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屁は口ほどに物を言う。

最近、よく屁が出る。

仕事中や家にいる時、出掛けている時。

買い物中や、人と話している時など。

TPOを問わず、いつでも出そうになるし実際出る。

周りに人がいる時は、バレないように「スー…」とコッソリ出す。

仕事の時は、そこそこ重い物を持ち運ぶので力んだ時に「プッ」と不意に屁が出る。

しかし、『最近』と言ったが思い返してみれば子どもの頃からよく屁をしていた。

特に印象に残ってるのは、小学生の低学年の頃。

よく、『すかしっぺ』をしていた。

バレないように、「プスー…」と出したら近くにいた友達が「くせー」と言っていた。

初めの頃は、バレるのが嫌で黙っていたが段々友達のリアクションが面白くなり正直にカミングアウトしたら、面白がってくれた。

「よっちゃん(僕のあだ名)のすかしっぺは、クセーなぁ」と言われるようになった。

その頃から、僕と屁の関係は何か言葉には言い表せない『つながり』みたいなものがあったのかも。

多分だけど。

子どもの頃から、面と向かって人に意思を伝える事が苦手だったから、代わりに屁が話してくれているのかもしれない。

人一倍シャイで、同じクラスの子以外と話せなかった子ども時代。

会社で、上司や先輩の反応を伺い過ぎて思うように発言出来なかった社会人時代。

いつも屁は、代わりに言葉を紡いでくれていた。

『目は口ほどに物を言う』、なんて言葉があるけど、僕の場合は『屁は口ほどに物を言う』だな。

いつもモヤモヤして、心に言葉が詰まってる時には言ってくれる。意思を表示してくれる。

ありがとう。

いつも代わりに怒ってくれて。

いつも代わりに泣いてくれて。

けど、頼むから不意に出るのだけは勘弁してくれよ。

一応、僕にも羞恥心と言うものがあるからね。

ま、どうしてもと言うなら『すかしっぺ』くらいで済ませてくれたらありがたいな。

僕と気付かれずに「なんかクセーなぁ」なんて言われたら、面白いからね。


                 服部 佳弘


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