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発表会終了報告7 素敵な演奏が多かった理由

1月13日(土)に開催いたしました「第1回荻原明門下生トランペット発表会」。おかげさまで無事終えることができました。

この発表会の目標は、とにかく楽しく、温かく、優しい雰囲気の中で進行すること。音楽は時に優劣や批評などが介入してギスギスした雰囲気になったり、惨めな思いをしたり、自信を無くしたり、時には優越感に浸って間違った方向性の高揚を覚えるなど、良くも悪くも人間らしい部分が見え隠れすることも少なくありません。

確かに芸術というものは自分の心を相手の五感に直接伝える行為ですから、良い部分もそうでない部分も見えることが当然といえば当然ですが、だからといってこの発表会の場にそれら全てを持ち込む必要もないと考えています。例えば演奏が上手くいかなかったとかミスしたとか、演奏レベルとか経験年数だとか言うのは、この場では必要ないと、思っています(もちろんご自身の中でクオリティの高い演奏を目指す努力は大切です)。

僕の発表会では、音楽が好きで、トランペットが好きで、そうした方たちが一堂に会してそれぞれの良いところを認め合える温かい雰囲気を作りたかったのです。
そもそも、僕のところにレッスンに来てくださる方の中にはギスギスした雰囲気を作るような方は誰一人としていないことは最初からわかっていたので特に心配もしていませんでしたが、演奏する本人の心の中がどうであるかは別です。
ジャッジされていると勝手に思い込んで自信がなくなってしまったり、緊張との共存の仕方を間違ってしまうと、せっかく本番に向けて練習してきた成果が発揮できなくなってしまいます。

演奏者は自分の緊張感を集中力に変換し、上手にコントロールできるようにすることは課題のひとつではありますが、外的要因、例えば演奏する空間の雰囲気なども精神状態にかなり影響するため、その対策として演奏前に司会者さんとお話しをしていただいて心を落ち着けていただくくことや、「発表会は温かい雰囲気の中で」と、とにかく言い続けてきたことで、客席にいる人たちは決して敵ではない、批判的に見ている人など一人もいないと確信して演奏してもらいたいと思っていました。

また、ホワイエに付箋でたくさんポジティブなメッセージを書いていただきましたが、それらを目にすることでも安心感を覚えると思いますし、自分自身も誰かへ温かな気持ちを文字にして掲示する気持ちになる。言霊ことだまって本当にあると思っているので、これらの行為もみなさんの心の中が良い方向に向いたのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、発表会で「楽しく演奏できました」「練習の成果が発揮できました」「いつも以上に良く吹けた気がします」など、嬉しい言葉をたくさん聞かせていただきました。実際僕が聴いていても多くの方がレッスン時以上に心に届く良い演奏をされていたと思います。

この結果は、もちろん演奏されたみなさんの努力の結果ですが、それに加えて良い結果を促す外的要因があったことも理由のひとつだと感じています。

音楽は演奏する人と聴く人が共に認め合い、共に楽しむものでなければいけない、と再確認した発表会でした。

奏者から客席までの距離を大きく開けました

今回利用させていただいた、としま区民センター小ホールは、小規模のホールながら良い響きのする空間で、非常に演奏しやすかったです。それと、席を前3列撤去したことも良かったと思いました。トランペットは楽器を構えた際に正面の近い場所に人が座っていると萎縮しがちなので、奏者の前をガランと広くしようと席数を大幅に減らしました。

そんなこともあって、全体的に自分の願っていた雰囲気で発表会ができたことがとても嬉しく思っています。ありがとうございました。

発表会報告はまだ続く。



荻原明(おぎわらあきら)

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