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新しい趣味


登山とのしばしのお別れ

初めて私が続いた趣味、登山。
2022年には5年目を迎え、夫という頼もしいパートナーも得て、登山を始めた当初登りたいと思っていた山はほぼ登ることができ、
自分の実力や限界もある程度把握したところだった。
今後は登山道整備など、裾野を広げて登山文化の発展と継続に深く関わりたいと思っていた。
ただ妊活を予定していたこともあり、今後どこまでできるだろうという気持ちはあった。
2023年は少し治療の休憩をしたいと思った時期と夏山シーズンが重なり、想像していた以上に登ることができた。
甲斐駒ヶ岳だけ登頂できなかったけれど、今後の楽しみに取っておくとして、ピークハントという意味ではひとまずやり切った感もあった。

つわりが始まる前までは、無理のない程度に低山やハイキングはしたいと思っていたけれど、
つわりで本当に心身ともにコントロールができない状態を経験し、
またお世話になっていた鍼灸の方から動き過ぎると逆子になりやすい傾向があるとも教えてもらい、
これは当分お預けだな、と悟った。
オートキャンプも、バンガローも利用しながら10月後半まで粘ったけれど、寒さが深まる中これ以上は危険と判断し、お休みすることにした。

巣作り

つわりが落ち着いてからはもっぱらお子を迎えるための巣作りとしてゴミ捨てや模様替えに明け暮れ、
入居以降未設置だったカップボードや、ビルトイン食洗機の手配も済ませた。
初めて自宅で過ごした年末年始は母に教えてもらったレシピでおせちやお雑煮、年越しそばを作ったりした。

あんなに週末は出ずっぱりだった自分の生活がどんどん内向きになっていくことに、思っていた以上に退屈さは感じず、自然と受け入れることができている。
つわりはある意味妊婦としての洗礼を受けるようなもので、マインドセットになっているのだと感じる。
何より今年は自炊がメインになるだろうから、料理をする環境が整っていくことは心地よかった。

ホームベーカリー

そのような中、なぜか夫からホームベーカリーでパンを作って欲しいという謎の依頼を受ける。
ホームベーカリーは実家で暮らしている時母が購入したのだが、
最終的には餅は餅屋という結論に至り使われなくなったのを子供心に覚えていたから当初は購入にやや反対だった。
ただ、発酵が進み膨らんでいく様子や、焼き上がりの幸せな香りは印象的だった。

通院や鍼灸で何度も利用したターミナル駅の駅ビル内に富澤商店が入っており、
動線上必ずその中を通っていたことも思い出した。
自分には無縁とは思いつつも、なんとなく横切る時はワクワクしていたのだ。

とりあえず今はいろいろと機能も増えているだろうし、
やってみないことには板に付くかわからないので、パナソニックやシロカ等調べた上で、アイリスオーヤマの比較的リーズナブルな機種を発注した。

材料と道具集め

やるとなると材料や道具が必要になる。
まずはホームベーカリー付属のレシピを参照することが多くなるかとは思うが、
形から入りたいタイプなので、レシピ本も買ってみた。

めん棒やスケッパー、刷毛などは全てSeriaで購入した。
数々の趣味にチャレンジして続かなかった自分としては、こういった道具はハマってから本格的なものを買えばよいのだ。

強力粉や無塩バター、ドライイースト等はさっそく富澤商店で注文してみた。

ヒュッゲな暮らし

さてスタートとしては十分すぎるくらいのスピード感で、むしろ思った以上に楽しみにしている自分がいることにも驚く。
振り返れば、実家はパンにはこだわりがあり、
三越のジョアンやアンデルセン(地元広島が本社となる)で朝の胚芽食パンを含む様々なパンを毎週買ってきてはおいしくいただいてきた。
大人になるとワインやチーズに合うパンも好きになっていった。
東京に出ればそれはそれはものすごい数のおいしいパン屋さんがあり、それらを巡るほどのことまではしなかったけれど、
パンが人を幸せな気持ちにしてくれ、人生を豊かにする食べものであることは確信している。
アンデルセンが提唱する「ヒュッゲな暮らし」を構成する一つに、おいしいパンをいただくことは間違いなく含まれるだろう。

パン教室

そういえば自宅の近くに曜日限定でブーランジェリーを開店する本格的なフランスパンの店があることを思い出す。
出ずっぱりで常にバタバタしていた自分にはなかなか曜日に合わせてパンを買いに行くということができなかったが、
一度購入した時に感動するほどのおいしさだった。
幸いにも今は時間がある。久しぶりに買ってみようかとホームページを覗いてみたところ、なんとパン教室もやっているではないか。

こういう瞬間というのが人生には時たまあるもので、何かこう導かれているかのように話が進む。
初心者向けのレッスンがちょうど今週末にあるようなのだ。それも私が好きな全粒粉のパンである。
夫にも相談したところぜひと参加を後押しされ、早速申し込んだ。

新しい趣味

久々に新しいことに挑戦することに、胸が高鳴る。
ホームベーカリーが到着するタイミングで、パン教室のレッスンを受けることになるとは数日前まで思ってもいなかった。
おいしいパンを作れるようになれば、きっと暮らしがより豊かになるだろう。
レッスンでの学びを自宅でのパン作りにも活かし、またそこで出た疑問をレッスンで解消していく。
反復し一度身に付いたことはそう簡単には忘れないだろうから、産後少し落ち着いたタイミングで再開できるのではないだろうか。
産まれるまでにまだ時間はある。この間に吸収できることをしていきたい。

少し派生してお菓子作りにも興味を持ち始めている。
実家から唯一持ってきたかつ処分を免れた本は、中高生の時に何度も作ったプリンのレシピ本だったりする。

意外と、パン作りやお菓子作りにハマる素養を持っているような気すらしてくる。
アウトドア派、インドア派というカテゴライズは自分には無縁のようだ。

山に行けなくなりぽっかり空いた穴を埋めてくれるような新しい趣味との出会いに感謝だ。
これからnoteでもパン作りについて発信していけたらよいなと思う。

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