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緑紙または青紙


 私が大統領であれば施行したい法律であります。徴兵制の召集令状は赤紙でした。私がこの時代、次の豊かに繋がる起死回生の制度としてあったらいいなと思うのは、緑紙または青紙で第一次産業従事者を徴集することです。徴集というと無理強いみたいに聞こえますが、義務というよりは高校ぐらいの感じで、行かなくてもいいけど行っとけば選択肢広がるかな的な、大体みんな行くよね的な存在に置けたらと描いてます。

 ざっくりとした仮設定では、18歳になると国からラジオ体操カードのようなものが送られてきます。マイナンバーカードで実施してもいいのかもしれませんが、管理感が出るし、やっぱり「青いカード持ってる?」「もちろん持ってるよ。」的な、この制度に好意的な者の間で共有のちょっとしたステイタス感というか、「仲間だね」感も持たせることができればいいなと思っています。

 制度の概要としては、18歳になった時から30歳になるまでの間12年間に合計2年間の第一次産業従事を奨励するもので(発想当時は「従事義務」と考えておりましたが、少し丸くなりました。)、連続して二年間ではなく、一ヶ月でも二週間でも三ヶ月でも、それぞれに関心のある第一次産業従事者の所で働き、給与を得て生活するものです。
この制度では第一次産業での従事のみどこでどれだけの期間従事したかが記録され、のちの第一次産業従事の時の信用に使われます。途中、第一次産業以外の就業や就学の履歴はここには収録されません。国は青紙を持っている者の就業と、持っている者が来た時の雇用する側の受け入れを奨励しますが、強制や補助金などの介入はしないものとします。奨励された社会の設置だけに留めます。

 現今、第一次産業を経験した人はどのくらい居るのでしょうか。全くしたことない人がかなりの率じゃないでしょうか。
この制度では、ほとんどの者が18歳から30歳までの間でフルの二年間でなくとも、何回かはやってみたということになるのを企図しています。
高校卒業と同時に第一次産業従事に就く者、大学卒業時に就く者、留学の位置付けで就く者、退職して就く者。どのタイミングで利用してもいいのですが、その青紙保持者を「よーう来た。バリバリ力発揮して、勉強してって頂戴。」と快く受け入られる風土づくり。
「何やりたいかなんて分からんけど、とりあえず青紙あるから行ってみる。これあったら大体受け入れてくれるんでしょ。」
こんな間口の広さで第一次産業を経験すれば、「もっと続けようかな。」と言う者もあるだろうし、「もっと凝ってやってみたいから自立できるように教えてください。」と言う者もあるだろうし、「ここが気に入ったからここに住む。ここに家建てる。」と言う者もあるだろうし、「こーれは、自分には向いてない。無理。」というのも経験してはっきりすればいいと思います。そういう者は「自分は第一次産業には向いてないからそれは彼らに委ねる。私が食べる分も頼む。私はそれ以外のところに邁進する。」となれば、迷いが一つ消えていいと思う。

 この制度が始まれば、地方に人は散り、休耕地は耕作され、空き家は埋まっていき、食物の自給が成り、過疎の解消と同時に過密の解消も成り、孤独死が減り、児童待機が無くなり、文化の伝承が危機を脱し、交通渋滞・満員電車のストレスが解消され、エネルギーの分配・生産が再考され、構成する市民の精神と身体は健康に親しくなる。

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