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水風呂嫌いでも銭湯好きと言いたい

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

お店を構える京都市内は、水質の良い豊かな地下水が流れる土地で、今でも沢山の銭湯が営業しています。

僕の家からも自転車で10分圏内に10軒近くの銭湯があります。
それぞれ個性豊かで、設備なども全然違うのでその日の気分によってどの銭湯に行くかを決めるのも大きな楽しみの一つです。

しかし、この頃胸を張って「銭湯が好きです!」と言いづらいなと感じることが…
それは、近年のサウナブームによってなんとなく「銭湯好き=サウナ好き」という感じになっていること。

サウナブームの勢いは本当にすごくて、サウナをテーマにしたドラマが放送されたり、プライベートサウナが各地に誕生したり…
空前のブームと言えますが、日本では東京オリンピックの際にフィンランドの選手が選手村にサウナを持ち込んで利用したのをきっかけにサウナが広まっていったそうです。

そこから何度かブームを起こしながら広まっていったサウナですが、現在のサウナブームのキーとなっているのは「水風呂」
昭和のサウナにも水風呂はあったそうですが、あくまでサウナの付属品だったそう。
そんな水風呂に着目し、熱いサウナとキンキンの水風呂を交互に楽しむことで「ととのう」という概念を生み出したのが、昨今のサウナブームの大きな特徴と言えます。

昭和の時代には「付属品」だった水風呂は、令和の時代にはすっかり主役となり、「水風呂のためにサウナに入る」という方も少なくありません。

しかし、水風呂が大の苦手な僕にとってはこの水風呂ブームで
「水風呂あってこそのサウナ!サウナあっての銭湯!」という雰囲気になっていて少しばつが悪いのです。

「サウナに入ったのに、水風呂に入っていなかったら本当にととのったとは言えない!」                                               
「水風呂に入らなかったら100%サウナを楽しめていない!!」
「絶対水風呂に入れるようになるから、俺の言う通り入ってみてよ!」

確かに、水風呂に入っている方はとても気持ちよさそうにされていますし、水風呂に浸かったらよりサウナが楽しめるのかもしれませんが…

「でも、苦手だから入れないって言ってるやん!!」というのが本音です(笑)

こういう現象ってサウナだけでなく、色んなもので起こる現象だと思います。

「すべてのジャンルはマニアが潰す」
これは、新日本プロレスの再建に尽力した木谷高明さんの有名な言葉です。

一部の熱狂的なファンの要望を受け入れ続けると、新規ユーザーが入りづらくなり、その結果ジャンルは衰退してしまう。
新規客だけでも固定客だけでも成り立たない。

その中で上手いこと両者のバランスを取っていくことが、どんなビジネスでも難しいしやりがいになる部分でもあると思います。
お店に立っていても、新規の方も常連さんにも楽しんでいただける雰囲気作りは難しいなぁとひしひしと感じています。

しかも、僕も好きなものが沢山あるので、「マニア」側の気持ちもとってもよく分かるんです。
自分が好きだからこそ、中途半端な気持ちで「好き」と公言されるとイラッとすることもあるし、自分が好きなものに他の人を巻き込みたいという気持ちもめちゃくちゃ分かります。

だからこそ、自分も気を付けなくちゃなぁと思うのです。水風呂嫌いでも銭湯好きと言わせて下さい!笑笑

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