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何故グロいものを見たくなるのか

初めて「グロコンテンツ」に触れたのは小2の時だったと思う。
「キャトル・ミューティレーション」という現象がある。牛や馬など家畜が、内臓や血液を全て抜き取られた異様な死体で見つかるもので、UFOの仕業だと言われている。
その死体の写真が子供向けのオカルト系本に掲載されており非常に恐かった。倒れた牛の腹部が丸く切り取られているのである。グチャグチャになっている訳ではないのでそこまでグロくはないのだが、一応グロコンテンツに入ると言えば入るだろう。


次は小4か小5の時だ。イスラム国による日本人ジャーナリスト殺害事件があった。テロリストにナイフで斬首される訳だが、その事後の画像を私は家族共用iPadで見たのである。わざわざ検索したわけではないかもしれないが「グロサイト」にアクセスして閲覧した。それを見て何とも言えない気分になった。恐いというよりは、人間が「異常な形」になっている訳なので不気味だと思った。

履歴か何かでそれが親にバレてしまった。「フィルタリングをかける」と言われた。
親の心境がどのようなものだったかは分からない。ただ、自分の子供がこっそり見ていたものが「エロ」だった場合より「グロ」な方が親としては心配になるのではないだろうか。エロは突き詰めていくと「生」に直結するがグロは「死」に結びつく。また、エロに興味を持つのは誰もが通る道である。


以前「検索してはいけない言葉」にハマってしまい、グロ画像や動画をよく閲覧していた。腐乱死体、拷問動画とかそういうやつである。特にグチャグチャになっていたり、原型を留めていなかったりするものは精神的ダメージが大きい。

そう、精神的ダメージを受けるのだ。
決してグロい物を見ても全く何とも思わない訳ではない。寧ろあまり見たくないのだが怖いもの見たさで見てしまう。

ちなみに「流血系」より「腐敗系」の方が苦手である。多分女性は月経が定期的にあるので割と流血系に耐性がある人が多いのではないだろうか (自分は男性ではないので男性はどうなのか分からないが) 。腐敗系の方が「気持ち悪い」と思う。


最近は「ゴア映画」をたまに観る。別の言い方をすれば「スプラッター映画」だ。暴力・流血表現が激しいホラー映画で、殆どがR18指定。もちろん精神的ダメージは多少あるが、それを味わいたいがために観ているような気もする。ある種のマゾ的行為だろう。


「グロい動画や画像、映画は一切見るな。精神を汚染する。可愛い動物の動画だけを見ていろ」と元フォロワーに言われ続けたことがある。確かにグロはあまり健康的とは言えない。グロコンテンツのバックにあるのは「死」「苦痛」である。
実際に、グロ動画を見ると鬱をはじめとした精神疾患になるとか、そういうエビデンスがあるのかどうかは知らない。ただ実際にエビデンスがあったとしても、全ての人が絶対に鬱になる訳ではない。グロ動画で鬱になる人は元々そういう素質があるのだと思う (素質という表現は若干不適切かもしれないが、他に言葉が見当たらない) 。
そもそもその忠告をしてきた元フォロワーはストイシズムを蒸留したような変人で、グロだけでなくエロまで根拠なしに全否定するような人だった。ちなみに男性である。そんな奴の言うことをホイホイ聞く必要なんてないだろう。おかしなことに何の疑問も持たずに (又は疑問を持ったとしても) 大人しく従っていたら判断力を失った順応主義者に成り果ててしまう。

話が逸れてしまった。私の結論としては、別にグロい物を見たくなれば好きにすれば良いと思う。少しぐらいはそういった刺激があっても良いだろう。
グロが好きなのは、絶叫マシンが好き、心霊モノが好き、激辛が好き、と同じような物で、単なる嗜好である。
凄惨な処刑シーンを見て「自分も人にこういうことをやってみたい」と思って実行したりしたら流石に問題だと思うが、非日常的な深淵を覗いてみたいと思うのは人間として当たり前である。生命がある以上いつか死ぬので、「死」周辺のものには関心があって当然だ。

好きなら見ればいい。ただそれで精神的に消耗しても自己責任である。結局「自己責任」だ。 
グロいものを見たくなるのは「非日常的な未知領域だから」という理由が大きい。日常的に暴力が蔓延るソマリアに住んでいたら、進んでゴア映画を見たいとはあまり思わないだろう。

noteの新エディタが非常に使いにくくストレスを感じながら書いた。

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