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政治講座ⅴ1536「海外進出して産業空洞化した報い」

 やすい人件費を求めて甘い言葉に騙されて企業進出した結果がこの有様である。産業空洞化現象が日本のデフレ経済を招いたのである。「デフレ」を通貨(紙幣)価値の安定した状態と捉えるならば、30年のデフレの日本は物価安定と通貨安定で済みやすい社会であった。これからインフレになりそうな気配であるが、物価上昇により貨幣価値の低下と貯蓄・預金価値の目減りしていき、年金生活者にはきつい社会が待ちうけている。年金だけの収入の高齢者には苦しい生活が待ちうけているのである。今回はそのようなことを考えながら、サプライチェーンに関する報道記事を紹介する。

     皇紀2683年12月7日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国『黒鉛』輸出規制 電気自動車(EV)に利用、業界に影響か 在庫“積み増し”も 福島

テレビユー福島 によるストーリー • 

中国『黒鉛』輸出規制 電気自動車(EV)に利用、業界に影響か 在庫“積み増し”も 福島© テレビユー福島

ダイヤモンドや石炭などと同じ炭素からできている鉱山資源の一種「黒鉛」。中国政府は、12月1日から、電気自動車のバッテリーに用いる黒鉛の輸出規制を始めました。この黒鉛を扱う郡山市の工場では、規制の影響を踏まえた対応を急いでいます。

中国商務省報道官「12月1日をもって、黒鉛の輸出規制を実施する」

中国政府が輸出規制を始めたのは、EV=電気自動車のバッテリーの材料となる黒鉛です。今後輸入をする際には、輸入の目的などを示したうえで、中国政府から許可を得る必要があります。

東京都に本社がある「富士黒鉛工業」は、福島県郡山市の工場で主に中国から輸入した黒鉛の加工や販売を行っています。

富士黒鉛工業・菅原豪社長「こちらが球状黒鉛になります」

輸出規制「最悪のケース」想定も…

黒くて細かい砂のようなものが、今回輸出規制の対象となった「球状黒鉛」です。

菅原社長「(EVの)電池の負極材のメイン材料として使っている。ほとんど中国(からの輸入)が100%」

富士黒鉛工業では、許可が必要になったことで、これまでより輸入に時間がかかる可能性を踏まえ、在庫の積み増しのため、11月は例年の1.5倍の量を輸入したということです。しかし、菅原社長は、今後輸出規制が緩和されることはないと見ていて、最悪のケースも想定した対策が課題だと話します。

菅原社長「中国がその気になれば原料を止められる可能性も高いと思う。いつ止められるかは不透明、入れられるうちに対策を立てていかないといけない」

EVの導入が進む自動車産業に暗い影を落としかねない黒鉛の輸出規制。中国依存からの脱却に向けた対策が急務となっています。

なぜできない?国内で「黒鉛」加工

今回輸出規制の対象となった「球状黒鉛」は、EV=電気自動車に搭載するバッテリーとして使われるリチウムイオン電池の材料となるため、EV化が進む自動車業界においても非常に重要なものとなります。

富士黒鉛工業では、現在ほぼ全てを中国からの輸入に頼っていて、今回の規制を機に「中国依存の脱却」を進めたい考えですが、簡単ではないようです。

その大きな理由が、球状黒鉛は他の黒鉛と違い『国内の工場で加工し作り出すことができない』ということです。これは技術的な問題ではなく、コストの問題によるもので、国内に一から工場を整備して球状黒鉛を作り、採算を取ることは非常に難しいということです。

一方で、球状黒鉛の原料は中国だけでなく、アフリカなどでも採掘が行われています。今後は、中国以外で採掘した原料を日本国外で加工できる仕組みを作っていくことが、中国依存からの脱却の大きなカギになりそうです。

参考文献・参考資料

中国『黒鉛』輸出規制 電気自動車(EV)に利用、業界に影響か 在庫“積み増し”も 福島 (msn.com)

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