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【キッカケの漫画】漫画で学んだ経営者の心得! SNSプラットフォームの最先端を突き進む男のバックボーン!【TieUpsCEO小原史啓(前編)】

様々な知識や想い、人の生き様が詰め込まれた漫画は、読者にどんなキッカケをもたらすのか?
『キッカケの漫画』では様々な領域のトップランナー・ビジネスインフルエンサーに、影響を受けた漫画の話を聞いていきます。
第2回はTieUps株式会社の代表取締役、小原 史啓(おはら ふみひろ)さんに話を伺いました。

インタビュイー(受け手)
小原 史啓(おはら ふみひろ)
TieUps株式会社 代表取締役
『価値ある人に価値ある情報』をキーワードに、良質な情報のみを届ける仕組みをSNS発信者向けに研究開発。主な運営サービスは『lit.link』や『WeClip』など。
https://twitter.com/Fumihiro_Ohara
https://tieups.com/
 lit.link
SNS、Youtube、商品紹介など、いま見て欲しいリンクをオリジナルURLのページに「いますぐ編集して、すぐ公開できる」無料のプロフィールリンク作成ツール。現在ユーザー数160万人を突破!
https://lit.link/
 WeClip
「ユーザーではなく、コミュニティ単位でフォローする」SNS。ユーザーは各コミュニティ内でモデレーター、スピーカー、フォロワーの3段階に権限が分かれており、良質な情報の循環や誹謗中傷への素早い対処が可能。https://weclip.link/
 
インタビュアー(聞き手)
齋藤、絹巻
 「マンガコンテンツで感情と行動を変える」株式会社トレンド・プロ 編集者


■小原さんが大きく影響を受けた作品は、『こち亀』『BECK』『3×3EYES』!


小原
TieUps株式会社 代表取締役の小原と申します。弊社はプロフィールリンク作成ツール『lit.link』を開発しており、現在Z世代を中心に160万人のユーザーが使っています。またコミュニティSNS『WeClip』の立ち上げもしていますので、ぜひプロフィールツールやコミュニティSNSに興味のある方はTieUpsを調べて頂ければと思います。
 
絹巻
それでは本題に入ります。事前にお伺いした好きな漫画は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『BECK』『3×3EYES』とのことでした。
 
齋藤
一番最初に聞きたかったのは、こち亀大好きエピソード集です!

 


こちら葛飾区亀有公園前派出所
1976年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』に連載された作品で、型破りな警官の両さん(両津勘吉)を主人公に、その同僚や周辺の人物が繰り広げるドタバタギャグ・人情漫画。単行本は全201巻に及び、2021年までは「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されていた。
『金稼ぎが大好きな両さんが新しいビジネスを生み出す』など斬新なビジネスのアイデア、卓越した未来予想もたびたび盛り込まれている。
 

参考:フリー百科事典『Wikipedia』

■両さんのチャレンジ精神とトライから学んだ『起業家魂』!

齋藤
こち亀のビジネスの話で盛り上がるネタといえば、気球ラーメンの回などが有名だと思いますが、どんな回が好きですか?

 ※気球ラーメン……85巻収録の『空飛ぶ屋台!?』で登場。気球を用いた屋台ラーメン・気球コンビニで、タワーマンションの顧客層に空から直接届けて荒稼ぎする。

 小原
こち亀に関しては、幼少期に癒しを求めて読んでいました。そんな中でも両さんのチャレンジ精神やトライを見て、『こういう風に何もないところから商売をやるんだ』という起業家魂を学んだ気がしています。両さんが軍資金もない状態から小さいビジネスをパッと立ち上げて、必ず最後には潰れてしまって怒られる……といった展開が定番としてあります。そういった両さんのビジネスプランのシリーズが気に入っています。

また、『未来を見通す力』もこち亀のすごいところだと思います。大体20年くらい先を見ているんじゃないかという部分があり、今から20年前にはロボットやAIも出ていました。僕らのようなスタートアップが取り組んでいる起業家魂や未来予測を、こち亀からさりげなく教わったと思っています。

■ビジネス的視点に優れる両さんに自分を重ね、一歩先の未来を知る+(プラス)くんに憧れた。

小原
IT系企業の御曹司の+(プラス)くんのリュックサックから、色んなテクノロジーが出てくるんですよ。最初はショルダーフォンを背負って、そこに色々入ってる感じだったんですけど、後半になると砂漠でも使えるパソコンなど、すごい最新機器を使っていました。

未来を見れる漫画というと『鉄腕アトム』や『ドラえもん』だと思いますが、『こち亀』はよりリアルに『未来にはこれだけマーケットがあって稼げるんだ』といったことを30年前からやっていて、読んでいて非常にワクワクしました。その時の記憶が頭に染み付いていて、今も『あんなことできるんじゃないかな』といったイメージを広げている気がします。


齋藤
+くんって開発力や発想力がすごいじゃないですか。たとえば『衛星通信がどこでもできるんだ』とか。毎回のパターンとして、両さんが『それって金になるんじゃないか』と目をつけて、+を騙くらかしてちょっとしたビジネスをやります。小原さん的には、+の開発力や発想力に惹かれるのか、それとも両さんのビジネス的な目の付け所に惹かれるのか、どちらになりますか?

 小原
僕はスポーツができそうに見られることが多いのですが、実は中学校ではパソコン部でした。当時は友達がプログラムしているものを、ハードウェアで手伝っていました。たとえば肩揉みマシーンを作る時にコーディングしている子がいたとしたら、僕はモーター部分の動きなどを作って手伝っていました。エンジニアさんなどの『僕の知らない一歩先の未来』を知っている人たちは、中学校の時も今も僕にとって常に憧れです。

一方で両さんは僕に近くて、一歩先の未来のテクノロジーを通訳したりビジネスモデルを組もうというタイプだと思います。ですので両さんに僕自身を重ねて、+くんに憧れている。いつまで経っても本当の最先端にはなれないというコンプレックスがあって、+くんに憧れているという状態がずっと続いています。

齋藤
逆に僕は両さんが憧れなんですよ。両さんを見ていると、『あ、こんな僕でも生きていていいんだ』って…(笑)

 小原
(笑)

 齋藤
ドン底まで落ちても這い上がるのが両さんなので、そんな両さんを見ていると『僕ももう一度頑張ろうかな』と思えます。

小原
漫画を読むにあたって、物語の中でどの位置に自分を置くかは人それぞれ違うと思うんですよ。俯瞰的に見たい人や、自分ごと化したい人だったりとか。僕は自分がそこに没入して入り込みたい方なので、こち亀でいうと両さんに共感しています。

歴史が長い分、タイムスリップできるところもあると思います。最初のこち亀と中期以降のこち亀は全然違うじゃないですか。初期は電話がショルダー型だったのが、最後の方は通信してビジネスまで始めます。初期のこち亀はノスタルジーに浸れるし、そういったところもいいですね。

 齋藤
いいですよね。まあコンプライアンスもどこかに置いてきていましたが(笑)すぐ銃を撃つし、市民に向かっても撃つとか。

小原
ホントですよね(笑)

齋藤
それでは『BECK』の話に移りましょう。

 
BECK(ベック)
1999年から2008年まで『月刊少年マガジン』に連載された作品。平凡な中学生・コユキこと田中幸雄は、退屈な日常を変えたいと願っていた。そんな彼が、天才ギタリスト・竜介と出会い、音楽に目覚めてゆく。コユキやバンドメンバーの仲間たちが、失敗や挫折を経験しながらも力を合わせて前進していく様が丁寧に描かれている。
第26回講談社漫画賞少年部門を受賞、累計発行部数は1500万部以上。

参考:マガジンポケット 作品紹介ページ

 

■代表者には無力感が必要――人の力を借りる主人公だからこそ好きになれた。

齋藤
BECKを挙げたということは、音楽活動をなさっていたんですか?

小原
コピーバンドをやっていたことはありますが、それが理由ではありません。『こち亀』の次に『BECK』の話をするにあたって、共通点として主人公が基本的にダメというのがあります。『BECK』では自分には何の才能もないと思っていた主人公に、音楽面やカルチャーで先進的な友人たちができて、そのおかげでどんどん前に進んでいきます。自分の力で切り開いていくのではなく、人の力を借りて、コラボして何かをやっていく点が気に入っています。

私の会社は『TieUps(タイアップス)』という名前で、自分一人の力ではなく競争やコラボレーション、タイアップで力を出していこう……というコンセプトです。僕自身が『人の力を借りる』というのが好きなのかも知れないです。

 絹巻
組織のトップに立つとか、会社の代表をされるって時には、今挙げて頂いた漫画の主人公のようなキャラが良いとお考えですか?

小原
常に代表者には無力感が必要だと考えています。
『一人でできる仕事には限りがある』という壁には、僕に限らずみんな20代でぶつかると思います。自分じゃできないことをできる人が周りにいて、その人たちの力を借りるしかない……という諦めが必要になります。これは自分への戒めでもあって、今でも全能感を出したくなってしまう部分はありますが、そうではなくて人に頼れるリーダーになりたいと考えています。人との付き合い方などの思考は、漫画の読み方にも出るんじゃないかなと思います。

齋藤
ちなみに『BECK』で一番好きなキャラクターは主人公のコユキですか?さっきの話を聞いていたら、平君(※)が好きそうだなあという印象も受けました。

※平君……コユキの所属するバンド『BECK』のベース担当でまとめ役、メンバーたちの精神的支柱。

小原
さすがですね(笑)
そうなんですよ。縁の下の力持ちだし、影の実力者というか派手じゃないけど裏側で支えている存在ですし、周りを俯瞰して一歩先に進んでいるキャラクターだと思っています。

齋藤
最初はどうやってギターを上手くなるかとか、バンドで戦っていくかという話が描かれます。しかし5人でやっているバンドですし、バンドのメンバーなどの色んな人間関係にも焦点が当たるようになります。一度バンドが解散しかけて集まるエピソードには、個人的にグッときました。バンドたちが寄り集まって音楽シーンを変えようとするところは、ビジネスで一つの仕事を成し遂げようとする時にみんなが寄り集まってくる感じと一緒だなと思いました。

 

■引き算の美学――画として右脳に焼き付いた歌の演出手法。

齋藤
小原さんはどのエピソードが好きですか?

小原
コユキが声を出した瞬間ですね。コユキが歌い始めて声を出しただけで、周りの雰囲気が静まり返るシーンが『BECK』にはたびたびあります。『歌ってみろよ』と言われて一番最初に歌声を聴かれるところや、小さいステージで歌う瞬間もそうですし、フェスで歌うところもそうです。

フェスで歌うシーンは劇場版(※実写映画)でも特に印象的だと思いますが、アレを漫画で描けるというのが非常に感動します。どこかのセリフなどではなく、画(え)がやっぱり頭に残っているんですよ。画に惹かれて、あのシーンを何度も見返しました。

齋藤
コユキが声を出すあの印象的なシーンって、確かほぼ集中線とかだけで文字が全くないんですよね。衝撃的なくらい、すごい声がここに響いているんだ……という印象を強く受ける演出だなと思いました。

小原
僕は会社の代表者とデザイナーの仕事を兼任していて、サービスやアプリのデザインなどもしています。その中でできる限り表現する技術を減らす、引き算をして最小限の状態で相手に最大のものを伝える……といった手法がデザインとして理想だと考えています。

できるだけ何もしないで一番良い効果を出したい、そんな中でコユキの歌のシーンがすごく印象的でした。斎藤さんが言っていたように、文字もない、みんなの表情だけでなぜか音が聞こえてくる、それが画として右脳に焼き付いています。

齋藤
削ぎ落して削ぎ落してシンプルに残ったもの、キャッチコピーやコピーライターにも通じるところがあると思うのですが、まさに真理だなと感じました。

 

 

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