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イタリア旅の記録(仮)

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珈琲 綴を休業して、イタリア周遊をしているごく個人的な記録。なるべく、そのままを。(仮)
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ピッツァを食べに、ナポリ

ピッツァを食べに、ナポリ

 ナポリは1泊しかしていない。以前の印象やいろいろな情報で治安が悪いというのはわかっていたし、目当てはひとつしかなかったから、そこまで時間をかける必要もないと思った。
 しかし終えてみるともう1泊したかったな。

 目当てはナポリピッツァの名店、ダ ミケーレ。
 以前行って、ローマのカルボナーラやティラミスとともにイタリアで美味しくて驚いた料理スリートップのうちのひとつ。
 たまたまだけど、今では

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12年前の旅路を辿る旅、ローマ

12年前の旅路を辿る旅、ローマ

 この旅行は、体としては新婚旅行。しかし、まあ、新婚ではない。籍を入れてからもう丸3年以上経っている。式でいえば1年以内ではあるけれど、それ以降で旅行(キャンプ1泊だけど)はしてしまっている。
 しかしもちろん嘘ではない。
 自分たちの新婚旅行というものがあるとすれば、それは何か行く意味があって、今行く必要があって、海外旅行なのだ。たぶん何年後になっていても海外への旅を新婚旅行と呼んでいたと思う。

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ヒトリバールバンコデビュー、フィレンツェ

ヒトリバールバンコデビュー、フィレンツェ

ツレが仕事のため、分かれてひとりで動く日。
珈琲屋にリモートでできる仕事など無いので、ただ街を徘徊する以外にやることはない。 
 
誰かと一緒に旅するのはとても楽しくて、有意義で、安心する。
口に出して感情を表すことはけっこう大切で、嬉しいときはもっと嬉しくなるし、ショッキングなことがあったときは少し冷静に、落ち着ける。
ひとりだと一皿分しか食べられないパスタを二皿分食べられる(味わえる)から、そ

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郊外のワイナリーへ、フリウリ

郊外のワイナリーへ、フリウリ

ヴェネツィアを出て向かったのは、その東、スロベニアに隣接したフリウリ郊外の街コルモンズ。
フリウリはワインの名産地らしく、このあたりはワイナリーがたくさんある。列車の車窓からも葡萄畑がいくつも広がっていた。季節が違えば低木に葉がついて一面に緑の絨毯が敷かれていただろうなあ。
ツレはワインが好きだけれど、私はお酒が弱い。
しかしヴェネツィアのバーカロで良いお酒時間を過ごしてワインが美味しく感じたし、

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水の都、ヴェネツィア

水の都、ヴェネツィア

ヴェネツィアの存在を知ったのは小学生の頃。
ポケットモンスターのシリーズに、「水の都の護神 ラティオスとラティアス」という映画があって、そこで初めて現実に「水の都」というものが存在することを知った。映画自体はそこまで印象に残るものではなかったけど、「水の都」という字面は覚えている。エンタメニュースか何かで、この「水の都」は実在していて、ヴェネツィアという場所がそうらしい、ということを知った。調べて

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イタリアンバール、ミラノ

イタリアンバール、ミラノ

ミラノの最初の宿泊先は、中央駅から25分ほど歩いたところにある。
ここから50mも歩けばバールが何軒かある。
というより、ミラノ市街地には50mも歩けば最低一軒はバールがある。他の都市もそうなんだろうか。
驚いたのはそれらがチェーン店ではなく、それぞれ個人店(だと思われる)だからだ。
日本のように大手チェーン店が都心部を占有していない。
地価が違うのか、代々続くお店が多いのか、土地持ちが多いのか、

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トイレに行きたい、機内

トイレに行きたい、機内

成田を出て、アラブ首長国連邦アブダビで乗り換え後のミラノ行き機内。
窓際3列席の窓側2席。
私の通路側の隣はアラブ系の男性。
出発して30分ほど、初めは落ち着く姿勢を探っていたのか、大きな身体をもぞもぞと動かしていたが、その後微動だにしなくなった。
それから30分後、CAさんが間食のプレートを配膳し始めた。

どうしよう。まだ少し我慢できるけど、トイレに行きたくなってきた。
アラビアンは寝ている。

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長旅の疲れ、ミラノ

長旅の疲れ、ミラノ

イタリア初日の夜。
とてつもなく懐かしくて、歯痒くて、愛おしい記憶が蘇る。

ミラノ到着日。旅の初日。
着席しながらうつらうつら仮眠は取ったものの、19時間のフライト、一回の乗り換えを乗り越えて辿り着いたイタリア。肉体的に疲れていないはずがない。ましてや昔とは違う、もう30代も半ばを迎えるおじさんだ。すぐ肩は凝るし、頭痛も頻発するし、階段も5段上れば筋肉が辟易し始める。十分な睡眠は健康の要だ。身体

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