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行動活性化の目標の立て方

こんにちは。作業療法士で双極性障害当事者のおとです。
最近は面接、通院、ハローワークへ・・・
などなど、忙しく動いております。

さて、先日X(旧twitter)のスペースという機能内で、
行動活性化について話す機会をいただきました。

スライドを見せつつ約45分。質疑応答入れると1時間30分ぐらい。
本当にたくさんの方に来ていただいて、ありがたい限りです。

興味のある方は上のスペースを聴いていただければと思います。
非常に多くの方に来ていただき、
うつ状態のときにどう行動するか?
が私も含め困っている人が多いと感じました。

スペースが聴けない方もいらっしゃると思います。
伝えきれなかった部分を含め、記事にしたいと思います。

行動活性化とは

行動活性化とは、認知行動療法の1つ。
抑うつや倦怠感のあるときに、寝て過ごすのではなく、
「敢えて」楽しむ、何か行動することです。

上の図はうつ症状の経過を表しています。
うつ期に入る際、抑うつでおっくうになったり、
気分が落ち込むなどがいきなり起こります。
これを急性期と表現します。

急性期

急性期はとにかく気楽な状態で休むことが大事。
診察+休養+服薬を忘れずに行い、
充電期間に当てましょう。
この期間の行動活性化はまだ厳しい状態です。

回復期

回復期に入るとそろそろ意欲や興味、動きたいと思う時期。
そのような状態だと行動活性化を行える時期でしょう。
回復期には波線が多く描かれています。
うつ症状は直線状に良くなるのではなく、
良くなる・悪くなるを繰り返しながら、最終的に改善していきます。
1歩進んで0.8歩下がるぐらい。本当にゆっくりです。

焦りが生まれる時期ですが、回復過程はみんなこんなもの。
急によくなってしまうのはほぼありません。

回復期の注意点

いきなり高い目標を立てない

では、まずは想像してみましょう。
あなたは両足を骨折してギブスで固定されていて、車いす生活。
1か月後、ギプスがようやく取れました。
あなたはどんな目標をたてますか?

  • 退院したい!

  • 仕事に戻りたい!

  • 楽しめる場所にいきたい!

など、人によって様々な目標を立てると思いますが、
いきなり歩き始める人はいないのではないでしょうか?
大体はリハビリをして筋力をつけたり、
ある程度の生活動作ができるのを確認して、
歩いたり仕事に戻ったり、退院することが多いのではないでしょうか。

うつはなぜ高い目標を立ててしまうのか

では、うつ状態の目標はどうでしょう。
多くの人は意欲がなくて億劫で、
何もできない、ほとんど寝たまま、体力がない
という状況だと思います。
そんななかで、

  • 復職しないといけない!

  • 家事をしなきゃ!

  • 学校にいかなきゃ!

  • 散歩を絶対しなきゃ!

こんなことを思って、行動してみる。
そうしたら全然できなくて落ち込む。
また寝込んで自分を責めてしまい、うつの底へ・・・。
みたいな経験をしたことある人、いませんか?

骨折の例だと段階づけて目標を立てられるのに、
なぜ、うつになると難しい目標を立てるのでしょうか?
脳機能が低下している、判断力が鈍っている、
色々な考えはありますが、
結局のところ、自分の状況が理解できていない。

のだと、自分を含めて感じています。

目標の立て方

では、どのように目標を立てていけばいいのでしょうか。

現実的な目標を立てる

画像の通りなのですが、段階づけて目標をたてましょう。
例えば、最終目標が散歩することだとして、

  1. 座っている時間が10分ぐらいにできる

  2. 窓際で太陽を浴びながら過ごせる

  3. 10分続けて立っていられる体力をつける

  4. 何かしたい意欲が出てきた

  5. うつのどん底よりも体力がついた実感がある

これぐらいの目標ができたら、5分ぐらいは散歩できそうな気がします。
つまり、いきなり散歩をしてもいいのですが、
できなかったら、落ち込むのがうつ症状。

では、落ち込みを少なくするにはどうするか?
段階的に目標を立てることです。
1つ達成するにつれ、成功体験が重なり、
自己肯定感が上がることで自信をもちやすくなります。

これで脳機能が高まって、意欲も増加していく。
といった好循環がうまれやすくなると思います。
もちろん、動きすぎはよくないです。

振り返りもしてみよう

行動活性化をして終わりではなくて、
振り返りもしてみましょう。

ノートに書いたり、スマホのメモ機能を使ったり、
はたまたツイートしたり、なんでもいいです!

振り返りをすることで、段階づけた目標と行った行動、
体調や気分の変化を客観視することができます。

なぜ、できたのか?
あるいは
なぜ、できなかったのか?

改めて考えてみましょう。
できた場合は客観視することで自信がつく。
できなかったら場合は客観的に理由を考えて目標を下げてみる。
下げた目標が達成出来たら自分をすこぶる褒める!
これが非常に大切です。

行動活性化の一例

あくまでも一例を載せてみました。

私が行ってほしいのは、
反応と結果の間の振り返り。

上記した振り返りを反応と結果の間で行うことで、
できた・できない理由がわかると思います。
できた・できないで放っておくのではなく、
振り返るがとにかく大事。
振り返る回数が多くなると、
自然と目標設定が段階づけて行えるようになっているはず。

行動活性化は服薬と合わせると効果的

もちろん、服薬は忘れずにおこなってください。
行動活性化は認知行動療法の1つと言われています。
いわゆる、自分の考え方の癖を治すことにつながるので、
服薬と合わせると非常に効果がでやすいです。

以上、スペースの補足と簡単な振り返りでした。
ご自愛くださいね。

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