元々は母屋を改修しようとしていたのですが、この母屋が150平米ある上に天井高がかなりある昔ながらの農家だったこともあり、「こっちは無理だと思うよ。何年かかるかわからない。こっち(物置)なら土台もしっかりしてるし、住めるんじゃない?」ということで、豚小屋兼物置の改修、となったわけです。
あとあと聞くと、「この母屋は素人には改修無理だし、そもそも俺、やりたくねーわ」と思っていたらしいですw

で、こんな感じでかなりハッキリ言うタイプなのですが、やりたい仕事(DIYで本人ができない範囲をやる)しかやらない、やった範囲の人件費しか取らない(材料費に上乗せしない)。そんでもって、初見の現場対応に慣れているので、種類の違う仕事であっても、とにかく仕事が早い早い!

高所の勾配天井、「仕事しづらいから」ということで
足場を斜めにかけて、合板のせて即席の坂を作って作業してました。賢い、、。

請け負っている仕事は、大工仕事、鳶、佐官、土間打ち、などの現場系の仕事なら基本なんでも。そこに加えて、特殊農業機器のメンテナンス(西日本にはできる人がいないらしい)、薪ストーブの委託販売と設置(今はこれがメイン)など。

新築の大工仕事は割に合わないから、今着手している1軒が終わったらもうやらないらしい。
本人ができない範囲を依頼すると、「その仕事なら他にいい職人がいる」と言って、近隣の若くて技術力のある職人さんをどんどん紹介してくれるわけです。
面倒見が良くて、仕事が早い。まあ簡単に言うとそんな感じの、いわゆる昔かたぎのタイプの職人さん(?)なわけです。

わたくしは、サラリーマン時代からこうした現場仕事の人と仲良くなりやすく、かつこの実務をできる人たちは本当に強いなーと常々思っていましたが、ここでも改めて思わされた次第です。

Sさんの考え方のベースにあるもの

Sさんの考え方のベースにあるのは、「みんなちょっとずつ利益を出せれば、全体の底上げになる」ということです。なので、仕事を次々優秀な職人さんに回していく。

で、自分は自分のやりたい仕事に特化する。ただし、ちょっとした「回すまでもない」仕事は自分でやってしまう。例えば今回のウチの範囲でいうと、追加基礎の上の佐官作業とか。

こういうちょっとした作業ね。
ちなみにこの基礎の水平のとり方は、賢すぎて泣けた。

結果、即座に現場対応ができるので効率的に仕事が回るようになる、という寸法。んでもって、技術習得にもなるので、色々な仕事ができるようになる。
これって、DIYからセミプロ、プロ化していく先進事例だよなーとも思うわけです。「最近はレンタルも多いから、そこが手間でなければ道具を揃える必要もない。俺は道具色々持っちゃうけどね、ハハハ!」とのこと。

大工のような人日仕事は割に合わない(というかある程度上限が決まっている)ので、こういった仕事からは徐々に手を引いていき、薪ストーブや特殊機械のような、需要があって供給側が少ない仕事で利益を出していっているようです。
例えば板金屋さんの儲けが大きいのは、平米単価で仕事をしているからなんですなー。知らなかったわ、、。

「人の出入りが多い」のも特徴

Sさんと仕事をしていると驚くのは、「人の出入り」です。

普通に現場仕事をしていても、次々人がやってきては相談したり雑談したり、他の現場の話をして帰っていきます。役所の若い人が相談に来てたこともあるしw

一度、支払いの関係でSさんの自宅兼事務所に行ったのですが、ここもすごかった。
次々⚪︎⚪︎会社の社長さんが仕事の話でやってくる。そこで「こっち(わたくしのこと)は庭屋の社長さん」と紹介されると、向こうの社長さんはやれ芝刈り機を探しているだの、伐採が必要だの、、という話になります。
人の流れが常にあるので、文字通り「風通しが良い」という印象を持ちました。
この辺の人の出入りってのは、商売する上で大事なんだろうなーーと思った次第です。

逆に、50代より上の世代はバブリーな殿様商売をするので、エラソーかつ柔軟じゃないので、付き合わないようにしている、と言います。
「もうそんな仕事がじゃんじゃんくる時代じゃないのに、わかってねえやつ多いのよ」と。

どうやって利益出すか、考えながら実際にやってみる

最近は女性のアルバイトを(頼まれて)雇っているのですが、見ているとSさんが「そこは何寸なんですかー!?」「ちゃんと見えてんのか!?」と大声でやっている、いわゆる昭和スタイル。若干コミカルで笑っちゃいそうなんだけど。
「厳しくないと仕事は覚えないよ」ということらしいですが、まあ一理あるな、とも思います。

Sさんも独立して利益出すのに10年かかった、という話でした。「人から頼まれる仕事こなしてるだけだと儲からない」と。そんな理由で、プレイヤーが少ない特殊農業機器や薪ストーブを専門にして行っているわけです。

今は薪ボイラーがおもしろい、ということでボイラーを調査しているらしい。この薪ボイラーは確かにエネルギー自給においてはなかなか勝手が良さそうなので、うちでも本格導入を検討しております。
とにかく、薪や資材、エネルギーの価格が上がっている点を見て、Sさん曰く、「これからは絶対自分で自給できた方が良い」と言っておって、かなり同感ですな。

庭の話をしていた時、石積みとか特殊技能やってみれば?という話をしていたり、いくつか人ができなことやっておくといいよ、と言われたのは金言だなーと思っております。自分の仕事で利益を出していくために何ができるのか、とにかく試してみようと思う所存でありますよ!
わたくしはまだ独立5年目ですので、あと5年はとにかく色々試行錯誤してみよう!とSさんに大いに思わされたのでありました。

いやーしかし。どんな所にもすごい人はいるもんですよ。特に現場で、自分で見たこと考えたことをどんどんやっていく。これはビジネススクールなんかで、座学で理解しようと思ってもなかなかできるもんじゃないと思うんですよ。貴重な機会だなーと思う次第でございます。

ではでは!

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