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“わたし”が紡ぐ虚の物語

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わたしという存在の片鱗。 ちょっとした余白にメモする感覚で書いています。 【タイトル変更履歴】 『嘘つきは作家のはじまり』⇒『わたし世界』⇒今
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2017年2月の記事一覧

午前五時半の住人

午前五時半の住人

 久しぶりの早起きに成功した、午前五時半。
 ここ一週間は、登校する子どもたちの声が聞こえてくる時間帯に起きていたから、窓の外でまだ朝が息をひそめている感じが懐かしかった。
 まるで、その時間帯にはその時間帯の住人が存在するみたい。
「ただいま、戻ってきたよ」という気分で、再び夢の中に落ちた私は、結局、九時前に目を覚ましたのでした。

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白か黒か

白か黒か

 いま、まさにこの瞬間に体感していることを書くと見方が偏ってしまう。だけど、いましか書けない不安定な感情がある。
 そんなわけで、とりあえず心が反応したことはなんでも細かくメモすることにしている。

 メモするのに夢中で彼氏の話が上の空になることも多い。
 たまに、彼が「なにしてんの?」とのぞき込んでくる。読まれるのは恥ずかしいから当然、隠す。
 すると、「いまの反応は怪しい」と浮気を疑われてしま

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フル稼働の日

フル稼働の日

 妙に頭が冴えているときというのがある。
 いつもはもわもわ~んとこんがらがった塊で出てきた言葉を、一度解いてから組み直して文にしてる感じなのだけど、冴えているときは、ほぼ完成された文章が直接頭に浮かんでくる。
 そういうときは、私はただそれを書き留めていけばいいだけなので、とても楽だ。俯瞰したり表現に工夫を加える余裕も出てくるから、全体的な完成度も高くなる。
 そんな日は、仕事も約束もすっぽかし

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