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蝶が舞えば――/SNS疲れを考える

 ――楽しいのに、疲れてしまう。そんな風に感じるとき、ありませんか。たとえば運動は、それがどんなに好きなことでも、やり続ければ疲労だって溜まるもので。蓄積された疲れは、いずれ楽しさをも上回り、肉体は限界を迎えてしまいます。そしてこのやっかいな疲れは、何も物理的な身体だけに限ったものではないと、最近よく思うのです。

 肉体以外の疲れとは何か。それは察しのとおり「精神的な疲労」のこと。こころや脳の疲れとも、呼べるかもしれません。ではどんなときに疲労感を覚えるのかというと、僕の場合は「SNS」をやっているとき。じんわりとにじむ倦怠感というか、遅効性の毒みたいな「後から来る」タイプの疲れを感じてしまいます(遅効性の毒を受けたことはない)

 後から来る疲れ、と表現したのは、基本的にSNSは楽しいものだから。話題のニュースはもちろん、興味がある分野の情報や、つながっている人のつぶやき、投稿した写真を見られることは、心の渇きを満たしてくれます。また、いいねやスキといった「リアクション」を送れる(もらえる)のも、SNSの魅力だと思っていて。気持ちを伝えられることは心地よいですし、いいねがもらえると、なんだか自分の存在が認められたみたいで、やっぱり嬉しくもなるわけです(noteのスキもそう)

 ただご存知のとおり、楽しいことばかりではないのも、SNSの実情で。なにげない投稿で傷ついたり、思わぬところで誰かを傷つけてしまったり。期待していた投稿やリアクションがなくて落ち込む、なんてこともあって。要するに「楽しいけれど、なんだか疲れちゃう」というのが、僕にとっての「SNS」という存在なのです。

 話は変わりますが、僕は写真を撮るのが好きです。撮るもの(被写体)は花や虫が多く、なかでも『蝶』に惹かれています。個性豊かで鮮やかな色、舞うように飛ぶ姿。その繊細さと力強さが共存する姿を、写真に収めたいと思っているのですが……

 蝶の撮影は(僕にとっては)難しく、思いどおりに撮れない方が大半で。まず、蝶に出会えること自体が偶然ですし、出会えたとしても思ったように止まってくれるとは限りません。したがって、運よく蝶を見つけられたら、追いかけて、カメラを構え、また追いかけて、という繰り返しになります。楽しいけど、疲れちゃいますよね、そんなことしていたら。

ツマグロヒョウモン
ナガサキアゲハ
アオスジアゲハ
カマキリ

 「SNS」も「蝶を追う」のも同じことで。無数の情報が飛び交う様子、つまり蝶が舞えば、ついつい目を奪われてしまいますが。それを逃すまいと追いかけ続ければ、当然疲れてしまいますよね。追いかけられる蝶だって、それは同じでしょうから。どんなに楽しくても、やりすぎは疲れてしまう。だからたまには、距離を置くことも大事にしたいと思うわけです。

撮影ワールド:Fuji Konbini (コンビニ)/Tokkio さん

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