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CIALが1歳になりました。一期目の随想、二期目の羅針盤として。

9月27日で、CIALが1歳になりました。

1年目、本当にいろいろなことがありました。

一期目は、淡々とつくり、だまって思想を磨いていくことに専念しようと自戒し続けていた分、「伝えること」を疎かにしていました。

ここまでにSNSを更新せず文章を公開していない寡黙な一年はなかったように思います。(静かにしすぎてときどき突然吹き出したりしてしまっていたくらいには、静かにしていました。)

二期目は、CIALとしての思想、そしてぼく個人の感情をもっと周りの方々に伝えていけるようにしたいと考えているので、こんなnoteを書いたり、Twitterでぼそっと呟いたりしてゆきます。

今回は、CIALという小さなデザインファームの立ち上がりを振り返り、同じような思想で経営されている会社だったり、デザインをされている方の参考になればと思いながら、1年目のハイライトを書いていこうと思います。

ここでご紹介させて頂けなかったおしごともたくさんあり、本当は全てのプロジェクトについて文章を書いていきたい気持ちなのですが、とりとめもなく長くなりそうだったので2,3に絞らせて書かせて頂きました。断腸の思い。

(2018年後半でのおしごとは、こちらにまとめてみました。)


CIALという"なまえ"が生まれる

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会社の名前をかんがえるにあたって、そもそも「『名前をつける』という行為は、どんな意味をもつのだろう?」という問いかけから始まりました。

今思えば笑い話なのですが、こんな問いから始まってしまったために、「会社に名前をつける」というプロセスだけで、とても長い時間をかけてしまいました。

でも、このプロセスがあったからこそ今のCIALがあるんだなぁと感じるくらいには、実は大切な期間だったと思います。

CIALの名前の意味、そしてそのつくり方に関しては、また改めて文章を書きたいと思っています。

CIALとして最初の大切なプロジェクト - Whosecacaoさんの『CROKKA』

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ぼくが「個人として」デザインのしごとをしている段階から、「CIALとして」に切り替わるまさに始まりの時期にWhosecacaoさんのプロジェクトを、ご一緒させて頂きました。

なので、ぼくのなかではWhosecacaoさんがCIALにとっての一番最初の大きなおしごとだったと思っています。

あたらしく始めるカカオをつかったお菓子のブランドの思想を掘り起こし、それをパッケージを始めとしたビジュアルに落とし込む、というのがCIALのミッションでした。

結果として『カカオの素材を再発見する』という着想のもと形にした「CROKKA」は、クラウドファンディングで70万円を超えるご支援を頂くことができました。

まだまだ未熟だったぼくたちとおしごとをしてくださったWhosecacaoさんには、とても感謝しています。

そのためにご迷惑をおかけしてしまったところもありすごく反省も多いプロジェクトでもあるのだけど、CROKKAのブランディングにそのときのぼくたちの熱量を全力でぶつけることは、確かにできたように思う。

パッケージ、印刷物のデザインを一緒に行なってくれたグラフィックデザイナーのすーさんにも本当に感謝しています。すーさんがいなかったら、CROKKAは形になっていなかったように思います。

そしてこのおしごとをきっかけに「アイデンティティデザイン」という領域の面白さに気付き始めました。

このことが今、CIALにとってとても大切な転換点になっていると感じます。

自社事業を育てるということ - MATERIAのクラウドファンディングとウガンダ渡航

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そして、自社事業である「ワンシーン、ワンプロダクト」をコンセプトとしたコーヒーブランドの「MATERIA」。

一期目の大きな挑戦といえば、何よりもやはり、クラウドファンディングでした。

MATERIAのクラウドファンディングは、COOの純貴が戦略を立て、実行指揮をとってくれました。本当にすごかった。

この時期を経て、CIALのチームはぐんと成長したように思います。まるで、これこそが青春だ、というような期間だった。

おかげさまで目標金額100万円を達成することができ、想像以上の多くの人からMATERIAの到着報告を頂けたことが何よりも嬉しかった。

ご支援くださった方、シェア頂いた方、ほんとうにほんとうにありがとうございました。

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また、純貴とウガンダに渡航することができました。これも書き始めたら長くなるのだけど、様々に感情を動かされた滞在だった。

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CIALには会社としてのExitがないから、エクイティでの資金調達を行わない方針をとっています。そのために、今はすぐにしっかり売上につながるパートナーワークと、じっくり育てなければいけない自社事業を並行して行なっています。

パートナーワークのアイデンティティデザインはCIALのコアのような位置にある営みであり、自社事業はCIALの「らしさ」の具体的な表出であるため、そのどちらを失ってしまっても、CIALは両足でとっていたバランスが崩れてしまうような感覚がしています。

とはいえ、リソース、投資のバランスが本当に難しく、日々苦悶している。ここについては、これからも永遠に思考を続けるのだろう。

なんにせよMATERIAを、誰かの感情をポジティブに揺らしてくれる素敵なブランドに育てていきたいという思いは変わらないなと思っています。

ACESさんのCIデザインで気付いた、CIALが大切にしたいこと

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1期目の下半期には、東大松尾研発のACES Inc.さんのCI(コーポレートアイデンティティ)のデザインをさせて頂きました。

「アイデンティティデザイン」というものの魅力にとりつかれるきっかけとなったプロジェクトでした。

もともとは「ロゴと名刺をつくりたい」というご相談だったところを、「CIデザインの刷新としましょう!」とぼくが唐突に提案させて頂いて始まったプロジェクトでした。快諾頂いた代表の田村さんをはじめとして、ACESのみなさんには感謝の気持ちばかりです。。

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ときどき、「これはCIALにとって、長く、深く重要な意味を持つプロジェクトになる。」という直感が働くときがあります。このプロジェクトは、そんなおしごとだったと改めて振り返って感じています。

「らしさ」というものを見つめ、掘り起こしていく過程はとてもエキサイティングで、非常に魅力的でした。

ACESさんのCIデザインのプロジェクトを通し、「アイデンティティ」というものの重要性とそのとてつもない面白さに魅了されました。

そしてぼく自身が常に子供の頃からこの「アイデンティティ」というものに興味をもっていたような気さえして、そんな個人的な感情とも深くつながっていく感覚を覚えました。

「経済」という仕組みの上で、何に挑もうとしているのだろう?どう意思決定し、歩みを進めていくことが自分たちらしいのか?そういうことを掘り起こし「羅針盤」を一緒につくっていくようなしごとに強烈な魅力を覚え、ここでやっていこうと改めて決意するに至った、そんな大切なプロジェクトでした。

2期目の指針

2期目の指針を、宣言しておきます。

1. CI/BIデザインで、もっともっと素敵な「らしさ」をつくれるように
2. CIAL自身のアイデンティティを磨き、じぶんブランドを育てる
3. なかのひとがより幸せに生きられるように

1. CI/BIデザインで、もっともっと素敵な「らしさ」をつくれるように

さらに「アイデンティティ」の分野に特化していきます。

この分野で、世界で一番よいものをつくっている、そんな存在を目指したい。

CI/BIデザインを通して「らしさの羅針盤」をつくる、ということができたらCIALとしては一番面白くて、幸せだと感じる。

そしてそれが、ぼくたちの信じる社会の豊かさにもつながっていくことだと思っています。

2. CIAL自身のアイデンティティを磨き、じぶんブランドを育てる

CIALとして「いいものとは何か?」という問いと向き合うこと、そもそもCIALはなんのために存在しているのか?という哲学を磨くこと。

そして、ぼくたち自身の「らしさ」となる自社ブランドであるMATERIAを育てること。

3. なかのひとがより幸せに生きられるように

結局最後はぼくは、このために会社なんていう大変なことをわざわざやっているような気さえする。

CIALで働く人たちが、より幸せに、豊かに生きられるように。

さいごに

2期目に入って、1ヶ月ほど経ちました。

一期目の堆積が生まれてきたためか、おかげさまで一期目の最後の数ヶ月から二期目に入ったくらいの期間にかけ、おしごとのご相談をたくさん頂けるようになってきました。

今は、なかなかに人手が足りていない状態になってきたので、そちらの課題とも向きあいつつ。。。

誠実につむいできたことだけが、確実に未来につながっていく。

ぼくたちを選んでくれた方と素直に向き合い続け、もっともっとよいものをつくれるよう学問と技能を磨き、自分たちだけの哲学を深めていきたいと思います。

これからも、CIALを何卒よろしくお願いいたします。

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