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手段の目的化

風邪をひいて練習を一日休んだ。

練習を一日休むと私自身が分かる。二日休むと批評家に、三日休むと全ての人に分かってしまうという有名な言葉がある。他人の評価が全てという音楽ビジネスならではの言葉だが、裏を返せば自己評価や自身の向上意欲、好奇心などとは無縁なわけで、私は昔ほどこの言葉に怯えなくなったと思う。

ただ先日ご紹介した通り、6週間以内に全ての曲をおさらいするのが目標で一日平均して14曲はさらわないといけない。休んで遅れが出ることは気になる。

事実、一昨日まで達成率91.7%だったのが、一日休んだら85.6%にまで落ちてしまった。

いつものやり方で風邪は治すことができたが、夕方になってしまったので練習時間があまりない。今すぐ練習開始すれば3時間は練習できるが、それだと日が暮れてしまうので、今日は散歩を優先することにした。

すっかり秋の空になったNY。これから更に日照時間が減っていくので、積極的に日光を浴びて免疫力維持と鬱病対策をしなければ。

小一時間散歩してから練習開始。誰かに言われたわけではないが、自分で8時音禁と決めているので2時間弱の練習時間。曲目はリストから古い順に行くことにしているので、簡単な曲が多い日は沢山消化できるが、今日は難しい曲が入ってしまったので8曲しかできなかった。

"Here's That Rainy Day"
"Oleo"
"Reincarnation Of A Lovebird"
"St. Thomas"
"Cheek to Cheek"
"Pinocchio"
"Question And Answer"
"Nostalgia"

達成率は87%までしか回復できなかったが、今日はこれで良しとする。いつもと同じペースで事が運ぶことに固執しては行けない。達成率を上げる為だけだったら、難しい曲は迂回して曲数を増やすことはできる。しかしそれだと名言を残してこの世を去った友人の「手段のためなら目的は選ばない人」になってしまう。

私が今この方法を取る目的は運指の異なる3つの楽器の持ち替えをどの曲でもスムーズにできるようになることである。上の8曲のうちまだ3曲ほどは実用に耐えない(特にバスクラリネットでは)のだが、焦らずじっくり取り組んだおかげで、思ったよりも指が覚えていて前回よりも楽になってきた実感が得られたのは良かった。

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