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南国の蜜


色々な甘味

タイ語で”砂糖”という言葉はナムターンです。
そして茶色はシー(色)ナムターン(砂糖)。
きっと砂糖は昔は茶色が当たり前だったということですね。
今では色々な種類の砂糖・甘味料が使われています。

とはいえ、タイでも一般的によく使われるのは白糖です。
白糖はナムタンサーイといい、
”透明な・透き通った”砂糖という呼び方をされています。

私がこの土地で使う甘い調味料には
大きく分けると3種類あります。

  • ココナッツシュガー

  • 黒糖(サトウキビのしぼり汁を煮詰めてそのまま加工しない状態)

  • 純正蜂蜜

です。我が家では白糖は使わず、料理の種類や食べ方で上記3つの甘味を使いわけています。

上:ココナッツシュガー
下:黒糖

ココナッツシュガー/ナムターンマプラオ

ココナッツシュガーはタイ料理では甘さを出すために使われる基本的な甘味ですが、砂糖に比べて高価なため、今ではほとんどの料理に砂糖が使われています。でも、この料理には絶対にココナッツシュガーを使わないと!という料理もあります。例えば、ソムタム/パパイヤサラダ。
特に加熱処理をしない料理にココナッツシュガーはとてもその特徴が活かされ、甘いだけではない味が引き出されるのです。

それによって引き出される甘味は、
「柔らかい甘味で、コクがある。でも後味がさっぱりとキレる。」
といった印象です。

私はピクルスを作る時には必ずココナッツシュガーを使います。
仕上がりの味が全く違うんです。
タイでは小さな商店やスーパーマーケットに行けば、どこででもココナッツシュガーは手に入りますが…大抵それは白糖と混ぜられたもの。偽物とまでは言いませんが、全く違う代物です。
純正のココナッツシュガーを手に入れるには、信頼のおけるお店や人を見つけることが大切。今ではネット販売で直接生産者さんから購入できるようになったのは嬉しいことです。

黒糖/ナム(タン)オイ

黒糖は我が家で使う一番基本的な”砂糖”です。
スーパーでもサラサラの砂糖の状態でパックにはいっている黒糖が手に入り、ココナッツシュガーよりも断然お手頃価格で手に入れられます。
我が家では煮込むものなどは特に黒糖を使いますが、料理によってはやはり”黒”糖というくらいですからうっすらと茶色がかった色ついてします。
それで普段は困ることはないのですが、例えばグリーンカレーを作るときはグリーンというよりもお抹茶色になってしまいますが、白糖が体質に合わないのと、そして何より美味しいのでやめられません。

特にお気に入りの黒糖は、ブロック状のままで販売されている手作りの黒糖です。よくマーケットなどのミャンマー人の方のお店で販売されていて、私は見つけると買ってしまいます。

ブロック状の黒糖は、純粋にサトウキビを絞って煮詰めて型に入れて固めた状態のものなので、スーパーで売られているサラサラ状態のものよりも”キャラメル”のような香ばしい香りがしてとても美味しいのです。
ブロック状の黒糖は硬く、使うときは少し割ってからお湯で溶かします。

我が家では主に、ハーバルジュースやタイのお菓子を作る時に使います。
レモングラスやライムのジュースがお気に入りです。寒い季節には、ホットレモンに入れると美味しいです。
ハーブの香りを引き立ててくれる砂糖だと思います。

純正蜂蜜

私はタイに来てから、蜂蜜の味がこんなにもそれぞれ違うものだということを知りました。花の種類、蜂の種類、場所によって色も味も全く違うのです。そして、安い蜂蜜は砂糖で作られたシロップが混ぜられているということも。

一昨年、タイの蜂蜜のワークショップを受ける機会に恵まれて何種類もの蜂蜜の味比べをさせていただきました。
もちろん基本は”甘い”のですが、その甘さの種類、インパクト、香り、酸味、苦味、渋み、など味がそれぞれ違うのです。
スーパーやデパートでももちろん購入することはできますが、私たちは農家さんが直売する蜂蜜を買うのが好きです。

そういった蜂蜜は大概タイのお酒の瓶を再利用されて売られています。
販売者と話をして、匂いを嗅がせてもらったり、ボトルを傾けて色ととろみ加減をみたりして様子を見ます。
こういった販売方法をしている農家さんは、自然の純正蜂蜜なのでたくさんの量は売れません。貴重な蜂蜜をとるのはとても大変な作業なので、なかなかお値段のはるものです。
そして、値段はその売り手さんの独断です。
時には驚くほど高かったり、驚くほど安かったりもします。

左:村のコミュニティーでラムヤイの花で育てている蜂蜂蜜100%
右:リス族が森で採るワイルド蜂蜜100%

私たちはバイクで色々なところに行くので、その時に見つけた純正の蜂蜜は見つけた時に買うことにしています。
上下の写真の右側の黒い蜂蜜は、リス族の方から購入した蜂蜜です。喉の奥に染み渡るような、深い甘味で、少しの酸味と少しの苦味があり、まるで”薬”のような感じもします。こんなに美味しい蜂蜜を買ったのは初めてでした。昨年買った時には2本だけ販売されれていて、私たちは1本のみ購入しました。後になって、「やっぱりもう一本買っておけばよかった」と思いましがたが、時はもうすでに遅し。
次にこのリス族の方が販売しているを見かけたら、絶対に数本買います。

蜂蜜は腐らないので、このリス族の蜂蜜は大切に小瓶に分けてとっておいてます。

味が本当に全く違うハチミツ。
ワイルドな環境で作られたハチミツは、どことなく薬のような味。

ラムヤイの花の蜂蜜が、一番オーソドックスな味で価格も手頃です。

私たちは自然な形で蜂が生息している場所で採れる蜂蜜が好きです。酸味と香りが際立ち、まるでその蜂がいた森が想像できるかのような味だからです。

純正の蜂蜜はアレルギー体質の方は食べられません。食べた後に湿疹が出てきてしまったりするので、気をつけてくださいね。
アレルギーがなくても食べ過ぎは禁物です。整腸作用があるので、食べ過ぎるとお腹の具合が悪くなってしまうのです。

いい蜂蜜を毎日ちょっとだけ嗜む。

毎日のちょっとした楽しみになっています。

私たちは毎朝大さじ一杯の蜂蜜をオートミール粥に入れて食べています。

タイに来る前は、こんなにも砂糖/甘味料の種類がいろいろあり、味やその性質を活かす調理の仕方がるということを知りませんでした。
もし、お住まいの国でもこの3種類の甘味が手に入るようでしたら、どうぞ試してみてくだださい。面白いですよ。

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