職場の人に女の子が好きって言った
女で生まれて、女として生きてきた。
頃合いがくれば、白馬の王子様が迎えに来てくれると思ったし、普通に家庭を持って生きていくんだと思っていた。
でも、現実は違った。
(生まれて〜今までのことを書いています!詳しくはこちらをご覧ください)
私は、女として、女が好きである。
そして、私にとってそれはなにもおかしくなくて普通のことである。
みんなが普通ではない、と思ってしまっていたくらいだ。
転職してまもない頃、私は職場の人に伝えた。
レズビアンであることを。
新しい環境、新しい上司
しんとした空気、朝の突き刺さるような冷気。
休み明けの浮ついた頭と反対に容赦無く体温を奪う冬の日。私は新しい職場に赴く。
とても自由で、素敵な環境の職場であった。
弾けるような笑顔で迎えてくれた新しい上司。1年ほど先に入った業務上の先輩である。小さなお子さんがいるらしく、慌ただしくも天真爛漫な姿が見る人に元気を与える印象だった。
先輩とは共通点が多く、話も弾み、仲良くなることができた。なんでもない世間話や考え方、今までの生き方などヘビーな話題にも触れていた。
自己開示がお互いある程度できる状態で、アタシたちは結構信頼してぺらぺらと話せるようになっていた。
少しずつ業務を覚えていき、それなりにこなせるようになった頃。
バレンタインが来た
アタシはいつもより少しおしゃれをして、ばっちり化粧をして、かわいらしい女の子の姿で職場に来た。
そう、好きな女の子にチョコを渡すのである。
もう、浮かれ状態で今日こそは、と張り切っていた。(付き合いてえと心底思ってた)
そんなアタシの浮かれ具合に先輩は察したのか、「え?今日なんかあるの?」と聞いてくれた。良くぞ聞いてくれました。そうです、チョコです、バレンタインデーです。
私は
「バレンタインデーなんでッ……!」
とルンルンで答えた。
「ええ??やや子ちゃんって好きな人いるの…?恋愛とか興味ないと思ってた!」
そう、私はクールな女で通っている。
なんで?こんな浮かれポンチレズビアンなのに?なぜ、クールな女になっているのか?
答えは簡単です。
レズだからです。イケメン興味ないからです。男絡み要らんのでその辺で情緒揺さぶられません。
男性アイドルや俳優の話になった時、ことごとく白けてしまう(笑😅)ので、なぜかクールな印象になってしまったのである。こちとら女めちゃくちゃすっきゃねん。
それで男興味ない=恋愛興味ない、クールな女が誕生しまったのである。めちゃくちゃ誤解だ。しぬほど恋するレズビアンである。
先輩も私の意外な一面に驚いたのか、根掘り葉掘り聞いてくる。
「え?どこの人?何歳くらい?え、どこで出会ったの?今まで話している中で登場した?(しょっちゅうプライベートのおもしろおかし話もしているため沢山登場している)」
「今まで、お話ししたことありますよー!◯◯の飲み会であった人です」
「え?そこにいたの?」
れず飲み会(れずは定期的に飲み会をしがちである)の話をよくしていたので、女だらけということは伏せて飲み会があったこと自体は知っていた。
その後、たくさんどんな人なのか質問を受けた。ノンケの質問で怖いのは身長や仕事柄、どんな見た目?などである。
もちろん好きな人は女の子であるため、私と同じくらいの身長で、お化粧もする中身が可愛らしい子である。もう、そんなこと話したら「女々しい男が好きなんだ…」というレッテルを貼られるに違いない、と思い、私はつい言っってしまった。
「あのですね、その子、女の子なんですよ。」
「……⁉️⁉️‼️‼️‼️⁉️❓❓‼️」
先輩は目を丸くして驚いていた。
めちゃくちゃリアクションがいい人なのだけど、本当に驚いたのか言葉を失い、え?え?ええええ?としか言ってなかった。しめしめ、これだからカミングアウトってのは面白い。
「え?そうなの?え、今までずっと、女の子の話してたの?(昔の恋愛話とか好きなタイプとか話していた)」
「はい。女の子と付き合うことばっかりです」
「ええ?そうなの?あ、でもなんか納得、え、でも…ええ?」
先輩、大困惑である。困らせてまじごめんなさい。しかし、この先輩の素敵なところはその話を一通り聞いて、質問し終わった後は、
「バレンタインうまく行くといいね〜!」
と普通の恋バナをしてくれたのである。
普通の恋愛として受け入れてもらえるの、気持ちいい〜〜‼️
私たちが思うほど、他人は私のことなんか気にしていないし、言っちゃってもなんとかなるのである。てか、みんな自分で生きるので精一杯だしね。
こうして、私は職場の先輩にレズビアンであることをカミングアウトし、受け入れられ、ことなきを得た。
その後、浮き足立ってチョコレートを渡しに行った私は誰がどう見てもただの恋する女の子だったはず。
私たち、普通に恋愛してますよ。
ただ、女の子が好きなだけで、何も変わりません。
職場の先輩は、私の恋愛話を色眼鏡で見ず、受け入れて普通に恋バナとして話し続けてくれたところ。本当に推せるなぁ。
改めて、素敵な人に出会えたなと思いました!
めでたし、めでたし。
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