山里 將樹

イラスト描いてます。chiik!にて子育て漫画『まーちゃん』連載中

スタバの男女とサラリーマン(コンテスト用再投稿)

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その日、近所のスターバックスで仕事のアイディア出しをしていたら、突然僕のすぐ近くから、「えええええーー!!おひさしぶり!」という大声が聞こえてきた。

僕はその時、国道沿いにある広いスタバの窓際に座っていた。そのスタバは勉強や仕事など、なにかしら目的のあるお客さんが比較的多い店だった。そのため普段は静かで、図書館のような雰囲気があった。それだけに、突然の大声に本当に驚いた。

みると、たっ

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申し訳ないのはこっちです

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どんなに超絶急いでいても、駅の改札は開かない時は開かない。特にsuicaにお金が入っていない時はなおさらだ。でも人は焦れば焦るほど、当たり前の事実から目を背けがちになる。何かの間違いでは?となんどもセンサーにカードを叩きつけ、貴重な数秒が流れていった。

この日はイラスト持ち込みの営業の日で、時間が迫っていた。その会社はなんども電話してようやくアポの取れたセンスのいい憧れの会社だった。前日

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物乞いレッスンの朝

去年の暮れ、僕は12年住んだ千葉を去り、東京に引っ越した。長く住んだアパートを引き渡すため、ぐちゃぐちゃになった部屋の中を整理していたら、汚いインスタントコーヒーの瓶の底から、小さな南京錠が転がり落ちてきた。

とっくに無くしたものだと思ったのに、なぜここにあるんだろう?
僕の中で10年以上前の夏の朝がブワッと蘇った。

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それは冷たい夏の日の朝のことだった。僕は変な臭いで目が覚めた。

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富士山下山後の平良修の不運の話

(カラーイラスト以外は3年前にブログに書いたものを再掲しました。)

2013年8月、富士山に登ってきた。メンバーは高校の同級生の男15名。

16日の昼過ぎから登り始め、夕方頃から山小屋で仮眠をとり、夜中に出発して山頂で御来光を拝むという計画だった。

計画は何ヶ月も前から周到に練られたが、そこに想定外のことが起きた。

メンバーの中にイビキがうるさい人が多く、十分な仮眠を採れない人が続出したの

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