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『世界最高のチーム』②上司と定期的な1 on 1 ミーティングをしよう!

『世界最高のチーム』
ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)

「生産性が高いチームの特性」について解説した本書。経営者や管理者に向けた内容ではあるが、一般社員でも実践できそうな取り組みもたくさん取り上げられている。それらについて解説していこうと思う。

前回の記事:『世界最高のチーム』①最高の組織づくりのヒント

本書から得られた一般社員でも実践できそうな取り組み
定期的な1 on 1 ミーティングを上司に依頼する
相手の価値観を引き出す会話を心がける
自身の言動が心理的安全性を下げていないかを意識する
働きやすい組織を見極める評価指標をもつ

上司と定期的な1 on 1 ミーティングをしよう!

「上司-部下の定期的な1 on 1 ミーティングを開催する」。本書で取り上げられていた取り組みの中で、僕が最も良いと思ったのがコレだった。

まずは本書で紹介されている、Googleで行われている上司-部下のミーティングについて簡単に説明する。

Googleで行われている上司-部下のミーティング
毎週一回という高頻度のミーティングを行う
ミーティングは部下のための時間として用意されている
話題は部下が自由に決めてよい
上司は部下の不安をコーチングによって和らげる

上司は部下の日常的な悩みや課題をヒアリングするとともに、部下への期待を伝えることができる。部下にとっても上司が身近な相談相手になってくれることはありがたいし、直近の業務についてアピールすることもできる。

ミーティングは部下のための時間として用意されており、話題は部下は自由に決めて良いというのも面白い。直近の成果を報告するのも良いし、プライベートな悩みを報告するのも良い。使い方は部下の自由だ。

上司-部下の双方にとって効果的な取り組みだと思う。

「週に一度」という高頻度で開催するのも面白い。ほとんどの組織において、上司-部下の1 on 1 ミーティングは業績評価のために半年に一度行う程度だろう。それでは日常の相談をするには頻度も時間も足りない。

Googleの推奨するミーティングが実践できれば、上司-部下がそれぞれの価価値観を知る機会になるだろう。上司と部下で遠慮なく意見を交わすことができるようになれば、新たなアイデアが生まれるきっかけにもなる。

部下から上司にミーティングをお願いしてもよい

本書では管理職の方々に部下との週一面談を推奨しているが、このような定期的な1 on 1 ミーティングを部下から上司に依頼してみても良いと思った。

これなら組織のルールや制度を変更といった大規模な挑戦をしなくても実践可能だろう。上司側から提案があればそれに越したことはないが、部下の方から提案してはいけないというルールも無いのだ。

ただしである。上司に定期的な1 on 1 ミーティングを提案したとしても、うまくいかないケースもあるだろう。その想定と対策についても考えてみたい。

うまくいかないケース
●ミーティングの開催ができない場合
 上司が多忙で、時間の確保が難しい
 上司が必要性を感じず、応じてくれない など

●ミーティングは開催できるが、相談ができない場合
 上司が話題を一方的にコントロールする
 上司が自身の価値観を一方的に押しつけようとする など

ミーティングの開催ができない場合

上司にも上司の考えがあり、上司なりの時間の使い方がある。それらを強制することはできないだろう。

しかしだからといって、最初からあきらめてしまうのはもったいない。いきなり毎週のミーティングを実施するのではなく、まずは毎月のミーティングから始めるなど上司が了承しやすい範囲からの導入を検討したい。

上司が多忙のあまり業務時間中にミーティングができない場合は、昼休みの雑談を利用してスタートするも一案だ。形式ばったミーティングから始めるのではなく、雑談のような形からスモールスタートを目指す。

上司が渋っていたとしても、何らかの形で小頻度でも機会が得られればこちらのもの。上司がミーティングの有効性に気づいてくれれば、自ずと優先度を上げてくれるだろうし、頻度も多くなっていくだろう。

ミーティングは開催できるが、相談ができない場合

ミーティング開催にまで漕ぎつけたとしても、期待していたような内容にならないということも当然覚悟しなければならない。

ミーティングの結果が思わしくない時、上司に正しくミーティングの目的を伝えられていないということが一つの理由として考えられる。

上司にミーティング開催の意図を伝え、ミーティングの目的が「部下である自分の困りごとに対して、一緒に解決策を考えること」になるように誘導したいところだ。

まずは正直に自分の弱みを打ち明けるということが大切だと思う。「自分はこのようなことに悩んでいるので話を聞いてほしい」「課題の進め方がわからずヒントが欲しい」などの困りごとを共有するとよいだろう。

しかし、もし上司が自身の悩みに対してコーチングしてくれなければどうすればよいだろうか?一方的に価値観を押し付けてきた場合はどうすればよいのだろうか?

いっそのこと自身の話を聞いてもらうのではなく、上司の話を聞くに徹するという方法もある。部下である自身の価値観を理解してもらう前に、上司の価値観を理解できるように努めるのだ。

もし可能なら、上司の課題や悩みをヒアリングしてみてもよいだろう。上司も一人の人間だ。当然、課題や悩みはあるだろう。課題や悩みを聞いてもらって嫌な気分になる人は少ない。

「上司の困りごと≒チームの困りごと」でることが多いので、それを考えることが自分の困りごとを解決する糸口になることもあるだろう。

上司との話し合いに慣れてきたら、プライベートな悩みの相談だってしやすくなっていくはずだ。

当然ながら上司をコントロールすることはできない。いや、上司に限らず他人をコントロールすることはできないのだ。すべてが思い通りになると思わず、柔軟に対応できるようになることもまた一つ勉強だろう。

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