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【投機の流儀】「バーナンキショック」とか「バフェット効果」というが、或る著名人の発言で大相場が生まれるということはない。

第1部;当面の市況

(1)1月はこんな月だった。そして2月は?

2ヶ月ぶりの大幅上昇だった。1月は2822円高だった。これは11月以来の上げ幅である。年初から円安の進行で、海外勢の買いが再び入ったことや新NISAを通じた資金の流入による需要面の効果が大きかったであろうと思われる。
しかし、それは大発会から13日間であり、1月23日の長大なヒゲを示現して陰線を付けたところが当面の戻りとなり、その後は36000円近辺の高値圏での往来相場が続いた。

この保合いは23日の戻り天井をはさんで、19日間である。そこで、36000円が一つの保合中心値ということを市場が自らつくってしまった感がある。25日線はそのものが上がっているので、乖離率は穏健の範囲であり、騰落レシオも循環買い状態だから「買われ過ぎ」の範囲から大きくは出ていない。

2月に入っての先週末は、海外短期筋とみられる指数先物への買いが断続的に入った。日経平均に寄与度の高い半導体関連が高く、午前中は400円高したが、午後に伸び悩んだ(★註)。

(★註)真に強い相場なら「鬼より怖い金曜の後場高」と売り方筋に言われたものであった。アベノミクス相場の壮年期、世界中で話題となった2013年10月末の「金曜の後場高」は、その市場心理を利用して、
黒田さんが空売りの溜まった金曜の後場の場中に「何でもやる。躊躇なくやる」と言い切って、大幅金融緩和をぶち上げたので「クロダ・バズーカ砲」と言われて大幅高を演じた。そして、為替介入を1円もせずにサプライズをテコにして、大幅円安を演ずる契機をつくり「策士クロダ」「相場師クロダ」の名を海外にまで馳せた。
タヌキ植田総裁はその真逆で、迷っているふりをして市場との対話を綿密に行いつつある。

「適温相場」の範囲

高値保合の中で、騰落レシオは131%弱で「買われ過ぎ」のレベルである120%超を続けているが、一方で騰落レシオよりも的中率の高い25日線との乖離はプラス3.7%であって「買われ過ぎ」のレベルではない。強気筋が好む言葉の「適温相場」の範囲ではある。

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