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ミュンヘン工科大学に行こう【ドイツのミュンヘン・シュトットガルト探訪記】【6日目】

今日はこの旅行の最大の目的である"大学訪問の日"です。志望する大学の一つ、ミュンヘン工科大学 (以下TUM) に行ってきます。

世界的にも知られるTUMは、有名な工学部だけでなく文系学部も有する総合大学です。理系学部の中には勿論農学部もあります。さらに、農学部は園芸や作物だけでなく醸造学科まで存在します。

今回は、その醸造学科の「醸造・飲料部門」の委員であるMichael Metzenmacher先生にお会いして、大学の入試要項から学科のカリキュラム、大学の雰囲気等などについてお聞きしたいと思います。


ミュンヘン工科大学の醸造学科

本当は10時集合ですが、思い切って1時間前に着いてしまいました。あんまりにも早いのでベンチでゆっくりします。

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醸造学科の教員棟

ちなみに今回訪れる醸造学科のキャンパスは Freising という地域にあります。ここに行くにはミュンヘン市内から北に電車で1時間ほどかかってしまいますが、ミュンヘン空港のすぐ近くなこともあり、空港からはバスで20分ほどで行けます。

このキャンパスには醸造学科だけでなく、園芸家学科や食品工学科など農学部に属する殆どの学科の校舎が存在します。


Metzenmacher先生と一緒に校舎の見学

念願のMetzenmacher先生とお会いし、一通り挨拶を終えた後大学内を見学させて頂きました。今回はなんと幸運なことに工場の中まで案内してくださいました。工場は中々興味深く、タンクの数や発酵機は少ないものの冷房設備のおかげで年中ビールを作っているそうです。

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ビール工場内の写真
(機密情報もあるのでHPの写真を載せてます)

流石TUMなだけあって、設備は最新鋭のものばかりです。中には私が訪れる1週間前に導入されたものもありました。

そして、このキャンパス内には世界最古のビール醸造工場 Weihenstephan が存在します。キャンパス内とはいえ経営は独立しているそうです。てっきり学生が中で働いて作っているものかと思っていました。

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世界最古のビール工場の外観


醸造学科への留学について

先生との面談で聞いたことをまとめます。

・修士ではなく、学士課程から入るほうが良い
醸造学科はビールの研究以外にも、ビール工場の経営やマネジメント、人事など幅広く勉強します。このこともあり、たった2年の大学院からでは勉強が追いつかず、退学の危険性が大とのことです。学部からならじっくり学べ、更に私は澤田酒蔵で働いていた経験があるので、1~2年で卒業できる可能性があるとのことです。

・ブルワーマスターコースがオススメ
通常のカリキュラムの他に、ブルワーマスター (杜氏) のコースが存在するそうです。出願には数ヶ月の工場でのインターンが必要なのですが、澤田酒造での勤務経験でもOKとのことです。

・醸造学科に日本人はほぼ居ない
残念ながら、歴史上日本人の学生は数えられるほどしかいないそうです。現時点でアサヒビールとサントリーから来たPhDはいるものの、殆ど滞在していないそうです。

・ドイツ語学校に行ってから入ったほうが良い
醸造学科への入学にはドイツ語検定でB2 (自分の意見が明確に述べられるレベル) が必要になります。IELTSでは6.0ぐらいになりますが、ドイツ語を0からこのレベルまで持っていくには最低でも1年はかかりそうです…


TUMの入学自体殆ど無理だと思っていましたが、ルート次第ではなんとかなりそうです。ドイツ語はやはりネックですが、卒業できる可能性はなきにしもありません! 逆に別の大学に入っておいて、就職後会社員としてTUMで研究するというルートもアリな気がしてきました。

なんにせよ、コネクションもない海外の学生を暖かく迎え、TUMについてたくさん教えてくださったMetzenmacher先生、本当にありがとうございました。


ビール工場附属のレストランでランチ

世界最古のビール工場には、とっても大きなレストランが併設されています。繁忙期には世界中からお客さんがこのビールとドイツ料理を目当てにやってくるそうです。

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(レストランのHPから)

Bräustüberl Weihenstephan
住所 : Weihenstephaner Berg 10, 85354 Freising
営業時間 : 10:00 ~ 0:00 (定休日なし)
予算 : 2,000円 ~

地下室もある3階建ての昔ながらのデザインです。 木目調で格式高く、雰囲気が最高です。今回は普通のゲストルームに通されましたが、他にも洞窟の中のような部屋や、山小屋チックな離れ小屋、白基調の会議室等など部屋の種類も豊富です。

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席につくと民族衣装を来たウエイターさんが注文を聞きに来ます。せっかくWeihenstephanに来たのですからオリジナルビールを注文しました。また、有り難いことに無料でプレッツェルが付いてきました。

11時に来てしまったために、残念なことに朝食メニューしか選べませんでしたが、裏を返せばドイツらしいモーニングメニューを注文できます!

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何種類ものチーズとポテトのサラダ、4種類のパン

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ミュンヘンの朝食の定番、白ソーセージ

ビール1杯と2品で大体2000円程でした。ボリュームがたっぷりありますので、なんならソーセージだけでも十分でした。ちなみにソーセージは1皿300円と凄まじくリーズナブルで驚いきました。

やはり1000年以上愛されるだけあって、ビールは世界一美味しいと言っても過言ではありません。歴史にあぐらをかかず、いつまでも最高の味わいを追求する姿に心が打たれます。本当に美味しかったです、このビール。


シュトットガルトへ出発

TUMを後にしてシュトットガルトに向かって出発します。この街には、私が志望するもう一つの大学、ホーエンハイム大学があります。

カフェに置いてきた妹と合流し、ZOB (Zentraler Omnibus Bahnhof、バンホッフバスステーション) FlixBusに乗り込んで出発です!

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ミュンヘンの中央バスステーションことZOB

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FlixBusのバス

今回はFlixBusを使用するのですが、なんと一人1000円ほどしかかかっていません。しかも、このバスを利用すればドイツ国内だけでなく、フランス、イタリアなどヨーロッパ中の街に格安でアクセス出来るそうです!

でも、乗り心地やバスの中の雰囲気はあまり良くないので、女性一人だったり旅行に不慣れな内は出来る限り避けたいところです… ただ、お金の節約という点では最高です。


シュトットガルトに到着

特に遅延もなく、2つの都市を経由して3時間で到着しました。

着いた頃には夜の7時ぐらいになっていましたので、足早にホテルへと向かいました。到着地がシュトットガルト空港だったので、地下鉄を使ってホテルのあるFilderstadt駅に行きます(1駅)。

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Hotel Merlin Fildern
住所 :  Aicher Straße 46, 70794 フィルダーシュタット
部屋 : ダブルルーム
一泊 : € 108.90

部屋に対して値段が少々高いですが、駅からもそれほど遠くなく、近くに大型スーパーが2つあるのはポイント大です。夜は街灯がほとんど無く真っ暗なので、車に轢かれないよう注意です。


今日のまとめ

早起きしてTUMに行き、先生と面談してからまた市内に戻り、仕度してZOBからシュトットガルトに出発と、とにかく忙しい1日でした。これでやっと、今回の旅行の目的が1つ達成できました。

ホームページでもある程度TUMの醸造学科のことを知ることはできますが、学部に進学すべきこと、ブルワーマスターコースのこと、澤田酒造での経験が有利に働くことなどは、先生に合わなければ知ることはありませんでした。

改めて、本当に有意義な一日でした。明日はシュトットガルトでゆっくり観光したいと思います。


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