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政治講座ⅴ1542「高圧的で四面楚歌の中国、周辺国の鼻つまみ者」

唯我独尊、共産党だけが唯一偉い!と威張っているのが中国共産党である。旧ソ連と言う組織は崩壊した。今度、崩壊するのは中国共産党であろう。費用対効果を考えない投資(債務)で作られた社会はいずれ崩壊する。ソ連で実証済みである。他国の領土にちょっかいを出し、隣国から嫌われ者、鼻つまみ者、これが中国共産党である。中国を統一した秦も15年で内部と外部の侵略で崩壊している。今の中国共産党はこの状態である。自国の経済を悪く言うと罰せられるようである。改善の意見を聞く耳を持たないのである。「中国はすごい、もう少しで米国を追い抜く」などと根拠のない報道を奨励して事実から目を背ける政権は持続可能性があるわけがない。日本の大本営の発表のような、毎日、連勝更新報道をする嘘報道は中国の公式報道と似ているのである。嘘報道は「終わり」が近づいている現象である。今回は嘘のない報道を取り上げる。

     皇紀2683年12月13日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

フィリピンと中国が非難の応酬、南シナ海の船舶衝突巡り

Reuters によるストーリー • 3 時間

フィリピンと中国は12月10日、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁、中国名・仁愛礁)周辺で起きた船舶の衝突を巡り互いを非難した。写真は同日、フィリピン船に放水砲を使用する中国海警局の船。フィリピン当局の提供写真(2023年 ロイター)© Thomson Reuters

[北京/マニラ 10日 ロイター] - フィリピンと中国は10日、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁、中国名・仁愛礁)周辺で起きた船舶の衝突を巡り互いを非難した。

フィリピンの沿岸警備隊は、中国側が放水砲を使用した上、フィリピンの補給船と沿岸警備船に衝突し、1隻が「深刻なエンジン損傷」を受けたと非難した。一方、中国海警局はフィリピン船が意図的に衝突したと主張した。

フィリピンは9日にも、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺で水産当局の船に中国海警局が放水砲を使用し、「違法で攻撃的な行為」を行ったと非難していた。

中国海警局は10日の事案について、フィリピン船2隻が度重なる警告を無視し、「中国政府の許可なく南沙諸島の仁愛礁に隣接する海域に不法に侵入した」と説明。うち1隻が急旋回し、海警局の船に意図的に衝突したとし、責任は完全にフィリピン側にあると主張した。

同局の報道官はフィリピンに「挑発行為」をやめるよう求め、中国は自国の海域で「法執行活動」を継続すると述べた。

カールソン在フィリピン米国大使はX(旧ツイッター)で、中国の行為は「自由で開かれたインド太平洋に反して地域の安定を損なう」と批判した。

「国際法違反」と中国を非難 比大統領、南シナ海妨害で

共同通信社 によるストーリー • 36 分

 【南シナ海洋上・共同】フィリピンのマルコス大統領は10日、南シナ海のスカボロー礁とアユンギン礁付近で9~10日に中国艦船がフィリピンの補給船団に放水砲を使用して妨害した問題を受け「フィリピン海域での不法滞在と国民に対する危険行為は国際法違反だ」と非難し、国家主権を守ると宣言する声明を発表した。

 声明は「中国による攻撃と挑発は西フィリピン海(南シナ海)の主権と管轄権を守るわが国の決意をさらに強固にしただけだ」と指摘。「私たちはひるまない」と強調した。




中国を襲う「因果応報」 対オーストラリア高関税で代償払う

Milton Ezrati によるストーリー • 

中国を襲う「因果応報」 対オーストラリア高関税で代償払う© Forbes JAPAN 提供

因果応報を意味する「カルマ」は、多くの短編小説や映画、テレビドラマのテーマとなっている。これまで他人をしいたげて利用してきた人物が、物語の最後の方で助けが必要になったとき、過去の悪行を覚えている人々から同じ仕打ちを受けるという筋書きだ。ただこのような因果応報は、残念ながら国際関係ではめったにみられない。だからこそ、中国とオーストラリアの関係の最近のニュースは、胸がすくものだ。

話は2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に至るまでの数年間から始まる。当時、中豪の貿易関係はかつてないほど緊密だった。これは自然な流れで構築されたものだ。オーストラリアは農業と鉱業が盛んで、かたや中国はオーストラリアが提供できるものを必要としていた。オーストラリア産の石炭と鉄鉱石は活況の中国の鉄鋼産業に、綿花は中国で急成長中の繊維産業に供給された。そしてワインは、中国で急増していた富裕層の食卓を飾った。

そうした輸出と引き換えに、オーストラリアは玩具からコンピューターに至るまで、中国で製造されたさまざまな物品を輸入。豪統計局によると、2020年にはオーストラリアの輸出のほぼ半分は中国向けだった。オーストラリア経済は中国の購買力に依存していると言っても過言ではなかった。

その関係が2020年に突然崩れた。当時の豪首相スコット・モリソンが新型コロナウイルスの発生源について国際的な調査の実施を求めたところ、中国の指導部が反発。モリソンの提案に腹を立てたのか、あるいは危機を感じたのか、中国はオーストラリアに圧力をかけることを決めた。中国が自国の経済と国民を統制する際の常とう手段である指揮統制方式に従い、100〜200%、あるいはそれ以上の厳しい関税をオーストラリア産の製品に課すことで、オーストラリアを窮地に追い込むよう命令が下った。豪企業は困難な状況に陥り、新たな市場を早急に見つける必要に迫られた。

農業、鉄鉱石、ワインどれをとっても回復は痛みを伴い、高くついた。豪ワインの業界団体オーストラリアン・グレープ・アンド・ワインのリー・マクリーン最高経営責任者(CEO)が言うには、新しい市場を開拓して関係を築くために、業界関係者は「靴底をすり減らしながら営業して回っていた」。

豪企業は損失に苦しんだが、中国の高圧的な行動から数カ月後には中国に代わる輸出先を見つけた。石炭と鉄鉱石はインドで成長中の鉄鋼産業に、綿花は進歩が著しいベトナムの衣料・繊維産業に供給された。穀物生産者はさらに遠くへ製品を輸出し、サウジアラビアで利益の上がる契約も獲得した。ワイン業界は北米と日本に活路を見出した。その結果、中国へのワイン輸出額は過去最多となった2020年の7億7000万ドル(約1115億円)から昨年は500万ドル(約7億円)にまで落ち込んだ。

だが中国経済は今、3年前に中国がオーストラリアを酷い目に合わせようとしたときに考えられていたほど影響力があるわけでもなければ、傑出した存在でもない。北米や欧州、日本への輸出が減少するなか、中国の指導部は新しい貿易関係を開拓し、昔からの貿易関係を回復させることに積極的になっている。

このため中国は、モリソンの後任であるアンソニー・アルバニージーが先月行った豪首相としては7年ぶりの中国訪問を前に、3年ほど前に課した関税を緩和する考えを示した。アルバニージーは喜んでいるが、豪企業がこれを受け入れるとは思えず、政府関係者、特に中国の政府関係者は失望するだろう。豪企業の経営者らは、中国がオーストラリアとの関係を切り捨てたときのことを覚えている。すぐに脅迫的な手段に出た国との貿易に戻るために、新しい貿易関係を損なってもいいとは全く思っていない。

豪中貿易はが今後拡大することは確実で、特に中国が3年前に課した関税を緩和すればそうなるだろう。中国の経済力には、同国に最も大きく反発している豪ビジネス関係者でさえ抗えない。だが、オーストラリアの経営者全員が重度の記憶喪失にならない限り、中国のマーケットに戻るには時間を要し、2020年のように中国に依存することはないだろう。

中国の高圧的な振る舞いは、過去に何度も不利益となって自国に跳ね返ってきた。南シナ海でフィリピンをいじめ抜いたことで、フィリピン政府はそれまで消極的だった態度を一変させて、安全保障面での米国との協力関係を強めた。

2020年に中国が関税を引き上げたことで、オーストラリアが防衛面で米国や英国との協力を強化するようになったのは間違いない。中国が貿易条件で妥協しようとしなかったため、米国や欧州各国の中国に対する姿勢は、ほぼ同調的で相互協力するというものから、現在では敵対的としか言いようのないものへと変化した。こうしたことは通常、アプローチの見直しにつながるが、中国の習近平国家主席と指導部はこのやり方から脱却ができないようだ。(forbes.com 原文

フィリピンの漁船に放水 領有権争う南シナ海で

FNNプライムオンライン によるストーリー • 17 時間


フィリピンの漁船に放水 領有権争う南シナ海で© FNNプライムオンライン

フィリピン政府は、中国と領有権を争う南シナ海の「スカボロー礁」と呼ばれる岩礁の周辺で9日、漁船3隻が中国海警局の船2隻から、複数回にわたり放水されたことを発表した。

漁船は通信機器などを損傷する被害を受けたとしていて、フィリピン政府は「違法で攻撃的な行動だ」と抗議している。

一方、中国側は、フィリピン船が許可なく海域に侵入したと主張している。

中国船がフィリピン船にまた放水、衝突 「エンジンに深刻な損傷」

朝日新聞社 によるストーリー • 19 時間

中国海警局の船(右)から放水を受けるフィリピンの船=2023年12月10日、フィリピン沿岸警備隊提供© 朝日新聞社

 フィリピン政府は10日、中国と領有権を争う南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)の海域で、自国の船が中国海警局の船から放水銃を発射され、衝突されたと発表した。「エンジンに深刻な損傷を受けた」としている。9日にも放水を受けており、危険行為が連日続いている。

中国海警局の船(右下)から放水を受けるフィリピンの船=2023年12月10日、フィリピン沿岸警備隊提供

 フィリピン沿岸警備隊(PCG)によると、衝突などは10日午前、フィリピンが実効支配するアユンギン礁近海で起きた。駐屯する軍に物資を運んでいた補給船とPCGの巡視船の計3隻に対し、中国海警局の船が放水銃を発射。1隻に体当たりし、航行を妨害したという。

 公開された映像には、放水が直撃する様子や船同士が衝突する場面が映っている。9日にも、中国が実効支配するスカボロー礁沖で、漁船に補給物資を運ぶフィリピン船に対し、中国海警局の船が8回にわたって放水したという。

 フィリピンの国防省や軍などでつくる「西フィリピン海(南シナ海)タスクフォース」は声明で「違法で攻撃的な行為を激しく非難する。補給を妨げることは違法であるだけでなく、非人道的だ」と批判した。


夜が明けると中国船団に囲まれていた!フィリピン軍補給船団の〝攻防〟8時間 上空に米軍機が旋回、現場取材で感じた「本物の緊張感」

一般社団法人共同通信社 によるストーリー • 1 時間

11月10日、南シナ海のアユンギン礁に向かうフィリピンの巡視船を追尾する中国海警局の艦船(右奥)(共同)© 一般社団法人共同通信社

 米中両軍がにらみ合う南シナ海の対立の最前線、アユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)の緊張感は本物だった。11月8~11日にかけ、同礁のフィリピン軍拠点に向かう補給船を護衛する巡視船「メルチョラ・アキノ」に同行取材した。夜が明けると、中国船団に囲まれていた。まるで映画のようだった。その後、8時間にわたって続いた執拗な進路妨害。海上で威圧を張り合う危険なゲームのように感じた。

 今回の補給任務に対し中国が展開したのは過去最多の38隻。うち5隻は病院船を含む軍艦で、遠巻きに配置してフィリピン側を威嚇した。中国海警局の艦船の上空を、フィリピンを支援する米軍の偵察機が旋回し、にらみを利かせる。米国は南シナ海でフィリピンの公船が攻撃されれば防衛に加わると警告しており、偶発的衝突の恐れも懸念されている。(共同通信マニラ支局 マリカー・シンコ)

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 ▽「異例の態勢」狙いは

 私が乗船した巡視船メルチョラ・アキノはフィリピン沿岸警備隊で最大。日本の円借款で建造し、昨年引き渡された全長97メートルの巡視船2隻のうちの1隻だ。沿岸警備隊にとって日本は最重要の協力相手。同型の5隻の追加供与も受ける見通しになっている。

 海軍がチャーターした補給船2隻を拠点に送り込むため、警護を担う沿岸警備隊は今回、メルチョラ・アキノのほか、同じく日本製の44メートル級2隻を含む巡視船計3隻を投入した。これまでは44メートル級2隻だったことが多く、異例の態勢。中国側の「注意を分散させる」(乗組員)のが狙いだ。

 さらに沿岸警備隊は、中国の「極めて無謀で危険な嫌がらせ」を訴えるため、国内外のメディア16社に同行取材を認めた。補給任務でこれほど多数の報道陣を受け入れたのは初めてだ。

11月10日、南シナ海のアユンギン礁に向かうゴムボートに掲げられたフィリピン国旗を持つ沿岸警備隊員(共同)© 一般社団法人共同通信社

 ▽「戦い」前日、落ち着かぬ記者

 記者らは巡視船3隻に分乗。メルチョラ・アキノは南シナ海を臨むフィリピン西部パラワン島の中心都市プエルトプリンセサ沖の停泊地を11月9日午前9時に出発した。記者や乗組員らは携帯電話が通話圏外になる前に会社や家族に連絡しようと、電波が届く船尾に集まってきた。

 「また戦いになるだろう」。若い沿岸警備隊員が母親と思われる女性に話しかけている。「そんなこと言わないで」との女性の声が漏れ聞こえる。隊員は「でも今回はメディアも同行している。心配しないで。怖くないよ」と説得する。

 そんな会話を聞いていると「万が一、私に何か起きたらどうしよう」と感情が高ぶってきた。私も無性に家族に電話したくなった。私は前日、過去の補給任務の記録を読みあさっていた。10月には補給船団が中国の船に衝突されている。中国は今回、何をしてくるのだろうか?

 夕食時、心配で落ち着かない様子の記者らが船内の食堂に集まってきた。補給任務の同行取材を以前に経験したパラワン島の地元テレビ局記者は「怖くないですか」と聞かれ、「以前は怖かったよ。でも今はそれほどでもない」と答えた。そして「夜明けに合わせて準備を整えるのが大切だ」と教えてくれた。

 ▽異常接近

 助言は正しかった。10日未明、暗がりの中、周囲に多くの光が出現した。夜が明けていくと、中国の海警局や海上民兵の船団に囲まれているのが分かった。どこからともなく、突然やってきたかのような印象だ。

11月10日、南シナ海のアユンギン礁への途上、夜が明けて巡視船の周囲に姿を見せた中国の船団(共同)© 一般社団法人共同通信社

 「ブオーン」。艦船は警笛をけたたましく鳴らし、繰り返し立ち退きを要求してきた。アユンギン礁に近づくにつれ、中国船はさらに増え、進路の直前を横切り、挟み込むような形で妨害されることもあった。

 「30メートルです!」。巡視船の甲板を走り回る隊員は、中国の海上民兵の船の異常接近を確認し、携帯無線機に叫んで報告した。民兵の船の乗組員からはカメラを向けられた。

 「この海域から即座に離れなさい」。44メートル級の別の巡視船「カブラ」の船橋には、中国側からの無線警告が響き渡った。乗組員は「妨害は比中関係に悪影響を与える」と必死に反論したが、中国側がひるむ様子はない。「中国へようこそ」。一部の記者の携帯電話には、中国のローミングにつながったとの表示が出た。

11月10日、南シナ海のアユンギン礁に向かうフィリピン巡視船に接近する中国の船団(共同)© 一般社団法人共同通信社

 ▽ぎりぎりの計算

 中国の接近妨害は、衝突だけは避けるよう、ぎりぎりの計算をしているように見えた。挑発としか思えない。

 記者らは接近妨害や警笛などを一つ一つ記録しようとしたが、あまりにも多すぎて数え切れなくなった。上空に航空機1機が繰り返し飛来した。当初は民間機かと思ったが、実は米軍偵察機だったと後にフィリピン沿岸警備隊が認めた。

11月10日、南シナ海・アユンギン礁のフィリピン軍拠点に向かう補給船団の上空を旋回する米軍偵察機(共同)© 一般社団法人共同通信社

 沿岸警備隊によると、中国がフィリピンの巡視船3隻に発した無線警告は計172回に達した。中国海警局の艦船はフィリピンの補給船2隻を護衛の44メートル級の巡視船「シンダンガン」から引き離そうと、わずか50メートルの距離に近づいて妨害した。補給船の1隻に向け中国海警局の艦船が放水砲を使用した。攻防の末、補給船2隻はアユンギン礁にやっと到達できた。

11月10日、南シナ海・アユンギン礁のフィリピン軍拠点への補給任務の際、中国海警局の艦船の上空を飛ぶ米軍偵察機(共同)© 一般社団法人共同通信社

 ▽常駐兵士に試練

 フィリピン軍の拠点となっているのは、中国の海洋進出に抵抗するため、1999年にわざと座礁させた軍艦「シエラ・マドレ」だ。軍は兵士を送り込んで交代で常駐させ、定期的に水や食料などを補給してきた。

11月10日、南シナ海・アユンギン礁への補給任務の際、中国の海上民兵の船(左)に追尾されるフィリピン沿岸警備隊の巡視船(共同)© 一般社団法人共同通信社

 シエラ・マドレの付近は浅瀬のため、メルチョラ・アキノは近づけなかった。だが、甲板にいた沿岸警備隊員が、約80年前に建造された老朽艦が青く澄んだ水平線に見えていると教えてくれた。名前の由来となった雄大な山脈とは異なり、茶色くさびついた無残な姿をさらしていた。

 フィリピン軍のブラウナー参謀総長は10月の記者会見で、シエラ・マドレの居住環境について「悲惨だった」と認めている。「まともな寝場所や食堂」をようやく整備。インターネットが使えるようにし、兵士らは家族と連絡して孤独を紛らすことができるようになったという。

11月10日、南シナ海のアユンギン礁で、フィリピン軍拠点となっている座礁艦。赤くさび付き、老朽化している(共同)© 一般社団法人共同通信社

 ▽「死」との闘い

 だが、中国はアユンギン礁を仁愛礁と呼んで権益を主張、フィリピン軍拠点への補修資材の搬入を阻止。「朽ち果てるのを待つつもりだ」とフィリピン軍高官はいら立ちを募らせる。ブラウナー氏も「表面的な部分補修」しかできていないと語った。

 「死を待つ老人のようだった」。巡視船からゴムボートに乗り換え、シエラ・マドレ間近で見ることができた一部の記者らは、その惨状を「残念だ」と形容した。

11月10日、南シナ海・アユンギン礁のフィリピン軍拠点への任務を終えた補給船(手前左)と中国海警局の艦船(右)(共同)© 一般社団法人共同通信社

沖縄 尖閣沖 中国海警局の船 3隻いずれも領海出る

2023年11月5日 21時25分


4日から5日にかけて沖縄県の尖閣諸島の沖合で日本の漁船の動きに合わせて領海に侵入した中国海警局の船3隻は、5日夕方、いずれも領海を出ました。海上保安本部は再び領海に入らないよう、警告と監視を続けています。

第11管区海上保安本部によりますと、4日午前2時20分すぎ、尖閣諸島の魚釣島と南小島の沖合で、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行していた中国海警局の船2隻が、日本の漁船1隻の動きに合わせるように相次いで日本の領海に侵入しました。

さらに、5日午前3時20分前には、南小島の沖合で中国海警局の船1隻が日本の漁船2隻の動きに合わせるように領海に侵入し、合計で3隻が日本の領海内を航行していました。

海警局の船は、最大でおよそ39時間にわたって領海を航行したあと、漁船が漁を終えて領海から出たのに合わせるように5日午後5時半までに、いずれも領海を出ました。

海上保安本部は再び領海に入らないよう、警告と監視を続けています。

尖閣諸島の沖合で中国海警局の船が日本の領海に侵入するのが確認されたのは11月3日以来で、ことし30件目です。


尖閣諸島 国有化から11年 中国の“北方配備船” 活発化

2023年9月12日 19時21分

沖縄県の尖閣諸島が国有化されてから11年。
周辺の海域では中国海警局の船の航行が常態化しています。

NHKが船に搭載されたAIS=船舶自動識別装置が発信するデータを使って、海警局の船の動きを分析したところ、ここ数年、尖閣諸島の北側の海域での活動が大幅に増えていることがわかりました。

(社会部記者 山下達也)

尖閣諸島の北で活動する “北方配備船”

尖閣諸島周辺の海域では、去年、中国海警局の船が領海のすぐ外側にある接続水域を航行した日数が過去最多となりました。

さらに、接続水域のすぐ北側の海域でもここ数年、海警局の船の活動が確認されるケースが大幅に増えていることが関係者への取材でわかりました。

数年前までは活動が確認されない日もありましたが、このところ増えていて、ことしは4隻が同時に航行しているのが確認されたということです。

これらは接続水域を航行する船とは別で、すぐ北側まで近づいて活動するものの接続水域には入らないということで、海上保安庁内部では「北方配備船」と呼び、航行の目的を分析するとともに対応できる数の船を配備し、警戒を続けています。

複数の関係者によりますと「北方配備船」は、周辺を通る中国漁船の管理を通じて尖閣諸島付近での活動を増やしているとみられるほか、接続水域を航行する船をバックアップする目的もあるとみられるということです。


尖閣諸島の警備を担当する第11管区海上保安本部で、
ことし3月まで本部長を務めた一條正浩さんは
警戒が必要だと指摘します。

「何か意図があっての活動だと思うが、海上保安庁は惑わされず、いまの冷静な対応を継続していくことが必要だと思う。領海以外は航行自由なので国際法上の問題はないが、自分の家の前をうろうろしているような状態で警戒を怠ってはいけないと感じる」

尖閣諸島の北で何が起きているのか?


NHKは、船に搭載されたAIS=船舶自動識別装置が発信するデータを使って、中国海警局の船の動きを分析しました。

AISは、衝突事故の防止などのため、位置や速度の情報を自動的に電波で発信する装置で、通常、海上保安庁の船は警備業務などに支障が出るため作動させていません。

中国海警局の船もこれまで、日本のEEZ=排他的経済水域に入るとほぼ作動させていませんでしたがことし3月以降、尖閣諸島周辺で作動させ、位置情報などを発信するのが確認されていて、周辺海域での存在をアピールする狙いがあるとみられています。

今回、AISのデータを使って8月に尖閣諸島周辺の接続水域のすぐ北側と北西側を航行する中国海警局の船を確認しました。分析では、付近を航行する海警局の10隻の船が発信した8月、1か月分の位置情報を地図上にプロット。

水色は海上保安庁が普段、発表している領海や接続水域に入った船で、色が濃く、接続水域での航行が常態化していることがわかります。

さらに、接続水域の北側と北西側にもオレンジ色などのプロットが多数あることがわかります。

これが、「北方配備船」と呼ばれる中国海警局の新たな動きだと見られます。こうした動きをしていた5隻にオレンジ色、赤色、黄色、茶色、ピンク色を付けました。

5隻は一貫して接続水域には入らず、水色の船とは別の動きをしていることが見て取れます。

オレンジ色に注目してみると、17日ごろに接続水域の北西側の海域に入ってしばらく航行したあと、19日ごろには北側の海域に入り、かなり頻繁に行き来しながら、時折、接続水域のラインに沿うように航行しています。

中国海警局の船“海警2101” 7月の動き

さらに、赤色の船は7月にも接続水域の北側の海域を頻繁に行き来するのが確認されました。

常態化する中国海警局の活動

尖閣諸島周辺の海域では中国海警局の船がほぼ毎日確認されています。

海上保安庁によりますと、接続水域で海警局の船などが確認されたのは国有化した2012年は91日でしたが、翌年の2013年には232日と大幅に増えました。

その後、一時的に減りましたが、2019年は282日、2020年は333日、去年は336日となり過去最多でした。


また、1回の領海侵入でとどまり続ける時間も増えていて、去年12月には72時間45分にわたったほか、ことし3月から4月にかけては、日本漁船の動きにあわせるように侵入し、その時間は80時間36分におよび、国有化以降、最長となりました。

海警局と向き合う現場の実態は?

第11管区海上保安本部の元本部長、一條さんに現場の実態を聞きました。

「本部長を務めているときは急激なエスカレートはなかったように感じていますが10年くらいの長いスパンで見たときには徐々に、少しずつ、エスカレートしているなと感じています。いまは大丈夫ですが、将来は、体制の強化、さらなる能力アップが必要だと思います。海保の現場は外交問題を解決する場ではないので、新たな外交問題を生じさせてはいけない、不測の事態が起きないよう私は現役時代、『引き分けキープ』という言葉を使いました。現状を維持するということです」

一條さんには現役時代、「脅威が増しているが海上保安庁は大丈夫か」という声がたびたび寄せられたということで、そのたびに高度な装備があり、その装備をフル活用できる海上保安官がいるなどと説明したうえで、「大丈夫ですから心配いりません」と伝えたということです。
そして、一條さんは沈着冷静に相手と向き合っていくことが大切だと指摘しました。

「何か技術的にこういう手法をとればいいということではなく、常に沈着冷静でいなければならないというところが現場の苦労だと思います。エスカレートするきっかけ、偶発的に何かが起きるきっかけを作ってはいけないというのがポイントで、予想外のことが起きた時のために、精神面での準備が大事になってくると思います」

尖閣諸島で「戦争恐れず」 中国軍中将、異例の言及

12/9(土) 21:00配信

インタビューに応じる中国軍シンクタンク軍事科学院の何雷・元副院長(共同)

 【北京共同】中国軍のシンクタンク軍事科学院の何雷・元副院長(中将)が9日までに共同通信の単独インタビューに応じ、沖縄県・尖閣諸島を巡り「戦争を望まないが恐れない」と明言した。台湾武力統一に踏み切った場合、尖閣を同時に作戦対象とする可能性にも含みを持たせた。軍関係者が尖閣を巡り「戦争」に言及するのは異例だ。将来的な領有権奪取の強い意志が鮮明になった。 【写真】尖閣諸島 グーグルの表記に訂正要求

 同シンクタンクは人民解放軍に政策提言している。何氏は2012年の日本の尖閣国有化を批判し、日本側の「挑発」が続けば「中国は国家の領土と主権、海洋権益を断固守る」と強調。「中国軍の国家主権、安全、領土の一体性を守り抜く強い意志と決意、強大な力を日本は見くびってはならない」と警告した。  日中関係が不安定化する要因について、台湾問題を挙げ「中国の核心的利益に干渉するのは許されない」と語った。尖閣を「台湾省」の一部だとする中国の主張に基づいて台湾統一と尖閣奪取を同時に行う可能性について問うと「(中国主張の)道理からすればそうだ」と答え、否定しなかった。


中国海警局 尖閣周辺で日本の漁船に警告 「日本がとやかく言う権利ない」

TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー • 12 時間

中国海警局 尖閣周辺で日本の漁船に警告 「日本がとやかく言う権利ない」© TBS NEWS DIG_Microsoft

中国海警局は沖縄県・尖閣諸島の周辺を航行していた日本の漁船などについて、中国が領有権を主張する海域に侵入したとし、警告したと発表しました。

中国海警局は日本の漁船と数隻の巡視船が、9日に沖縄県・尖閣諸島の周辺を航行したことに対し、「中国の領海に不法に侵入した」と主張し、「必要な取り締まり措置を取り警告を発した」と明らかにしました。

そのうえで、「中国の管轄海域で海洋権益の保護と法執行活動を行っており、日本側がとやかく言う権利はない」と強調しました。

先月29日には習近平国家主席が東シナ海を管轄する海警局の司令部を視察し、「中国の領土主権と海洋権益を断固として守る必要がある」としていて、尖閣諸島の周辺で中国海警局の船の行動がさらに活発化することが懸念されています。

「台湾侵攻と同時に尖閣奪取」中国中将の発言は本当か 「核心的利益」という野心が浮き彫りに

まいどなニュース の意見 • 

習近平氏(新華社/共同通信イメージズ)

共同通信が最近報じた記事によると、中国軍のシンクタンク軍事科学院の中将は12月9日までに共同通信からの取材に対し、尖閣諸島を台湾省の一部と位置づける中国の論理に従えば、台湾侵攻と当時に尖閣奪取に出る可能性があると言及した。また、同中将は尖閣諸島を巡る戦争は望まないが恐れないと明言し、日本側の挑発が続けば中国は主権と領土、海洋権益などを守り抜くため容赦せず、台湾問題など中国の核心的利益に干渉することは許されないと日本を強くけん制した。

今年、日中の間では半導体輸出規制や日本産水産物の全面輸入停止など貿易摩擦が拡大したが、安全保障面で中国軍の幹部が戦争に具体的に言及するのは異例だ。しかし、中国が本当に台湾侵攻と同時進行で尖閣奪取に出る可能性はあるのか。今日、中国軍に台湾侵攻を円滑に実行できる段階ではないとの見方が専門家の間では有力で、今回の中将による発言についても様々な意見があるかもしれない。だが、中国の核心的利益という文脈から判断すれば、その可能性は十分にあると言えよう。

核心的利益とは、簡単に説明すれば中国が絶対に譲ることのできない利益で、具体的には新疆ウイグル、チベット、南シナ海、香港、台湾、そして尖閣がこれに当たる。そして、中国共産党は建国以来、核心的利益を着実に自らの支配下に置くことに成功している。イスラム教徒が多い新疆ウイグル自治区では、長年イスラム教徒による反発やデモが発生してきたが、中国当局はウイグル族への弾圧や監視を徹底し、今でも数百万とも言われるウイグル人が強制労働を強いられている。新疆ウイグル自治区では反政府的な動きは鎮圧され、ウイグルの中国化は完結しているような状況だ。

それは、チベット自治区でも同じで、現地の学校ではチベット語ではなく中国語の教育が徹底されるなど、チベットの伝統や文化を配慮しない中国化が進んでいる。そして、南シナ海では領有権を争うとベトナムとフィリピンとの間で紛争が続いているが、人工島や軍事滑走路の建設、行政区の設置など中国による実効支配の既成事実化が進み、香港では国家安全維持法の施行、民主派の政治的排除などが拡大し、香港の中国化も進んでいる。

要は、今日の習政権の解釈からすれば、自らが位置づける核心的利益の中で、新疆ウイグル、チベット、南シナ海、香港については既に解決済み、もしくはこのままいけば解決という状況で、残りは台湾と尖閣なのである。そして、今日の習政権は香港で成功を成し遂げたという勢いで、今後は台湾だという強い意識がある。だが、仮に台湾本島のみを目的とした軍事侵攻に出た場合、中国を警戒する日本や米国が尖閣諸島を保護するべく、尖閣周辺で防衛行動を強化することが考えられる。そうすれば、事実上中国の核心的利益である尖閣諸島を支配下に置くことは難しくなる。

中国もそのシナリオは既に承知済みかもしれないが、台湾と尖閣の双方を支配下に置き、中国の描く核心的利益の完結のためには、台湾侵攻と同時に尖閣奪取に出るしか方法はないだろう。今回の中将の発言をどこまで真剣に考えるかは人それぞれかもしれない。しかし、核心的利益という文脈から考えれば、その可能性は極めて高いと言わざるを得ない。

◆治安太郎(ちあん・たろう) 国際情勢専門家。各国の政治や経済、社会事情に詳しい。各国の防衛、治安当局者と強いパイプを持ち、日々情報交換や情報共有を行い、対外発信として執筆活動を行う。

参考文献・参考資料

フィリピンと中国が非難の応酬、南シナ海の船舶衝突巡り (msn.com)

中国を襲う「因果応報」 対オーストラリア高関税で代償払う (msn.com)

フィリピンの漁船に放水 領有権争う南シナ海で (msn.com)

夜が明けると中国船団に囲まれていた!フィリピン軍補給船団の〝攻防〟8時間 上空に米軍機が旋回、現場取材で感じた「本物の緊張感」 (msn.com)

沖縄 尖閣沖 中国海警局の船 3隻いずれも領海出る | NHK | 尖閣

尖閣諸島 国有化から11年 中国の“北方配備船” 活発化 | NHK | 尖閣

尖閣諸島で「戦争恐れず」 中国軍中将、異例の言及(共同通信) - Yahoo!ニュース

中国海警局 尖閣周辺で日本の漁船に警告 「日本がとやかく言う権利ない」 (msn.com)

「国際法違反」と中国を非難 比大統領、南シナ海妨害で (msn.com)

中国船がフィリピン船にまた放水、衝突 「エンジンに深刻な損傷」 (msn.com)

「台湾侵攻と同時に尖閣奪取」中国中将の発言は本当か 「核心的利益」という野心が浮き彫りに (msn.com)

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