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チェルノブイリ日記 31 ~ 暗い病院、狭い部屋

病院の散策を続けます

 前回のあらすじ。
 マンションを出てカビ臭い病院へ入りました。

 プリピャチ市内の病院へ足を踏み入れたイケメンとガイドと私。
 出入口のあたりはものすごい腐敗感であまりのカビ臭さに呼吸をすると病気になるのではと思いました。
 この写真は綺麗な部屋です。これでもね。

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※ 過去の日記はこちらから。

 Wikipediaによりますとプリピャチ市内には4つの病院が建てられていたとのことです。原発事故直前の人口が5万人弱。日本の病院の数が人口10万人あたり6.46というデータがありますのでそれを思うと多かったのかな? まぁ病院の規模もありますので何とも言えませんが。
 なお、Wikipediaによりますとエレベーター完備の集合住宅も建っていたとのことで……先程訪れましたマンションにはエレベーターはありませんでしたね。グレードの落ちるマンションだったのでしょう……。エレベーターのあるマンションに住んでいたのは幹部クラスだったということでしょうか。

 この病院は現役当時の姿ではありませんが、物がわりと残されていますね。
 人の名前や生年、住所らしき情報が書かれた台帳が放置されていました。現代日本であればこのような物が放置されていたら大騒ぎですが、そんなことを言っていられる状況ではありませんでしたものね。個人情報に対する考え方も現代とは違っていましたでしょうし。

 チェルノブイリにしては珍しい、破壊されていない椅子が置かれていました。
 よく見ますと椅子の後ろの床に穴が開いているようですね。慎重に歩きましょう。病院に来て怪我をしたらたまったものではありません。

 手前の椅子は先程の椅子だったと思います。

 物が残ってるとはいえ、現役の頃はこの空間が何だったのかを想像出来るほどではありません。

 廊下に出ますと相変わらずさっさと歩いて行くガイドの姿が。イケメンにいたってはどこにいるのかさえ分かりません。ガイドはイケメンの後を歩いているのよね……?

部屋を覗き見て回る

 私が迷子になったとしたらいつ気が付いて電話を掛けて来てくれるのかという不安はありますが、まぁ私は私で病院を見て回りましょう。

 扉を開けると狭い廊下? その奥も狭そう……本当に何の部屋だったのでしょうね。

 こちらは尋問部屋? ポツンと置かれた椅子に不気味さを感じます。まぁ恐らくは私のような後から来た人間が撮影のために置いたのだと思います。私は撮影のために物を動かすことを良しとしません。

 こちらの扉からは湯舟が見えました。しかし相変わらず狭い出入口だなぁ……湯舟、よく入りましたね。窓から入れたのかなぁ?
 先程「私は私で病院を見て回りましょう」と言ったものの部屋の中に踏み込んでいないのは、ガイドに置いて行かれるのはやっぱり怖いという思いと、鼻の悪い私でも廃墟臭さが辛いため長居したくないという思いがあったからです。
 廃墟は写真で見るのが良いわ……。

 謎に大きな看板が2枚。何でしょう……。壁にもたれ掛かっている文字数の少ない看板を翻訳しようと思いましたが、3文字目のアルファベットのlみたいなものが何なのか分からず挫折。
 ロシア語の名人がこの記事に辿り着いてくれますように……。

 壁に何か埋め込まれていました。おててのしわとしわを合わせて……仏壇ではありませんよね。

 他の階へ物を運ぶエレベーターでしょうかね? それか、温めたり冷やしたりする機械……? 分かりません。

 現役の頃には有り得なかったであろう物が置かれています。書類にスリッパに……

 ナースサンダルや……。
 原発事故後、病院はすぐに放棄されたわけではなく原発の職員や消防隊員が運び込まれていたそうです。このサンダルを履いていた人はいつまでこの病院で怪我人の処置にあたっていたのでしょうね。

 ところでサンダルには人の姿が書かれた紙が敷かれていました。何の紙なのか、そして何故ここに……。

 まぁ例によって例にもよって考えたところで分かりませんので進みましょう。

 この貼り紙は……?

 左の絵は火災の現場ですよね。真ん中は公衆電話。右は……リビング?
 よく見ますと公衆電話の上に「01」とうっすら書かれています。日本で火災が起きれば電話は119番ですが、ロシアでは01番だそうです。火災のときは01番という貼り紙なのですね。
 しかしそれにしたって右のリビングの絵は……?

 破壊されていない椅子が多いですねこの病院は。向こうでは机が横たわっています。
 いくら非常時でバタバタしていたとはいえ、倒すか?

 わざわざ外された蛍光灯。割れていません。謎に律義。

 これは……入院患者が描いた絵の展示でしょうかね。いや、全く分からないのですが。

 うぅーん? 何でしょう。人の絵や40という数字……。
 下段右端の絵がミニスカートを穿いて軍配を持った女の子に見えるのは眼科に行った方が良いでしょうか。

 どんどん奥へ進みます。ちょっと帰りたいです……。
 暗いなぁ。崩壊も進んでいるなぁ。ここでもし建物が崩れて3人とも生き埋めになっても恐らく誰も助けに来てはくれませんよね。
 あれ、日本を出るとき「チェルノブイリへ行って来ます」と誰々に言ったっけ……。誰か探してくれるのかな?

 ところで写真だと明るく見える場所が多いのですが、実際は暗いのですよ。廊下に明かりが点いているわけではありませんし。
 ヘルメットも被らず軍手もはめず、安全靴も履かず……進んでええんか? ええのんか?

 埃や瓦礫が積もった椅子が廊下に置かれていました。長い年月を感じます。この瓦礫は天井から自然に落ちて来たのですよねきっと……。
 ノートらしき物が2冊置かれているのが気になるところですが触れません。物には極力触れたくありませんし、触って開いたところで読めないでしょうしね。

ガイドに置いて行かれないように

 偶然撮れたガイドの残像。

次回予告

 私をまくようにさっさと進んで行くガイド。追い付けるのか?

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