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TCA回路(クエン酸回路)とエネルギー生産

こんにちは。
私たちは普段ATP(アデノシン三リン酸)をADP(アデノシン二リン酸)と無機リン酸に分解する過程で生じるエネルギーを利用し、生活しています。

普段私たちが摂取している食物がどの様な経路を辿り
エネルギーとして活用されているかを見てみましょう。

TCA回路

Tricarboxylic Acid Cycle
別名:クエン酸回路(一回転で二分子の二酸化炭素を生む)

役割

効率よくエネルギー(ATP)を生産するための回路
アミノ酸・糖・脂質の代謝を媒する役割
※原則TCA回路でATPは作られない

糖・脂肪酸β酸化→アセチルCoA→TCA回路(ミトコンドリア)→酸化
→NADH(イオン)etc→電子伝達系→ATP合成酵素反応→ATP

これがざっくりとしたATP合成経路になります。
TCA回路が直接ATPを合成する訳ではないのがややこしい所です。

Q特定の栄養素が不足する事でTCA回路の回転率は鈍化するのか

A.YES

TCA回路の回転率低下に伴い、ATP供給効率は落ちてしまいます

TCA回路の構造


https://kusuri-jouhou.com/creature1/kuensankairo.html

青文字で書かれているものが脱水素酵素や色々な代謝酵素になります。

特に覚えて頂きたいところは
アコニターゼ ・イソクエン酸デヒドロゲナーゼ 
コハク酸デヒドロゲナーゼ ・FAD ・NADです。

アコニターゼ

鉄イオン濃度の減少を抑える機能を持ちます。
普段の鉄摂取量が不足しているとアコニターゼの仕事量増加
ひいては、TCA回路にて役割を果たせず鈍化という流れになります。

イソクエン酸デヒドロゲナーゼ

構成材料として主にMgイオン(マグネシウム)、またMイオン(マンガン)を必要とします。ミネラル摂取の大切さが垣間見えます。

コハク酸デヒドロゲナーゼ

四つの構成因子により構成され、内一つに鉄硫黄タンパク質というものがあります。鉄不足により生産量低下を招く可能性も。

FAD・NAD

電子の受け渡しの為のトラックのような役割を持ちます。

FAD:フラビンアデニンジヌクレオチド
リボフラビン(ビタミンB2)から生産されます。

NAD:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
ナイアシン(ビタミンB3)NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)から生産されます。

マグネシウムビタミンB群をはじめとする微量栄養素をバランスよく摂取する事が大切です。

ミネラルで例えると
カルシウムはマグネシウム、鉄、亜鉛などの二価ミネラルと吸収過程で競合します。

カルシウムの過剰摂取はそれらのミネラル吸収を阻害し欠乏リスクを高めます。何事もバランスが大切です。

 
また、これらの酵素はタンパク質から作られます。
性別やスポーツ、運動量、目的に応じて最適な数値は変わります。

最低限のタンパク質摂取を心掛けましょう。


最後までご覧いただき、有難う御座います。
次回の投稿もお楽しみに。




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