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「鎌倉トレイル」は、私のホームトレイル

Trail Story レポーターの木戸さんから、地元・鎌倉のトレイルについてのお話です。皆さんには、愛着のあるホームトレイルがありますか?

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写真・文=木戸謙介


大切な「ホームトレイル」の存在

皆さんには「ホームグラウンド」ならぬ「ホームトレイル」ってありますか? 「ホームトレイル」の明確な定義はありませんが、あえて言葉にするとこんな感じです。

自宅からそんなに遠くなく、いつでも気負わず気軽に行けて、走ったり歩いたりしている間に、いつの間にか癒やされたり、エネルギーをもらえたり出来る場所。

一人で走っても、もちろん仲間と走っても、同じように楽しい。物思いにふけりながらルーズに走っても、レース前にタフに走り込んでも満たされる。そんな自分にとって大切なトレイルのことです。

鎌倉トレイルの魅力とは

さて、私の「ホームトレイル」は鎌倉トレイルです。もちろんよく行く丹沢も箱根外輪山も確かに素敵ですが、「ホームトレイル」となると、鎌倉トレイル一択です。鎌倉トレイルと言いつつ、逗子・葉山方面(鷹取山、仙元山)まで足を伸ばすこともよくあります。

鎌倉トレイルの魅力は、何と言っても山と海が近いこと。ついさっきまで柔らかな木漏れ日のグリーンシャワーを浴びていたのに、気が付くと、眼前に広がる太平洋と対峙し優しい波音に包まれる、贅沢な二刀流トレイル。

由比ヶ浜と夕陽と子供たち

また、鎌倉幕府が開かれる前から何百年にわたって踏み固められてきたトレイルは、随所に歴史を感じられるポイントがあり、悠久の時の流れの中を走っているような気分になります。遥か昔の鎌倉武士達もきっと同じ道を「いざ鎌倉」と思いながら走っていたに違いありません。

新緑に囲まれた寺院

そして、何より走れるトレイルなのが魅力です。トレイルランニングと言いながらも、登りに差し掛かると躊躇なく歩いてしまう、スーパー虚弱メンタルな私ですが、そんな私でもしっかり最初から最後まで(ゆっくりですが)走りきれるのが、このトレイルの満足度を上げているのだと思います。
そんな鎌倉トレイルに魅せられて、都内から何度も通ううちに、ついに10年前にトレイルの近くに引っ越しを果たしました!(ちょうどサーファーが良い波の立つ海岸近くに住むように)。

秋のカラフル紅葉トレイル

鎌倉トレイルへのアクセスは、大船駅を起点にするのが便利だと思います。大船駅前にはランナーズステーションとしても使える銭湯「ひばり湯」さんがあり、走った後に気持ち良く汗を洗い流すことができます。そして、さっぱりした後にぶらつく大船仲通り商店街は、どの飲食店もとても魅力的に見えるはずです。

鎌倉天園は子供とのハイキングにもピッタリ

もう一つの私のおすすめは、夏に由比ヶ浜に建つ海の家を起点として、海、山、海と、鎌倉天園コースと大仏コースを繋いでぐるりと回ってくるコースです。 真夏の鎌倉トレイルは、比較的涼しくて走りやすい上、ハイカーはほとんどいません。大汗をかきながら山から海に下りてきて、そのままザブンと由比ヶ浜の海水浴場に飛び込む。火照った身体をすぐさまナチュラルクールダウン。プカプカと海に浮きながら、ついさっき走ってきた鎌倉の山々を見上げる。その後、海の家でシャワーを浴びてから、相模湾に沈みゆく夕陽を見ながら冷たいビールを喉から胃の腑に流し込む。
控え目に言って、最高にも程があるだろ… 。

仙元山から相模湾に沈む夕陽を望む

都心からも1時間ほどで来れる鎌倉トレイル。皆さんも走ってみませんか?
最後に、皆さんの「ホームトレイル」も、ぜひ教えて下さい。

注意:鎌倉トレイルはアクセスの良さからハイカーも多い所です。狭い道もあるので、お互いが気持ち良く楽しめるように、すれ違う時はスピードを緩めて声をかけるなど、全ての人に配慮した楽しいランをお願いします。


【2024 Trail Story レポーター】
木戸謙介(神奈川県)
好きなアウトドアスポーツ:
トレイルランニング、ウルトラランニング、登山、海釣り、最近は少年野球のコーチも始めました(野球初心者です)

よく走っているコース:
鎌倉トレイル、三浦アルプス、丹沢山系、箱根外輪山

トレイルランニングの好きなところ:
刻々と変化するテクニカルな路面。自然の中を、好きなように、自由に、走りたいよう走れる解放感。街の喧騒からかけ離れた、豊かな自然の音に溢れた饒舌な静寂。ふと足を止めてしまうような神々しい自然の風景。そして、何より長く深く自分と対峙できるこの贅沢な時間。全て大好きです。

練習のトレイルランニングも大好きですが、自分の限界や弱さと真剣に向き合わなければゴールにたどり着けないトレイルレースにも大きな魅力を感じています。ゴールテープを切った瞬間は、それがどんなレースであっても毎回特別で本当に素晴らしいと感じます。私自身は渾身の力を振り絞って走っても、いつも凡庸な記録しか残せない平凡なランナーです。

Trail Storyを一つのメディアにするべく、日々活動しています。応援よろしくお願いいたします。