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コンテンツ月記(平成三十一年、如月)

読んだもの、観たものをすぐ忘れちゃうので、ちょっぴりのメモで記録します。全部さらえたもの&覚えているものだけ…。随時更新。漫画でWeb、ってなってるのは、何巻分かわからないやつです。それ以外の括弧内の数字は、読んだ巻数。

==評価基準(特に記載したいときだけ)==
\(^o^)/ 乾杯。愛。最高の毒なり薬。
φ(..) 特別賞(今後思い出すだろうシーン有等)
==ココカラ==

〜漫画〜
■凪のお暇(5)
今回も良かった…ラブライブ!でいうと二期的な、キャラクターの性格の深いところがわかる巻だったと思う(特に慎二)。愚痴で回っている世界のことも受け止める慎二、ふところ深すぎないか…凪に好意を素直に伝えられる日は来るのかしら…!(二人がつきあってたときの話読むの好き)

ロンさんとジェーンさんの組み合わせが好きだなあ。パブやスナックに行きたくなった…。

あと、丸山さんのいかにも80年代なキャラデザインもかわいい〜!円ちゃんが頭ぽんぽんされて怒らない女に怒る女の人だ〜てところ、笑った。





■さよならミニスカート(1)

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公式サイトの上記のメッセージを読んでからずっと気になっていた漫画。これはおもしろい…。
あちこちにさりげなくジェンダーに関するまきびしが敷かれている。胸がざらざらする。でもきっとざらざらしない人もいるんだろうと思う。

良薬口に苦しというけれど、私は、飲ませたい薬はとびきり甘くするべきだと思う。

ジェンダーの問題を盛り込んだだけでは、こんなに話題にならなかっただろう。サスペンスでおもしろい。単純なキャラクターの「いい人」「悪い人」がいない。追いたい作品。

月曜日の友達
漫画を「読む」と表現するのは、言葉が大事だからと、ある講演で聞いた。
阿部共実さんの漫画は、言葉がいい。
そして絵とのバランスがいい。

学校は、季節を強調する場所だ。
特に、小中高校はそうだ。
なぜだろう。いられる時間が限られているからだろうか?

春、日差し、聞こえる歌。
夏、夜、塩素のにおい。
秋、廊下、いちょうの黄色。
冬、指先、しんとした体育館。
そしてまた春が来る気配がして、
落ち着かない気持ちになる。

阿部さんはなんで、それぞれの季節の訴えてくることを、鮮やかに覚えてるんだろう。
読んでる間、四季が駆け抜けていくようだった。

海沿いの中学校というのが、またたまらなくよかったな。

禁断の果実

瀧波ユカリさんが勧めていたので買う。スウェーデンの漫画家による、「フェミニズム・ギャグコミック」。私の描く絵とちょっと似ているので、勝手に親近感を覚える。そして彼女がこの手法で成功していることにも、勝手に勇気を覚えた(めんどくさそうなことを、手作り感満載の絵で、楽しく・かっこよく仕上げるという方向性について)。

いろいろな面白いエピソードが読めて、創作のヒントにもなりそうだった。
例えば(←は私の感想)。

・ヨーロッパではかつて、女の体も男と同じものと考えられていた(16世紀の医学書には「膣は単に内側にひっくり返されたペニスとして表され」ていた)。
←子供が大人と同じとかつて考えられていたのは知っていたけど、「上位に」あるものだけで世界は構成されている、ってなりがちなんだな。

・かつて、複数の文化圏で、女達には「外陰部を露出する」文化があった。たとえばエジプト。紀元前5世紀、祝祭の折に女達が「大声で叫んで呼び合い、踊りながら外陰部を見せ合」っていたらしい。
←男の人が性器を見せ合う話って時々聞くけど、なんで現代の女は全然そういうのないんだろうね?(実はしてる人、いるのか?)

・おとぎ話は生理と不可分(眠れる森の美女の、糸車の針で指を刺して眠りにつく、っていうのが生理の物語と指摘している人がいる)。
←「たけくらべ」も魔女宅も、この系譜なのか?生理(というか、初潮)は物語でキーとなり得るようだ。

・生理用品のキーワード「爽快感」と「安心・ガード」→これらがキーワードとなるのは、生理が「タブー」だから(ポリネシア諸語の「TUPUA」が「タブー」の語源との説もある)。
しかし、生理が「聖なるもの」とみなされていた例もある。(ある民間信仰では、コーヒーに経血を媚薬として使っていた。20世紀はじめのスウェーデンの文献には、村の娘たちが経血を人に分けてやったという記録もある)
←想像することも困難なことの一つに、使用済み生理用ナプキンを収集する男性の存在があるが、魔術性が彼らを惹きつけるのか?改めて、謎システムだよな…。

女であることの苦しさ(ジェンダーについてもセックスについても)はいつか書きたいテーマの一つで(冒頭だけ書き終わってる『正しい生き物』がそれ)、引き続きいろいろ読んで、一人ブレストを続けようと思う。

〜本〜
■祐介
尾崎世界観さんの言葉が好きだから買ってみた。
小説としてはやや期待はずれだった。

なんでだろう、尾崎さんの書くものって真っ裸な感情とメタ的な視点のバランスが妙でそこが私は好きなんだけど、この小説に出てくる感情はあけっぴろげだけど真っ裸じゃない感じがしたからかな。

今読みかけの尾崎さんの日記、苦汁100%のほうが、尾崎さんの人間臭さが混じって香ってきて、好き。

■コンビニ人間
町屋良平さんの本を読みたいなと思っていた矢先、井上マサキさんの気になる記事を読んだので、こちらから(ってまるでセットみたいに、いきなり)読むことにした。

アカデミー賞って、ただ作品の出来だけじゃなく、そのときの時代の空気とか社会の要請も影響する、ってラジオで初めて知ったんだけど、たぶん文学賞も同じなんだろうな。
この作品が今選ばれる意味について、すごく考えた。
発達障害とか、女であることとか、結婚や性行為と人となりの関係とか、今私の中で熱いテーマ(疑問田というか)についてますます考えさせられる、創作意欲を刺激される本だった。

私も村田さんみたいな、普通とはなにかを問い続ける書き手でありたい。




〜映画〜
■THE GUILTY/ギルティ
面白かった…!
2つの矛盾することを感じました。
「その人の人となりは、30分話せばわかる」
「その人の人となりは、しばらく話しても意外とわからないものだ」

ただ電話してるだけの映画なのに、アスガーの人間性が、彼の振る舞いと話し方でばしばし伝わってきた。
最近ようやく洋画を観ても「あーこういう人いるよねー」と思えるようになってきたのだけど(もちろん文化が違えば身の回りにまったくいないようなキャラの人も出てくるのだけど、あまりにも共感できないキャラクターだと話にのめりこめない)、アスガーみたいな人はいるよね…。もーう、不器用なんだから!というには、ちょっとイラッとしてしまうよ。でも一生懸命やってるのはわかるよ…。彼はずっとそうやって生きていくのだろうね…。

物語としては、気になっていたことはすべて回答が出るのだけれど、それぞれのこれからの人生のことが気になってしまった。人生ですっきり解決することってそんなにないなと…。


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