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「トランペットうるさい」と言われて吹かなかったら「そう、それで良い」と言われた話

学生の頃のオーケストラだったと思うのですが、合奏していたら「トランペット、そこうるさいからもっと小さく」と指揮者に言われたことがあります。
言われた通り小さめに演奏したら、また合奏が止まり、

「トランペット、うるさい。もっと小さく」

これが数回続いてお互い変な空気になって、試しに構えるだけ構えて音を出さなかったら、「そう!それで良い!」と言われました。

笑い話としてお納めください。

この時は演奏技術も知識も乏しく、指揮者の言う本当の意味も理解できていなかったのかもしれません。

デシベル的強弱

当時「うるさい」の言葉に込められた意味をデシベル(音量)的にしか捉えていなかった可能性があります。例えば音色、ニュアンス、フレーズ感。指揮者の望む表現や周りの演奏をまったく汲まずに、好き勝手ペーペー吹いていたのかもしれません。周りと協調性のない場違いな雰囲気を醸し出していたら、どんなに小さい音で吹いてもそれは異質な存在になります。

例えば同じ周りのみんなが「おはようございます」と言っているのにトランペットだけ「押忍おす」と言っていたら、それだどんなに小さな声でも目立ちます。そんな感じだったのかもしれません。

音量変化以外の表現

俳優さんや声優さんが場面や役柄に応じて声色、口調などを変えているのと演奏者が作品や場面に合わせて表現方法を変化させるのはとても似ています。演奏の場合はアタック、コア、リリースのキャラクターを変化させることが基本です。
しかし合奏ではもっぱら「出だしのタイミング」や「ピッチの安定」「ハーモニーを作る」そうしたところに主眼が置かれがちで、たしかにそれらは重要ではありますが、音をどのように持続させるか、音の終わり方をどのようにするかで聴く人に与える印象を変化させることも非常に大切です。その中の要素のひとつとして、デシベル変化があると考えます。

トランペットの音量変化は空気圧

音の質や音量を変化させるのは「体内の空気圧」です。トランペットをコントロールする際には必ず主語を「体内の空気圧」にして考えるようにします。

空気圧が高くなり、唇に到達する空気の量が増えると唇の振動する幅が大きくなり音量も大きくなります(ただし、吹き込む量は極力少なくしなければバランスが崩れるので注意)。そのような考え方で音量や音の張り具合を調整できると表現の幅も広がります。


ということで、昔のことを思い出したので書いてみました。
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荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。