見出し画像

政治講座ⅴ1238「ロシアの衰退と分裂、ベネズエラの経済破綻に重なる」

将来どうなるか予想する。歴史と経済と軍事力と総合的に俯瞰するとロシアは衰退と更なる分裂することが予想される。衰退の根源は社会主義のソ連から始まる。社会主義実験の失敗後のロシアは旧ソ連からの石油・ガスなどの自然鉱物資源に依存する経済から脱却できていないのが原因でもある。ロシアの姿は石油産油国のベネズエラの経済破綻の姿に重なる。明日はロシアの経済破綻であろうか。今回は報道記事を紹介する。

     皇紀2683年7月30年
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

プーチン大統領の“誤算” 長引くウクライナ侵攻…ロシアのイスラム過激派は息を吹き返すか

FNNプライムオンライン によるストーリー • 2 時間前

プーチン大統領の“誤算” 長引くウクライナ侵攻…ロシアのイスラム過激派は息を吹き返すか© FNNプライムオンライン

8月でロシアによるウクライナ侵攻から1年半となる。この1年半、ロシアのプーチン大統領は自分の首を自分で絞め続けているといっても過言ではない。侵攻当初はロシア軍の優勢が大方の見方で、プーチン大統領もウクライナの首都キーウを短期間で掌握し、ゼレンスキー政権を崩壊させ、親ロシアの傀儡政権を樹立するなどを頭の中で描いていたはずだ。

しかし、時間の経過とともにロシア軍の劣勢が顕著になり、昨年秋の軍隊経験者などの予備兵を招集するための部分的動員令、ウクライナ東部南部4州の併合宣言などはそれを物語る。そして、プーチン大統領が長年NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大に不満を募らせるなか、侵攻によって安全保障上の懸念を強めたフィンランドとスウェーデンがNATO加盟を急ピッチで進め、今年4月にフィンランドが正式に加盟し、スウェーデンの加盟も今後発表される。ウクライナ侵攻が返ってNATOの“北方”拡大をさらに押し進めることになった現実は、プーチン大統領にとって大きな誤算となった。

さらに、追い討ちをかけることになったのが、ウクライナ戦争でロシア側の最前線で戦ってきた民間軍事会社ワグネルによるクーデター未遂である。これはワグネルの指導者プリゴジン氏の名前にちなんでプリゴジンの乱とも言われるが、6月末、ワグネルは突如首都モスクワに向けて進軍を開始した。その後、ワグネル部隊はロシア軍の戦闘機を撃ち落とすなどしながら進軍し、モスクワまで200キロのところまで迫ったが、その直後プリゴジン氏は突如進軍を停止すると発表した。プリゴジン氏はプーチン政権を崩壊させる意図はないと声明で発表したが、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長などへは戦闘中にネット上で弾薬が足りないと不満をぶちまけるなど、進軍の目的は両者を拘束することだったとも言われる。

極めて異例…南部ダゲスタンで“熱烈歓迎”

今日、ロシア軍はウクライナ東部に戦力を集中させているが、ロシア軍の劣勢と疲弊は明らかに進んでおり、ワグネルだけでなくロシア各地から若者らが徴兵され、戦闘の最前線に動員されているという。そして、ロシア軍の軍事的弱体化が進むだけでなく、プーチン大統領の政治的権威も劣化し続けている。クレムリンは6月末、プーチン大統領が南部ダゲスタン共和国を訪問し、フェンス越しに手を伸ばして集まった人々と握手を交わし、群衆に手を振って投げキスをするなど熱狂的な支持者と交流する動画を公開したが、これは一種のパフォーマンスとの見方が強い。

ダゲスタンはチェチェンやイングーシと同じくカフカス地域を構成し、ロシアでは圧倒的少数となるイスラム系住民が多く、第一次チェチェン紛争、第二次チェチェン紛争のように、長年プーチン政権から虐げられてきた。カフカス地域はロシアの火薬庫とも呼ばれ、反プーチンの声が最も強い地域であり、カフカスからも多くの住民がウクライナの戦場に動員されているとみられ、ダゲスタンで多くの支持者がプーチン大統領を歓迎するなどは極めて異常な光景となる。

そして、このダゲスタンのケースにも関連するが、ロシア軍の弱体化と疲弊、プーチン大統領の権威劣化などの風潮が強く漂ってくれば、カフカス地域から再び分離独立、また21世紀以降ではアルカイダやイスラム国などジハード系イスラム過激派と連帯する動きも顕著になり、クレムリンを攻撃対象とするテロの動きが活発化してくるシナリオも考えられる。

ロシア国内で相次いだテロ…イスラム過激派は息を吹き返すか

近年では殆どメディアで報道されないが、ロシア国内では長年カフカス地域を拠点とするイスラム過激派によるテロ活動が続いてきた。その中でも、アルカイダが掲げるサラフィジハード主義を共鳴するイスラム過激派にカフカス首長国(コーカサス首長国)があるが、カフカス首長国が関与したテロ事件としては、2009年11月特急列車ネフスキー爆破テロ、2010年3月モスクワ地下鉄爆破テロ、2011年1月ドモジェドボ国際空港爆破テロなどがある。特に、ドモジェドボ国際空港のテロ事件では、ナイジェリアやドイツ、タジキスタン、イタリア、イギリス、モルドバなど被害者の国籍が多様化し、ロシアという“ローカル”なものを標的としてきたカスカス首長国が、国際空港というより国際的な場所でテロを実行したことで、米国などもカフカス首長国をテロ組織に認定している。

また、カフカス首長国の当時の指導者ウマロフがインターネット上に2014年2月のソチ冬季五輪開催阻止に向けたテロを呼び掛ける動画を公開したが、ロシア南部ボルゴグラードでは2013年10月(路線バスで自爆テロ、6人死亡)、12月(鉄道駅で自爆テロ 16人死亡)、12月(トロリーバスで自爆テロ、14人死亡)、それぞれテロ事件が発生した。幸いにもソチ五輪でテロ事件が起きなかったが、当時クレムリンはテロの脅威を深刻に捉え、厳重なテロ対策を徹底していた。五輪直前の2014年2月上旬、欧米各国の情報機関も、ロシアのソチ冬季五輪期間中のテロの脅威が非常に高く、カフカス首長国が最大の脅威とする見方を示していた。

ロシア治安当局も、こういったイスラム過激派へ厳しい姿勢を貫いてきた。ロシア連邦保安庁の特殊部隊は2015年8月、ダゲスタン共和国でカフカス首長国のアジトを急襲し、同組織のリーダーを含む4人を殺害した。また、同年11月には、北カフカス地方のカバルジノ・バルカル共和国の首都ナリチク近郊で、カフカス首長国の中でイスラム国に忠誠を誓う武装勢力のメンバー11人を殺害した。カフカス首長国は2015年4月にイスラム国へ忠誠を宣言し、ロシアからイスラム国が活動するシリア・イラクへ渡った者は2000人を超えたというが、2016年3月、イスラム国カフカス州を名乗るグループは、ロシア国内でイスラム国支持者に対して一匹狼型の自発的なテロ攻撃を実行するよう呼び掛ける声明を出した。

ロシア国内では、2017年4月のサンクトペテルブルク地下鉄自爆テロ事件(14人が死亡、50人あまりが負傷)以降、大規模なテロ事件は起こっていないが、イスラム国支持者による単独的な事件、ロシア当局による摘発は断続的に続いている。

ウクライナ侵攻以降、プーチン大統領も世界のメディアもその問題に集中し、この問題がクローズアップされることはない。しかし、この問題は決して終わっていない。もっと言えば、カフカス首長国やイスラム国カフカス州を名乗る組織とそのメンバー、それに共鳴する個人たちは、ロシア軍が弱体化し、プーチン大統領が劣勢に立たされるという状況を都合良く捉えているだろう。今日、こういったテロの問題は深刻化していないが、テロ組織が好むような環境はむしろ到来しているようにも捉えられる。

【執筆:和田大樹】

ロシアが分裂する可能性とは:英エコノミストの予測

Zeleb.es によるストーリー

ロシア敗北による影響とは

英国の著名な経済学者ティモシー・アッシュは、ロシアがウクライナ侵攻で敗北を喫した場合、無数の国家に分裂する可能性があると各国の首脳たちに警告を発した。

軽視できない事態

英国の王立国際問題研究所でシニア・フェローを務めるアッシュは1月21日『キーウ・ポスト』紙に記事を掲載。その中で、戦争の成り行きを見守る専門家たちに対し、事態の深刻さを軽視すべきでないと述べたのだ。

プーチン政権の崩壊

アッシュいわく:「プーチン政権が終焉を迎える可能性は十分にあるでしょう。そして、1991年のソ連崩壊と同様に、ロシア連邦が多数の国家に分裂することもあり得ると思います」

多民族国家ロシア

ロシア連邦はEU諸国とは違って複数の共和国や自治区、民族から構成されており、すでに独立を望む地域も存在している。

ロシアに勝ち目はない

アッシュをはじめとする専門家たちの多くは、ロシアがウクライナ侵攻で勝利を収める可能性はもはや高くないという見方を示している。これは、開戦当初に比べてロシア崩壊のおそれが高まったということを意味する。

勝利への道筋はない

アッシュは「ロシアに勝利への道筋は残されていません。戦争が長期化すればするほど、ロシアおよびプーチン政権にとって事態は悪化するでしょう」としている。

時間の問題

アッシュはさらに、「クレムリンが何らかの形で和平を模索するのは時間の問題でしょう」と予測。

劣勢になってからでは……

しかし、プーチン政権がいまさら和平案を掲げたとしても、開戦直後と同様に受け止められるわけではない。

バイデン政権とNATOの反応

AP通信によれば、バイデン政権もNATOの当局者もロシア側に譲歩する意思はなさそうだ。

ウクライナがNATOに加盟する可能性は?

ウラジーミル・イサチェンコフ記者とマシュー・リー記者は記事の中で、「米国およびNATOは、ウクライナのNATO加盟について可能性を閉ざすことはしないと書簡でロシア側に通達した」と説明。

交渉の余地なし

記事の内容によれば、米国とNATOは「ウクライナのNATO加盟を永久に禁止するという(ロシア側の)要求を突っぱねたほか、東欧における連合軍部隊および装備の展開についても交渉の余地なしと回答した」という。

対決姿勢を鮮明にする西側諸国

実際、米国および西側諸国による軍事支援はますます膨れ上がっているのだ。

米国国防長官の声明

米国のロイド・オースティン国防長官は、「我々に残されたチャンスは、ウクライナ軍が反攻作戦を始める春までの間だけだ」という声明を発表。

米国による支援

この声明は、ウクライナ向けの援助パッケージとして25億ドル相当の軍事支援が米国内で議論されていた際に行われたものだ。

残された時間はわずか

オースティン国防長官いわく:「時間はあまり残されていません。しかし、我々は十分なリソースを確保しなくてはならないのです」

供与が決まった戦車が決め手に?

したがって、ロシアにとって困難が待ち受けているのは間違いない。さらに、ドイツと米国が足並みを揃えて主力戦車の供与を決めたことで、ロシアが危機に陥る可能性はますます高まっていると言えるだろう。


目論みが裏目に

前述のティモシー・アッシュは、「大ロシアを掲げて開戦に踏み切ったプーチンだが、逆にロシアを縮小する結果になってしまうでしょう」と結論づけた。


参考文献・参考資料

プーチン大統領の“誤算” 長引くウクライナ侵攻…ロシアのイスラム過激派は息を吹き返すか (msn.com)

ロシアが分裂する可能性とは:英エコノミストの予測 (msn.com)

ベネズエラ危機の真相――破綻する国家と2人の大統領(坂口 安紀) - アジア経済研究所 (ide.go.jp)

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?