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好きなことを仕事にするなら必要なもの

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

24歳でお店を始めて4年目に突入しました。
開店までの経緯をお話しすると、必ず「コーヒーがお好きだったんですか?」と聞かれますが…

実は、コーヒーが好きでこの事業を始めたわけではありませんでした。
そもそも事業を構想し始めるまではコーヒーを飲んだことすらなかったので(笑)

そんな詳しい話はこちらを見ていただくとして

「好きなことを仕事にするかどうか?」
みな一度は考える永遠のテーマですよね。

僕の経験上、好きを仕事にするのであれば「客観的な視野」を持てるかどうか?が大切だなと思います。

「仕事にする」とはつまり、それを通じてお金をいただいて生活を成り立たせていかなければなりません。
お金をいただくには、受け取り手の心を動かす必要があります。

コーヒー屋で例えてみます。
もう自分がコーヒー大好きで、こだわりの淹れ方や味わいがあったとしましょう。自分の趣味ならお金も時間も掛けてとことん楽しめばよいと思います。

しかし、コーヒー屋を続けていきたければ、それだけでは成り立ちません。
自分が仕入れたいコーヒーがあっても、原価や販売価格を見極めてあきらめなければいけないこともあるし、自分が好きでも売り上げが悪い商品があればラインナップから外す必要があるでしょう。

売り上げを伸ばすために、他のドリンクやフードなどコーヒー以外のものも提供しなければいけなくなるかもしれません。

「コーヒーが好き」という情熱は、商品を販売するうえで大きなプラスになるでしょう。と同時に、「客観的な視野」で販売する商品や方法を冷静に見極める必要があります。

僕の知り合いでお酒が飲めないバーテンダーがいます。
もちろん、カクテルなどを作るための味見はできるそうですが、作ったお酒を飲むことはできないし、普段お酒を飲むことは全くないそうです。

始めに聞いたときはびっくりしましたが、自分が飲めないことで変なフィルターが掛からず、お客さんの求めている味わいを作ることが出来るそうです。

こんな話も。
先日あるドキュメンタリー番組に鉄道車両などのデザインを務めるデザイナーさんが出演されていました。その方は鉄道界では風雲児と呼ばれていますが、そのデザイン事務所には熱狂的な鉄道ファンの社員はいないそう。

その理由は、デザインを考える上で大切なことは「普通のお客さんの感覚を持っていること」だと考えているから。

乗り心地、バリアフリーなどの兼ね合い、運行上の制約…
求められているのは鉄道ファンをくすぐるものではないのです。

「好きなもの」は誰にも邪魔されるものではありません。
しかし、「仕事にする」ならその熱量が時に「こだわり」となって仕事の邪魔になるかもしれません。

もちろん、「俺が好きなものを世に出して、それが分かってくれる人だけついてこれば良い」ということも可能ですが、かなりの技量が必要となります(笑)

「好きなことを仕事にしたい!」
そう思ったら、ぜひ客観的な視点を持ち続けられるか?という観点で考えてみてはいかがでしょうか?


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