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#30秒小説

ボイコット

時はきた。 世界中で大停電が起き、全てのコンピューターは止まり、地球は暗闇に包まれた。 …

お妃様と鏡

あるところに、美しいお妃様がいました。 お妃様は魔法の鏡を持っていて、ある日鏡に言いまし…

生ひ優る

那覇空港で乗り換えて、もう1便。 そこでやっと、彼女の住む島に着く。 石垣空港だ。 飛行機…

奇偉(きい)

彼女は僕の知らないところで、僕の知らない人たちとも信頼を築いてきた。 僕がまだ子どもだっ…

涼飇

ペンションの軒先に出ると、いくつかの畑と家があってその先には船着場と海がみえる。 畑には…

幸先

「ほんと、すごい偶然だよな」 ざわざわとした居酒屋で、彼の友人は興奮しながらビールを回す…

寸景

北海道の食べものは全てが美味しい。 道すがら売られている焼きトウモロコシも、回転寿司も、夜の繁華街のジンギスカンも。 これはもう、ちょっしたカルチャーショックだ。 新潟の次の目的地を考えた時、下に向かうか上に向かうか僕らは悩み、結局は上に向かった。 まだ帰りたくない気持ちが強かったし、一度最北端に行けば後はもう下に行くしかないので、きっかけ作りにはちょうど良かった。 北海道は色が少ない。 それが駅前であってもだ。 建物の灰色、草原の薄緑色、空の青色。 色は確かに存在して

碧空

「近くの山にロープウェイがあるから行ってみない?」 彼に誘われて私達は近くの山に向かっ…

礼遇

私達はどこへ向かっているんだろう。 飛び乗った新幹線の中、彼は行先を調べていて、私は窓…

恋草

僕らは動物園にやって来た。 パンダの赤ちゃんが目的だったが混んでて観る事は叶わなかった。 …

炎節

ミーンミンミンミン。 蝉の声が僕の身体を焼いている。 暑い、熱い。 東京の夏は、多分沖…

彼のいない日の彼女の日常

今日から2日間、彼がいない。 実家に帰るのだという。 同棲を始めてから3か月。 ずっと一緒に…

流れ星への願いごと

9月12日、今日は流れ星の日です。 お父さんと女の子の親子が、手を繋いで土手にやってきまし…