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レンタカー24時間乗り放題

いつも雰囲気だけで乗り切ろうとすると、いざお堅い立食パーティーに誘われた時に自分の品の無さを目の当たりにすることになる。ただ立食パーティーに行くまでは誰もその事実には気付かず、先人と同じ後悔を繰り返すのが人の性である。

信号待ちと言う生まれた時から避けられない確定している待ち時間にふと街を見回せば、バカが作ったような安さだけが売りのレンタカー屋ののぼりが目に入る。

「レンタカー24時間乗り放題2000円!!」

2000円って安すぎやしないかと驚くほど私は常人ではない。いや、正確に言えばその安さには人並みに驚いた常人が、ワンテンポおいてnoteと言う場で文字起こしをするからこそ生まれる余裕を振りかざしている虚栄心の具現化である。

私が気になったのはレンタカー屋の謳い文句で使われる「乗り放題」と言う言葉だ。

なんだよ、乗り放題って。そりゃ24時間借りれば24時間は乗り放題だろ。適当に言葉を並べて、雰囲気だけで乗り気そうとするな、ボケが。バカバーカ、出直してこい、クソが。

取り乱した事に関してはここで謝罪するとして、この「〇〇し放題」という言葉は案外世間に紛れている。しかしみんなはこの違和感には気付かず、その外来種は上手く世を忍んでいるのである。

「歌い放題」、「遊び放題」、「楽しみ放題」、終いには「お一人様5個まで食べ放題」とか言い出す。それはもう食べ放題ではないだろ。

「○○放題」とつけた方が購買意欲か上がって売上増加に繋がるとかがマーケティングの分野であるのだろうか。どうせそんな格好良くて知的な理由なんてなくて、眠気と共に開催された午後の会議で「あーじゃあ24時間乗り放題でいこう!」とか言ったお偉いさんの言葉が、それを取り巻くイエスマンの「それめっちゃいいですね!」に運ばれて、私の目の前までたどり着いたのだろう。

普段何気なく目にする言い回しや、CMの構成からセリフまで、全てにおいて大の大人が寄せ集まって知恵を絞り、意見を交わした上でGOサインが出たものであると考えるととても信じがたい世界である。

時間とお金と人というリソースを払ったのならば、もっと素晴らしい世界に出来たのではないだろうか。

そんな事を考えていたら信号がまた赤になってしまった。

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