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#62 地方で暮らす本当の意味「ニ拠点&移住」先輩達のリアルないま

どこで暮らし、働くか。

過去22年間の報道人生の中で、様々な人たちと出会ってきました。まず真っ先に思い出したのは、カメラマン、僕の大親友です。今、沖縄に住んでいます。

彼は元々、鹿児島のテレビ局で社員カメラマンをしていました。しかし、水中取材、潜ってする撮影ですね。特に海の中。これをしたくてしたくて仕方なくて、沖縄に移住して水中カメラマンになりました。

彼とは沖縄の与那国島での水中取材で出会いました(この与那国島の詳細は37回目の記事「日本4周したから言える!“日常”から完全に解き放たれる超厳選オススメ息抜きスポット」の中で紹介しています)。

この水中取材ですごく仲良くなり、彼が「いつでも沖縄においで」と言うから、当時独身でしたからそれを真に受けて、ほぼ毎月、金曜日の夕方のオンエアが終わると、午後8時でしたかね、那覇行きの最終便に乗って、土曜日一緒に潜って日曜日に帰ってくる、という今から思えば信じられない贅沢な生活をしていました。マイレージでしたけど。

彼はまずは仕事、水中カメラマン、これをしたくてたまらない。そして、その最高の環境はどこなんだろうか、ということで沖縄に移住しました。なので、仕事に重きを置いたというふうに一見見えるのですが、一方で最大の趣味でもあったんですね。それがマッチし、いまもそこに住んでいます。

沖縄に対する憧れ、僕も当然ありますけが彼の場合は仕事、水中カメラマン、そこを重きに置いたときに考えて選んだ場所だったということになります。

ヨットが好きすぎて葉山に移住した大先輩

そして、もうお一方。僕のジャーナリスト人生の大先輩。尊敬してやまない方です。彼は、公にもしているので、あえて名前を隠すことでもないんですけれども、ここは匿名ということで。

彼は40歳のときに葉山に引越しをされました。ヨットが大好きだったんですね。ヨットが好きで仕方なくて移住し、ギリギリ東京に通える距離ということで戸建てを購入され、ずっと暮らしていくことになります。かなり思い切った決断ですよね。都心の会社に通うには葉山からだと1時間半ぐらいかかるんじゃないでしょうか。

なので、趣味に重きを置いたと思いきや、その後、お仕事・ジャーナリストとしてどんどん大活躍されていきました。そのおかげで僕はご一緒させていただく機会に恵まれました。駆け出しの頃に出会ってたくさんアドバイスをいただいて、その後ご自宅にも遊びに行かせていただきました。趣味、ご自身の好み、そういったものがギュッと詰まった素敵なお家でした。

彼の場合は、もちろん仕事大好きでされていたんですが、趣味もどうにかしてということで、引っ越しをされました。そういう選択肢もありますよね。そこで暮らす理由、それは海があるからということに他なりません。

軽井沢でリセットし仕事&子育て

そしてもうおひとかた、同年代の女性の方、学者さんです。テレビ出演の他、講演や執筆活動をよくされていらっしゃいます。彼女は軽井沢に別荘をお持ちです。これも公言されていることですし、軽井沢からテレビにも出ていますので隠すことではないんですが。

彼女の場合はそこで日々の煩雑な毎日をリセットしている。マインドリセットしてるんじゃないかなと僕は思いました。都心にお家があって、ものすごく忙しくされています。お忙しいので、あまり時間がないのかなとも思うんですけが、定期的に軽井沢の方に行って、で、心身ともにリセットして、そこで仕事もされていると思います。

ただ、僕みたいに能天気で何かこういつも「バーン!」みたいな感じの方では全くなくて、いつもものすごく思慮深く考えて勉強されている方なので、ああいう雰囲気、場所がおそらくご自身にとって一番落ち着く場所なんだろうな、とお話を聞いていていつも思います。

なので彼女の場合は、日々の生活、忙しい煩雑な毎日それをリセットする。整理する。一方で、そこでもきちんと仕事ができる。子育ての環境としても、自然があふれていていいんだろうな、とも思うのですが、そういった複合的な目的で、そこにお持ちなのかなと思っています。

ただの憧れでの移住ではない

僕が憧れる、そして尊敬するこの3人の親友、友人、大先輩。共通しているのは、そこで暮らすというのはただの憧れではないんですよね。例えば、僕は今ずっと東京で暮らしています。生まれてこのかた、いわゆる地方、田んぼに囲まれた生活などはしたことがありません。ずっと、都会暮らしです。なので地方に対する憧れがあります。夏になると川で魚釣りをしたり、海が近くにあるならば、日々、海で遊んだりできたらいいな、子供をそこに連れて行くことができればな、という憧れはありますが、おそらくそれだけだと長続きしないんですよね。

そこで暮らす、そこで生活を根ざす意味、自分がなぜそこで暮らしていきたいのか。その目的などがはっきりしていないと、おそらくすぐ飽きてしまうんじゃないかと思うんです。

父親に聞いたのですが、父親の友人の方がゴルフもできるし、自然に囲まれていいな、ということで八ヶ岳に別荘を買ったものの、すぐ飽きたそうです。

やはり暮らしていく以上、自分にとっての仕事であったり趣味、趣味といっても生きがいになる、人生を賭けてもいい、というぐらい生きがいになる趣味、そういったものがないと、おそらくそこでの生活は、飽きてしまう気がするんですよね。

コロナ禍になり、リモートワークを多くの会社が導入して二拠点生活であったり、もしくは完全にリモートワークで地方に移住された方もたくさんいると聞いています。その影響で地方、軽井沢も含めて土地の値段がだいぶ上がっているそうです。

それだけの方々が都会から移住しているのだと思いますが、やはりそこに行く以上は、何かしらの大きな目的、そこで暮らす意味合いを見出さないとちょっとつらいのかな、と思っています。

なので、僕自身は今のところは、憧れは憧れのままで持ち続けて現実と向き合いながら仕事をしていこうと思っています。

特に報道をやっていると東京から離れることはできないんですよね。こういう固定観念が駄目なのかなぁ。ひょっとしたら無理だ思っているこの仕事環境も変わっていく時代なのでしょうか。

皆様にとっての憧れ、もしくは今暮らしている場所での生きがいは…?

(voicy 2022年8月5日配信)

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