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【キッカケの漫画】漫画で学んだ経営者の心得! SNSプラットフォームの最先端を突き進む男のバックボーン!【TieUpsCEO小原史啓(後編)】

『価値ある人に価値ある情報』をキーワードに、良質な情報のみを届ける仕組みをSNS発信者向けに開発・運営しているTieUps株式会社の代表取締役:小原史啓(おはら ふみひろ)さん。小原さんは『こち亀』から起業家魂を学んで、『BECK』では人の力を借りる点や引き算の演出技法が特に惹かれたとのことでした。
後編でも引き続き、小原さんが影響を受けた漫画の話を伺っていきます。

インタビュイー(受け手)
小原 史啓(おはら ふみひろ)
TieUps株式会社 代表取締役
『価値ある人に価値ある情報』をキーワードに、良質な情報のみを届ける仕組みをSNS発信者向けに研究開発。主な運営サービスは『lit.link』や『WeClip』など。
https://twitter.com/Fumihiro_Ohara
https://tieups.com/
 
lit.link
SNS、Youtube、商品紹介など、いま見て欲しいリンクをオリジナルURLのページに「いますぐ編集して、すぐ公開できる」無料のプロフィールリンク作成ツール。現在ユーザー数160万人を突破!
https://lit.link/
 
WeClip
「ユーザーではなく、コミュニティ単位でフォローする」SNS。ユーザーは各コミュニティ内でモデレーター、スピーカー、フォロワーの3段階に権限が分かれており、良質な情報の循環や誹謗中傷への素早い対処が可能。
https://weclip.link/
 
インタビュアー(聞き手)
齋藤、絹巻 「マンガコンテンツで感情と行動を変える」株式会社トレンド・プロ 編集者


▼前編記事はこちら


■3×3EYESに刻まれたカルチャーに触れて、アジアの価値を見つめ直した。

齋藤
3×3EYESを読んだのは何才頃ですか?

小原
10代だったと思います。思春期で、兄の本をコソッと読むというスタイルでした(笑)青年誌の漫画で表紙の露出度が高いこともあるので、コンビニで14~5歳の人間が買うにはハードルがありました。

3×3EYES
『ヤングマガジン増刊海賊版』『週刊ヤングマガジン』にて1987年~2002年に連載された作品。三つ目の妖怪である少女パイが、パイと一心同体の不死人「无(ウー)」となってしまった少年藤井八雲と共に人間になるため冒険をする。登場する妖怪の名前や設定は 中国文化やインド神話がモチーフとなっており、チベットやインド等、日本以外のアジアが多く舞台になっている。第17回講談社漫画賞少年部門を受賞。

参考:フリー百科事典『Wikipedia』

齋藤
3×3EYESは当時の妖怪モノやバトルモノに影響を与えたと思います。人間になりたい妖怪の少女と人間ではなくなった少年の話で、『二人で一緒に人間に戻ろう』と冒険する話です。記憶をなくしたパイと八雲が再会したところは、涙ながらに読んだ思い出があります。小原さんはどのエピソードが好きですか?
 
小原
物語というよりは、3×3EYESに刻まれたカルチャーが好きですね。僕は右脳派なので作品を画(え)で見てしまうタイプで、そういった目線から3×3EYESはアジアンカルチャーの価値を見つめ直したキッカケになりました。
僕は1980年代の生まれで、バブルの高度成長の後期のため『日本がトップである』ということを周りからすごく言われる時代で育ちました。ヨーロッパ・アメリカ・日本が最高で、アジアはそれ以下の文化であるといったことを、祖父などから言われてしまうような世代でした。そんな中で3×3EYESは中華系やインド系のカルチャーが強い作品で、初めてアジアのものを『かっこいい』と思ったキッカケになりました。今ではニューアジア系、韓国やタイなどが流行っている印象ですが、当時はアジアがかっこいいという風潮は全くありませんでした。ですが3×3EYESではアジアンカルチャーのめちゃめちゃかっこいい画がいっぱい出てくるんですよ。今だったらBLACKPINK(※韓国の音楽グループ)のバックミュージックのリズムがインド系の楽曲から来ている……などがあると思いますが、僕が10代の頃はそういったことが全然ありませんでした。そんな中だからこそ、3×3EYESや、音楽でいえばレッド・ツェッペリン(※イギリスのロックバンド)など民族的だったりアジアっぽかったりするものに衝撃を受けました。
それまでヨーロッパやアメリカ、白人がかっこよく決めている姿に憧れていたのが、『僕らのアジアってかっこいいじゃん』と思うキッカケになった漫画です。僕は画やカルチャーが好きで色んな影響を受けるので、物語として好きというよりは文化に影響を受けました。
 
齋藤
僕は逆に左脳派で、物書きだったというのもあって物語やキャラクターから深堀りしていくことが多いです。けれど小原さんがお話された通り、祖父などから『日本はすごいんだ』と言われてきた世代でもあって、日本は好きなのですがルーツを事細かに辿っていくとアジアに行かざるを得ません。韓国、中国、台湾、香港、チベット、インド……などの民族を遡る動きを、3×3EYESなどの漫画のカルチャーは教えてくれた。そういったことを、小原さんのお話を聞いていて思い出しました。左脳で考えても行き着くところは一緒なのかなという感じがしました。

■布団をかぶってコソ読みしていた、思春期男子特有の抵抗。

齋藤
あまり大きな声では言えないのですが、やっぱり青年誌なので表紙を見た時のドキドキがあるというか……。卑猥というわけではないのですが、女性のあられもない箇所も表現としては隠さなくてもいいので、なんというか……まあ、出てるんですよね(笑)ホラー的な描写やバトルの最中などの必然性のある状況で出ることが多いんですが、それでもドキドキしながら読んでいた記憶があります。絹巻さんはそういう思い出ないですか?

絹巻
ないですね(笑)

小原
思春期の頃には、ブックライトをつけて布団の中で漫画を読んでいたことがあります。

齋藤
親に『寝なさい』って言われないようにするコソ読み、ハリーポッターのアレですね(笑)

小原
寝てるフリをしないといけない、っていうのと、ちょっとエッチなシーンが突然出てくるかも知れない漫画を後ろから見られたくない。だから布団をかぶって、隠れて読んでいました(笑) 

■インベスターZで実感した、『難しいことを分かりやすく伝える』漫画の力!

齋藤
仕事上で色んな漫画がふと思い出されることはあると思いますが、実感として具体的に『仕事をしていて役に立った漫画』はありますか?

 小原
実際に仕事をしていて、という部分でいうと、やっぱり『インベスターZ』はすごい影響を受けているのかなと思いますね。

インベスターZ
『モーニング』にて2013年~2017年に連載された作品。財前孝史がトップ合格した超進学校である道塾学園は、密かに存在する『投資部』の運用益により運営されていた。財前は部の一員になって投資にのめり込んでいく……といった、投資をテーマにした物語。
会社四季報には『投資ビギナーにも一定の経験を積んだ投資家にも、勝つための「気づき」を与えてくれる』と評された。制作にあたっては証券関係者や企業経営者を取材して、実際の投資に役立つエピソードを盛り込んでいる。

参考:フリー百科事典『Wikipedia』

齋藤
やっぱり三田紀房(みた のりふさ)さんの作品って『ドラゴン桜』もそうですが、教える系というか、tips(※ヒント、コツ)も中に散りばめながらストーリーとして進んでいきますよね。インベスターZは金融の物語だと思いますが、どういったところが仕事の中でふと思い出すキッカケになりますか?
 
小原
まさにトレンド・プロさんの書籍シリーズにも繋がる部分ですが、『学校でも教わったし日経を見ていても出てくることなのに、難しくてイマイチ分からない』という事柄を取り扱っている作品だと思います。インベスターZは日本の東大のような超進学校が舞台で、非常に安い学費で通えるのですが、その裏側を支えているのは密かに学生たちが運営している投資部です。学生たちが金融で何百億円も回していて、その利益で学校が支えられています。物語の中で、『ファンドとはなにか』『円安とはなにか』といった話がどんどん出てきます。
僕自身もそうですが、経営者というものは金融からは切っても切れないですし、NPОでもない限りはステークホルダー(※株主などの企業の利害関係者)に対して利益を還元するというところが、業務の大切な要素になります。そんな中で、分かっているつもりだったけど最後のピースが分かっていなかった……といった事柄も、漫画だったら理解しやすい。短い時間で相手に難しいことを伝える力として、漫画というフォーマットは素晴らしいと思いました。
 
齋藤
ビジネス的なコミックの事例として『ドラゴン桜』や『サラリーマン金太郎』などもあると思いますが、同じページ数の文字の本と同じページ数の漫画なら、伝えられる情報量は絶対に文字の本の方が多いんですよ。ただ理解力・理解のしやすさでいうと、絶対漫画の方が高いはずなんですよ。それはなぜかというと、『本質的にここを分かって欲しい』『ここを理解したらピースがハマる』といったポイントをちゃんと抑えて作ってしまえば、文字情報だけで読むよりも漫画で理解するほうが分かりやすくて簡単だというところが、漫画の強さだと思います。色々な題材について漫画を活用することで、漫画のワンシーンとして『あそこってこういうことだよね』とパッと思い出すようにできると我々は考えています。
 

■あらゆるものがコミュニティの中にある!コミュニティの活用で広がる新たな可能性!

齋藤
最後に、現在やられているお仕事についてお伝えしたいことはありますか?

 小原
僕たちはTieUpsとしてコミュニティの事業に取り組んでいます。コミュニティというと、『自分はコミュニティに所属していないから関係ない』という感覚の人もいると思いますが、僕らとしては『あらゆるものが実はコミュニティの中にある』という考え方です。分かりやすいところでいうと家庭もそうですし、書籍や雑誌についてもそこに『共通の何かを好き』という人たちの共同体があって、その共同体があるからそこに媒体する情報があってメディアがあると捉えています。

僕たちは今コミュニティを立ち上げて色々なことを研究しています。調べれば調べるほど、『全ての会社・物事にコミュニティを活かすという流れを作ることができれば、上手くいくものがたくさんある』と感じています。たとえば雑誌をメディアとして、情報を発信するものとして捉えるのではなくて、コミュニティとして育てていくということをすれば、最近廃刊したようなものもトレンドとしてもっと大きくなるかも知れない。そういった取り組みをしています。なにかコミュニティなどでピンときた時には、ぜひTieUpsを調べて頂ければと思います。

齋藤
漫画や関連するサブカルチャーも含めて、基本的にはコミュニティがなくては成長してこなかった文化なのかなと思いますし、小原さんのおっしゃることは我々も十分に理解できます。その一方で他の会社さんも含めて、コミュニティというと『ハードルが高いんじゃないか』と思われがちなところもあると感じます。我々もコミュニティを使うビジネスに取り組む際には、ぜひ小原さんに相談したいと思います。本日はありがとうございました!


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