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“わたし”が紡ぐ虚の物語

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わたしという存在の片鱗。 ちょっとした余白にメモする感覚で書いています。 【タイトル変更履歴】 『嘘つきは作家のはじまり』⇒『わたし世界』⇒今
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2017年12月の記事一覧

「やってもいいこと」の幅が一気に広がった

 今年も余すところあと約三週間。ここ一年を振り返ってみて感じるのは、「できることが増えたなあ」ということ。これは単純に能力が上がったとか技術がついたという意味ではなく、「やってもいい」と自分に許可できることが増えたという意味だ。  

 たとえば、誰かに対して不愛想でいること、相手の期待(優しくしてほしい、とか、共感してほしい、とか)を振り切って自分の思うままに振る舞うこと、恋人に感情をぶつけるこ

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恋愛小説、解禁。

「恋愛小説」というカテゴリーを否定するようになったのはいつからだろう。たぶん、小説家になることを意識し始めたころに、ネットか何かで「恋愛小説はすでに飽和状態に達している」的な記事でも読んだのだろう。

「恋愛を扱った作品なんて掃いて捨てるほどあるし、テーマとして平凡すぎる。書いても需要がないし、くだらない」

 そう、自分に言い聞かせるうちに、いつのまにかその考えは無意識レベルにまで浸透していた。

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「いまの自分の力量でうまく表現できないこと」に突っ込んでいく勇気

 岡本太郎さんの「今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。心地よくあってはならない。」っていう言葉の意味が、いまやっと腑に落ち始めている。
 新しいことに挑戦し続ける限り、完成した作品には試行錯誤の跡が生々しく残ってしまう。だから、きれいで心地よいものにはなり得ないんだと。

 文章だってそう、本当に伝えたいことを全力で伝えようとしたら、どうしても表現がしっくりおさまらない

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この中、ここに棲みついた獣がいま、眠りから覚めて

 ここ数カ月、あまり休むことなく作品を書き続けてきたけれど、今、ここで立ち止まり振り返ってみると、「書きたいもの」よりも「自分に書けるもの」を追いかけてきた自分が見えてきて、「だからこんなに手ごたえがないのか」と妙に納得してしまった。

 いろんな制限を解いて書きたいものを書くために、「今の自分にできるやり方で形にしよう」と決めたのだけど、いつのまにか意識が「自分に書けそうななテーマを探す」という

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