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大切なのは「やりたいこと」だけじゃなく、「やりたくないこと」を考えることだと思う

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

コーヒー生豆の輸入会社を立ち上げて5年半、そのコーヒーを販売する店をオープンしてから3年半が経とうとしています。

大学在学中に起業し今に至るので
「コーヒーが元々お好きだったんですね」とか「好きなこと、やりたいことで生きていて羨ましい」と言っていただけることも結構あるんですが…

実は、コーヒーは起業する一年ほど前まで僕はコーヒーを一滴も飲んだことがありませんでした。
大学のゼミ活動でお世話になっていた企業さんに、タイから出稼ぎで来ていた従業員の方がいらっしゃり、その方のご縁でタイ北部・山岳地帯のコーヒー農園に一緒に足を運んだことが全ての始まりでした。

恐らく、日本で唯一人生で初めて飲んだコーヒーが実際に足を運んだ農園から直送のものだった人だと思います(笑)

一滴も飲んだことが無かったコーヒーにのめりこんでいったのは、日本ではまだまだ珍しいタイ産コーヒーを自分たちの力で広めていけるという働き方のスタイルに魅力を感じたことが一番でした。
(もちろん、コーヒー自体のことも勉強や飲み比べをするごとに好きになっていきました)
なので、コーヒーが「好きなこと」や「やりたかったこと」というよりかは、自分がなりたい将来像や働き方を実現できる可能性があるツールが僕の場合はコーヒーだったわけです。

「好きなことややりたいことを見つけなさい!」とよく言われますが、僕は好きなことややりたいことを見つけることくらい、自分の「やりたくないこと」と向き合うことが大切なのではないかと思っています。

その理由は三つ。
一つ目は「好きなことややりたいことを見つけることはめちゃくちゃ難しい」ということ。

仕事にしたいと思えるほど好きなことややりたいことを見つけることって、実はめちゃくちゃ難しいことだと思います。
趣味で好きでいることと、そのジャンルで仕事をしてお金をいただくことは大きな違いがあります。僕も趣味は沢山ある方ですが、就活が近づいてきたときに「じゃあそのジャンルを仕事にしたいか?」と考えるとはっきり答えが出ない自分がいました。

好きだから、興味があるからこそ、それを仕事とする難しさもあるんだなと実感しました。
小さい頃からコーヒーが好きで、学生時代にコーヒー屋でバイトとかをしていたら、逆に「もうコーヒー屋はいいや。趣味でコーヒーは楽しめたら良いしな」となっていたかもしれません。

二つ目は、「やりたいことよりもやりたくないことの方が見つけやすい」ということ。
皆さん、好きな食べ物と嫌いな食べ物を思い浮かべてみてください。
次に、それぞれの好きな理由・嫌いな理由を考えてみてください。
恐らく、嫌いな理由の方がより具体的に思い浮かぶのではないでしょうか?

こんな感じで、人間マイナスの感情の方が言語化しやすいと思うんです。
いきなり好きなこと・やりたいことを言語化するのは難しいかもしれませんが、
「早起きが苦手だから、フレックスタイムを導入している企業が良い」
といった些細なことでも良いので、自分と向き合ってみることで自然と自分の目指す働き方や将来像が見えてくるのではないかと思います。

そして、三つ目は「やりたいこと、やりたくないことに分類されない、どちらでもないことが実は沢山ある」ということ。

やりたいこと、やりたくないこと、どちらにも分類されないことって実は沢山あると思っていますし、大概の方は入社してから想像していなかった業務も沢山されていると思います。
「就活の時は考えもしなかったけど、仕事として取り組んでみたら結構楽しい!」と話す同級生も沢山います。

そもそも、新卒で就活に臨むまでの20数年の人生で出会えるものには本当に限りがあります。
まだ出会っていない「実はやりたいこと」も沢山あります。

だからこそ、「これはやりたくない!」と思うことを挙げてみて、それを排除できる生き方・働き方を模索するという視点も結構面白いんじゃないかなと思います。

ちなみに、「やりたいこと」「やりたくないこと」を見つけるヒントは様々な働き方や生き方に触れることに尽きると思います。
そういった意味で、インターンやOB・OG訪問といったことは一つ有効な手段だと思います。
世の中には「面白い大人」が本当に沢山います。
今やYoutubeなどでも様々な働き方・生き方に触れられるので、そういったものはフル活用したら良いと思います。

そして、やりたかった道に進んでも、必ずやりたくないこととは遭遇します(笑)

「やりたくないこと」とは、「苦手なこと」ともリンクしてくる部分があります。
自分の「苦手なこと」を認識するという意味でも「やりたくないこと」を考えることって大切だと思います。

僕も、就活の時期が近づくにつれて「どう生きるのか?」ということですごく自問自答しました。
就活という時間は、どの企業に就職出来るかということと同じくらい、自分のこれまでの人生を自分なりに振り返り、客観的に評価してもらえるかけがえのない時間だと思います。

また、就活だけじゃなく人生のあらゆるタイミングで生き方・働き方を考えるターニングポイントがやってきます。
僕にもまだまだ人生のターニングポイントがやってくると思います。
自分は何がしたいのか?何がしたくないのか?どんな生き方をしたいのか?模索して、胸を張って生きる人生であり続けたいなと思います。

そして、何か些細なことでもお話ししたくなったらいつでもお店でお待ちしてます!


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