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あなたは美容師。

ちょっと前に、美容室でドライヤー中に話しかけられるのが苦手という投稿をした。

この問題、すっきり解決しました!


数カ月前からわたしを担当してくれている美容師さんは、世間話をしない。
とにかく、しない。

美容室にいる間に彼女が話しかけてくるのは、

・どんな髪型にしたいか?
・ケープに腕を通してほしい。
・席を移動してほしい。
・かゆいところはないか?
・仕上がった髪型に満足か?
・今日の料金これです。

…くらいだ。マジの業務連絡!

わたしもわたしで、ただ無言で髪を切られている。

しんと静まった個人経営の美容室で、シャキシャキ髪を切る音が響く。
鏡ごしに彼女の真剣な表情を見て、ふっと質問がわいてくる。

『どうして美容師になろうと思ったんですか?』
『一人でお店を経営するって、大変ですか?』

でも、声に出さない。
どんな答えが返ってくるのかな、なんて考えながら髪を切られつづける。

ずーっとふたりきりなのに、お互いの素性をほぼ知らないという特殊な関係を壊すのが、なんとなくもったいなくて。

そんな彼女。先日、ついに業務連絡以外のことで話しかけてきた。

「今日は風が強いですね」
そうですねと答えて、二人でふふふと笑った。

彼女は美容師。それ以外、なにも知らない。
でも、風が強いのは気になるみたい。

わたしは趣味で文章を書いている31歳会社員。既婚者で北海道出身です。

これを全部伝える日が来るのは、きっとまだまだ先のこと。


お読み頂き、ありがとうございました。 読んでくれる方がいるだけで、めっちゃ嬉しいです!