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「○○しなさい」と一切言わなかった母親の話

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

3月に入り、世は卒業シーズン真っただ中。街中で引っ越し業者を見かけるようになり、新生活への準備が着々と進んでいるんだなぁと感じます。
一方で、この春四回生になる子たちは既に就活に向かっています。
3/1から採用活動が解禁されることもあり、3/1が一つの節目とも言われますが、実際はそれ以前からインターンや説明会に参加するなど、年々就活のスタートは早まっているようです。

思い返せばもう6年前の今頃。
「タイのコーヒーで起業してみるか」と方向性を決め、就活はせず起業の可能性を探るために活動を本格的に始めた頃でした。

「就活はせずに起業した!」というお話をすると大体は
「かなり迷ったんじゃないですか?」
「その勇気があることがすごい!」
とよく言っていただけますが、実は自分の中ではあまり大きな決断だとは思っておらず、「就職か起業かの二択で起業を選んだだけ」「就職した後に起業するのは中々大変だと思うし、それなら先に起業してダメだったらご縁のあるところにお世話になってやり直せば良い」と楽観的に考えていました。

この考えの源となっているのは間違いなく母親の存在です。
「親御さんからは反対されなかったの?」
これも起業エピソードを話した時に必ず聞かれることの一つですが、その答えはNO。起業に関して反対されたことは一切ありませんでした。

というよりも、人生で「○○しなさい」「○○するな」と言われたことは一切ありません。
「勉強しなさい」と言われたことは一度もなかったし、部活も進学する学校も全部自分で決めさせてもらいました。

小学四年の時、鉄道ファンの友人に長野までの日帰り旅に誘われたときも、中学三年の時、卒業旅行で京都まで自転車で行っちゃおう!と盛り上がったときも、「さすがに断られるんじゃないか…?」と恐る恐る許可を取りましたが、返答はあっさりOK。

一人っ子だったこともあり、本当にのびのびと育ててもらいました。

「起業を目指したい!」と打ち明けるときはさすがに緊張しましたが、この時も特に何か言われることはなく…
「そうと決めたなら頑張れよ!」と背中を押してくれました。

小さい頃は気付きませんでしたが、年を重ねるにつれて「我が家ってかなり寛容だぞ」と思うようになります。
実際どう思っているんやろ?ずっと気になっていましたが、以前久しぶりに母親とゆっくり話すチャンスがあり、
「息子が起業したいと言い出した時、実際どう思ってたん?」
と聞いてみました。

返ってきた答えは
「私の人生じゃないし、あんたの人生なんだから好きにすれば良い。ただそれだけだ」と。

「冷たい母親だなぁ」と思われるかもしれませんが、僕にとってはこのスタンスはとってもありがたいものでした。
他人から沢山アドバイスをもらって決める、というよりも自分の中で判断材料を集めて決断するという僕の性格もよく分かった上で、こういった姿勢を取ってくれていたのだと思います。

子育てに正解はないと思いますが、僕は今の母親に今までの育て方をさせてもらったことにとっても感謝しています。
早く親孝行しなければ…(笑)

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