📕あぁ。いいなぁ。百人一酒。

俵万智著『百人一酒』を読みました。

あとがきで知ったけど、100のエッセイになる予定が108なのだそう。
今は訳あって禁酒中。あえてこんなエッセイを手に取るドMな私…笑

お酒好きなんですよ。
今飲んでないけど、やっぱりお酒と美味しいものが大好きで。
実家の人間がそうなので、私も例に漏れずそうなのです。
なんのお肉になんのお酒とか、何から飲むとか、どういう順番で飲むとか
結構うるさい家に産まれたもんで、
私はそれが普通だと思ってきたけど
最初は夫に驚かれたっけ。

ま、決してお金持ちの家ではないので
高いワインとかには縁が無いし
安いお酒もホクホクと飲むのんきな一家だけどね。

私の結婚式の時(とは言っても、かなりこぢんまりとした食事会みたいなもの)
食いしん坊の父が肉料理に一向に手を付けない。
あれ。娘の結婚に胸がいっぱいなのかしら。と思いきや
「赤ワインが来るまでは食わん」
夫のお母さんが若干引いていたような気もする。笑
それまで魚やオードブルに白ワインをあわせてかぱかぱ飲んでたくせに、
肉が来た途端給仕さんが勧める白ワインを断っていた。

まあ、銘柄に詳しくもないし立派なお酒にはとんと縁がないので、
私(たち一家)は酒好きというよりは、食い好きからの酒好きなのかな。
俵万智さんのエッセイを読んだら、この人は根っからの酒好きだ!と思った。
私達とはちょっと路線が違う。笑

こんなに色々詳しかったり、
詳しいご友人がいたらますますお酒が楽しそうだなあ〜。

私以外にもこういう印象を持っている人いると思いたいんだけど、
俵万智さんってサラダ記念日が有名で、
ああいうほっこりとした幸せな短歌をたくさん作っている方という印象から
人柄ものんびりまったり、酒とのイメージが決して近くない人だと
勝手に思っていたのね。(偏見。すみません)

いやー、いい意味でギャップからの始まりでした。
飲んでみたいから、という理由で、お酒を1口頂戴、とする
おこちゃまだったようだけど、その時点で今の時代には考えられないけど(笑)それを何人もの親戚に言えばいっぱい飲める!という発想を持っているのがすごい。そして、弟の意志を無視して弟にも同じことをさせるのもぶっ飛んでいる。お陰で弟さんは結婚するまでお酒嫌いだったんだとか。
(酒好きの姉を軽蔑しながら、彼女の影響でお酒を飲むようになったのもまた面白い。)
ちなみにこれは20年前のエッセイで、俵さんが実行したと思われる時代もおそらく今から50年以上前の話だと思うので、おおらかな気持ちで読んだほうが良いと思います。笑

ちょっと話それるけど、
まぁ人に迷惑かけた系の話はあまり大きな声で言わない方がいいと思うけど
子供のいたずらとか、笑って流せる程度の失敗談(?)とかも
今って簡単に炎上しちゃうじゃない。
なんとなく窮屈だよね。
不倫とかも肯定派じゃないけど、今ちょっと騒ぎすぎでは??と思ったりするのは私だけかな。
だって私ら当事者じゃないし。
なんか、人って正しい生き方ばかりじゃないし、
それで誰かに迷惑かけることはあるし
それは謝罪しないといけないけど
みんなそんなに潔白に生きてるのかな〜…
潔白でないといけない!過去も今も!みたいな世の中って
間違ってはいないかもしれないけど
それってうっかり道外したら軌道修正できなくなって
自分の首を絞めることにはならないのかなぁと漠然とした不安を感じる。

まぁ、話がそれましたが
案外この俵さんのエッセイはぶっとんでますよって言う話。笑

とにかくこの素敵な酒のエッセイを見たら
早くお酒が飲みたいなぁぁあ…となった。
高級なお酒は飲めないかもしれないけど、
「貧乏人のシャンパン」という白ワインをソーダで割る飲み方や、
ビールをソーダで割る「パナッシュ」が気になった。
あと、食後にたらたらシェリー酒やりたいなぁ
以前スペイン料理屋で飲んだっけ。
今お酒飲まないと、食べ終わったら速攻帰る感じちょっとさみしい。

高級だと思うけど
アイスワインがとても気になった。ぶどうを収穫するのを、霜が降りるまで
待って、乾燥させてから摘み、当然貴重な果汁だから、とっても高いみたいなんだけど。今飲めるのかしら。一体いくら出すのかな…

バーでバイト(生活のためというより夢だからとのこと)
していた時、おつまみあれこれ出しても、
結局旬の花わさびが一番ウケたり。
花わさびとお酒って最高だよね〜春だな〜
今から一番遠い季節に思いを馳せる。

お酒を飲むことは、歴史や時間を飲むこと。
やはりこの方はただの酒好きではなく、
素敵な描写もたくさんあって、スルスルと読めた。
欲を言えばお酒を飲みながら、がおすすめ。

タイムリーだが、北陸新幹線の開通した駅が増えたこのタイミングで
福井がそば処だと知る。
30代になったら突然蕎麦好きになった。
いつか北陸の旅で蕎麦と蕎麦焼酎きめたいなぁ。

美味しいものに思いを馳せ、
お酒を飲みたいなぁという気分にさせてくれるエッセイ。
週末におススメです。


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