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関西大回り乗車の旅に行ってきました!


「190円の切符で約9時間の壮大な旅が楽しめる」
嘘のような話ですが、全国の数か所でこんな旅を楽しめます。

そのからくりは「大回り乗車」

東京や大阪などの指定されたエリア内の移動は、一定の条件を満たせばどんなルートを使っても、改札に入った駅と出た駅を結ぶ最も安い経路の運賃で乗車できるというもの。

条件は大きく4つ
・指定エリアの外には出られない
・同じ駅を二度通るルートは不可(一筆書きできるルートでないといけない)
・途中下車は不可
(沿線の観光地に立ち寄るなどはできない。駅ナカで食事などは可)
・有効期間は1日のみ
このルールさえ守れば、壮大な旅に出ることができます。

関西の指定されたエリアはこちら。

例えば、京都駅からお隣の山科駅に行きたい場合。
普通に乗ればわずか5分で到着。運賃は190円。
しかし、例えばこのように

一筆書きのルートを上記のルールを守りながら移動すれば、このルートでも190円で乗車することが出来ます。
ということで、9時間・325キロにも及ぶ旅に行ってまいりました!

京都駅で切符を購入してスタート。9時間の長旅の始まりです。
一発目の電車は新快速・姫路行き。
朝ラッシュで混雑するこの電車でまずは大阪に向かいます。

京都8:30→大阪9:01

電車は約30分で大阪に到着。

乗り換え時間わずか4分で紀州路快速・和歌山行きに乗り込みます。途中までは関西空港に向かう列車と併結していることもあり、観光客も多く乗っています。大阪環状線内を走行中はかなりの混雑でしたが、天王寺あたりからは割に空いていました。

一人掛けシートに座れたので、長旅に備えここで一眠り。

大阪9:05→和歌山10:43

和歌山駅には駅ナカにコンビニがあるとの情報を仕入れていたのですが、なんと駅ナカから買えるのはお土産やおつまみのみ…
おにぎりやサンドウィッチは購入出来ず、これは大きな誤算でした。改札を出れば大きなコンビニがあったのですがルール上改札からは出られず…
食料の確保は出来るときに確実に行っておきましょう。

和歌山10:55→王寺13:26

そして、ここからがこの旅一番の難所。
一時間に一本しか無いローカル線和歌山線を乗り通します。
しかも、車内は地下鉄などでよくあるベンチ型のロングシート。2時間半以上この電車に乗り続けます。
なので、紀州路快速で睡眠を取っておきました笑

乗客の大半が地元住民や、中高生というローカル線。単線ののどかな風景を2両の列車が走っていきます。

途中の橋本駅では南海電鉄の車両を見ることも出来ます。
移り変わる車窓と、乗り降りしていく乗客たちを眺めること約2時間半で終点の王寺駅到着です。

ここで約40分の乗り換え待ちが発生。
駅ナカにコンビニがありようやく食料を手に入れることが出来ました。

王寺14:03→加茂14:34

休憩を終え大和路快速・加茂行きで加茂駅へ。
大阪から和歌山、奈良と周りここで京都府に戻ってきました。
しかし、それも束の間。
加茂駅で亀山行きのディーゼルカーに乗り継いで関西本線を進みます。

加茂14:40→柘植15:38

ここからはこの旅一番の自然地帯を進みます。

到着したのは柘植駅。大阪近郊区間の東の果てでここはなんと三重県です。

柘植16:08→草津17:03

この柘植駅から、甲賀市・湖南市などを通って滋賀県のベッドタウン草津までを結んでいるのが草津線。
三重県から一本で京都まで20分圏内の草津駅まで向かうことが出来ます。


そして、ラストは朝も乗った新快速。
奇しくも朝と同じ姫路行きでゴール山科駅へ。

草津17:06→山科17:22

こうして、出発から約9時間。
普通に乗れば5分の区間を7本の電車を乗り継いで大回りすることが出来ました。

切符は窓口で申告すれば持ち帰り可

たった190円で大満足の一日を過ごすことが出来ました。
ちなみに、草津から米原方面に向かい湖西線を使って琵琶湖一周して山科に戻ることも可能だったのですが、今回は時間の関係で草津から山科に一本で戻ってきました。

また時間があるときに挑戦してみようと思います。
今回の感想としては、
・通勤路線からローカル線まで、車窓や沿線の雰囲気の移り変わりを見ているだけで楽しかった
・食料は確保できる時に確実に確保しておくべし
・ベンチシート型の車両で寝るのはツライ
クロスシートの車両で睡眠を取っておくのがオススメ
・加茂→柘植間の車窓は特に圧巻
・本や映画など暇つぶし対策をしておくべし 
・最近の車両にはほぼ100%お手洗いがついているので、トイレの心配はほぼなし
・和歌山や奈良の駅には駅ナカ施設がほぼない
買い出しなどは京都や大阪などの主要駅で済ませておくこと

そして、今回は大丈夫でしたが、人身事故等が発生した場合振替輸送などが受けられない他、ルートを変更した際に一筆書きルールを守れないと追加運賃を払うことになるので、時間には余裕を持って行程を組んでおくようにしましょう!

究極の乗り鉄旅といえる大回り乗車。
人生で一度は味わってみてはいかがでしょうか?

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