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紹介したいお豆がありまして…。

こんにちは、NPO法人つむぐです。

いきなりですが、みなさんに食べてほしい、紹介したいお豆がありまして、今回はその話を書こうと思い立ちました。ただの自己満足じゃん、って感じですが、ぜひお付き合いください(笑)。

どんなお豆かというと、熊本で農業を営むわたしのおじいちゃんとおばあちゃんがつくっている、通称「きんきらまめ」。たぶん、名前を聞いたことさえないという方がほとんどだと思います。この機会に、ちょっとでも「きんきらまめ」のことを知って、興味を持っていただければうれしいです。

「きんきらまめ」とは何か?


「きんきらまめ」は、ひとことで言ってしまうと「乾燥させた納豆」です。わたしは、幼少期から「きんきらまめ」と呼んでいました。わたしの家族は、昔からみんなそう呼んでいます。
一般的には「こるまめ」と呼ばれることが多いようです。熊本に古くから伝わる郷土食として、熊本県内の物産館やネットで販売されています。

もともと納豆ではあるのですが
「ネバネバしていて、つやつやのお豆で、やわらかい。」
このような私たちが普段目にする「納豆」とは、見た目もまったく違います。

《きんきらまめの特徴》
その1、白い。
その2、かたい。
その3、表面カサカサ。
その4、納豆よりも圧倒的に長く日持ちする。

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そして、ここでもう一つ、「きんきらまめ」最大の特徴をお教えしましょう。

それは、

その5、普通の納豆をはるかに超える強烈なにおいをもつ。

ということ…。

おじいちゃんとおばあちゃんは、大切に育てた自慢の野菜たちといっしょに、こちらも同じく大切に加工したきんきらまめを段ボールに詰めて送ってきてくれます。段ボールを開けた瞬間、きんきらまめの袋を震源に、容赦なくにおいが充満します。(袋は密閉されているはずなのに…。)そのくらい強烈です。普通の納豆のにおいもダメ!という人にはちょっときついかもしれません。

ちなみに高校時代、わたしは学校にきんきらまめ入りの瓶を持っていき、蓋を開けては興味のある人に、きんきらまめのにおいを嗅がせて回り、数人を悶えさせたことがあります。中には、「え!これ好きかも!」と言ってお弁当のごはんにかけてた子もいましたが。

なかなか地味にワルでした。この場を借りて謝ろうかな…みんな…その節はごめんね(笑)。

きんきらまめができるまで(うちの場合)

わたしのおじいちゃんとおばあちゃんが、きんきらまめをつくっているといっても、ただただ納豆を乾燥させているだけではありません。ふたりのもとで、長い時間手をかけてもらって、「きんきらまめ」は「きんきらまめ」になれるのです。

まずは、大豆をつくるところからはじまります。

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無事に大豆になると、次は藁に包まれて納豆になります。

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そこからさらに日向ぼっこをしてさらに時を重ね、やっと、きんきらまめになるのです。

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日向ぼっこをするきんきらまめたち(写真:伯母提供)

(※かなり簡略化した説明です。このほかに味付けなども行います。)


「きんきらまめ」=「こるまめ」の意外な歴史

一般的には「こるまめ」と呼ばれているきんきらまめ。「こるまめ」と検索すると、そもそもの起源・意外な歴史を知ることができました。

なんと!その歴史には、馬が登場します!じゃん!!

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「こるまめ」の起源は、文禄の役で加藤清正率いる熊本部隊が朝鮮に出兵した時、偶然食べ残した煮豆と干し味噌が、馬の体温で発酵してできた「香ばしい豆」にあり、やがて「香る豆」が「こるまめ」に変化したといわれています。
くまもと手しごと研究所 こよみを楽しむ豊かな暮らし「熊本の伝統の納豆『こるまめ』のお話」より抜粋)

朝鮮出兵のさなかに起きた、食べ残しと馬の体温による発酵という偶然の重なり。それを「あっ、腐っちゃった。捨てよう。」ではなく、食べてみちゃった加藤清正。
こうして、ひょんなことから生まれる食文化もあるんですね…。そして文禄の役から400年あまりたった今でも、かたちを変えつつ歴史がつながって、「こるまめ」が熊本の味として愛されているというのは、なかなか凄いと思いませんか?

おわりに


今回は、私が小さい頃から食べていた「きんきらまめ」のお話を書かせていただきました。幼い頃から、あまりにも身近で普通に口にしていた食べ物だったので、多くの人が知らないと聞いた時とても驚いたのを覚えています。

みなさんの周りにも「普通に食べていたけど、意外に自分の地域や家庭独特のものだった!」という食べ物はあるでしょうか?

ぜひコメント欄で教えてください\♡/


また、旅した時など、どこかで「きんきらまめ」「こるまめ」と出会ったときには、このnoteを思い出して(勇気を出して)ぜひ味わっていただきたいなあ~と思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!


【参考】

くまもと手しごと研究所 こよみを楽しむ豊かな暮らし「熊本の伝統の納豆『こるまめ』のお話」


*この記事を書いた人*

はるか

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